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20031113 乾電池

 乾電池は六種類ある$${^{*1}}$$。単一形、単二形、単三形、単四形、単五形、006P形の六種類である。単五形$${^{*2}}$$と006P形$${^{*3}}$$はあまり見かけない。中でも単五形は店頭で殆ど見かけないので、既にこの形の製造は廃止されたかと思っていた。気にしながら見ると時々見かけるので、製造はされている。見えているはずなのに意識しないから全く目に入らない遺構$${^{*4}}$$と同じだ。

 単一形、単二形の「単」とは、単層電池の「単」$${^{*5}}$$らしい。それでは単層電池とは一体何が単層なのだろうか。電池というのは化学反応によって電気が起こるようになっている$${^{*6}}$$。図のように液体のなかに二種類の異なる物質の電極を薬液の中に入れる構造の電池が最初に考え出された$${^{*7}}$$。後に薬液を二酸化マンガンの粉にしみ込ませて簡単に液がこぼれないようにした電池$${^{*8}}$$が発明された。見た目は薬液が入っていない電池と言うことで「乾電池」と呼ばれるようになった。液体のままでは扱いにくいニトログリセリン$${^{*9}}$$を珪藻土にしみ込ませることによって発明されたダイナマイト$${^{*10}}$$とよく似ている。

 因みに乾電池を発明したのは屋井先蔵(やい さきぞう)$${^{*11}}$$という人らしい。1885年に発明した$${^{*12}}$$ようだ。

 電池は、電極に使う物質や反応を起こさせる薬品の種類によって発生する電圧が決まってしまう。電極を大きくしても、薬液の量を増やしてみても乾電池の場合は1.5V程度までしか出ない$${^{*13}}$$。この「1.5V」がでる仕組みが一単位である。単○形の電池には「1.5V」の仕組みが一つしか入っていないので「単」ということになる。

 電池の語源は英語の「cell」$${^{*14}}$$だから、単層よりもむしろ「単室」の「単」$${^{*15}}$$とした方がいいかもしれない。「単層」は「積層電池」が出来てからの後追い命名語retronym$${^{*16}}$$だろう。

*1 BF:電池の種類と特徴(マンガン乾電池)
*2 ソニーeカタログサイト[Sony eCatalog]
*3 東芝 S-006P(9V)アルカリ ショッピングのキュリオシティ 【ヤマ@デン】
*4 遺構探訪
*5 Google 検索: 乾電池 単層
*6 BF:電池のしくみTOP
*7 TEPCO : 電気・電力辞典 | 乾電池
*8 電池の豆知識-電池のなかみ
*9 20011204 ニトログリセリン
*10 ノーベル賞って、何?
*11 屋井先蔵
*12 電池の歴史
*13 マンガン乾電池 スーパーパワーエースレッド_データ
*14 20020923 電池とバッテリーとの関係
*15 株式会社ネクセルジャパン battery-know
*16 20011217 カメノテ(2)

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