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20011204 ニトログリセリン

 爆薬としてのニトログリセリンと医薬品としてのニトログリセリンとの関係がよく判らなかった。実は別物なのだが、名前だけは巷で同じになってしまったのか、本当に同じ化学物質なのかがどうもはっきりしなかった。もしかしたら半導体の「シリコン$${^{*1}}$$」と美容整形などに使う「シリコン$${^{*2}}$$」とは、本当は前者は「シリコン」後者は「シリコーン」なのに混同されて一緒になってしまったのと同じかもしれない。何となくそう考えていた。

 同じ化学物質$${^{*3}}$$らしい。狭心症$${^{*4}}$$の$${^{*5}}$$としてニトログリセリンが使われる。爆薬と同じニトログリセリンを使っているので爆発の危険性$${^{*6}}$$はないのだろうか。量が少ないので爆発まで至らないのかも知れない。

 そもそもニトログリセリン$${^{*7}}$$は何故爆発するのだろう。因みに爆発というのは必ずしも急激に物が燃える現象だけではない。圧縮した空気の容器が何かのきっかけで破裂するのも爆発というし、急激な核反応$${^{*8}}$$も爆発という。ニトログリセリンの爆発は急激に物が燃えることによる爆発である。急激に物が燃えた時に発生するガスの膨張とその時発生する熱とによって物を破壊する。

 ニトログリセリンは自分自身に酸素を持っている$${^{*9}}$$ので周りに酸素がなくても自分だけで燃焼できて、しかも燃焼すると窒素ガスが発生するのでこれが膨張して爆発する。これはニトロ基$${^{*10}}$$という原子集団をニトログリセリンが持っていて、このニトロ基が分解し易いためである。ニトログリセリンよりもニトロ基を沢山持った化合物$${^{*11}}$$は更に爆発の威力が大きくなる。

 薬にした場合、錠剤などに含まれるニトログリセリンの自体の量は少ないかも知れないが、起こる反応は同じであろう。少しずつ分解していくのだろうか。比較的日持ちしにくい薬$${^{*12}}$$なのかも知れない。

*1 20000504 SOI
*2 20000428 CZ
*3 爆弾と心臓病とノーベル賞
*4 狭心症
*5 ニトロ製剤の正しい使い方 よくわかる循環器病 循環器病情報サービス 国立循環器病センター ニトロ製剤の正しい使い方
*6 『NO』と言える血管
*7 化合爆薬
*8 20000806 ビキニ
*9 うんちく科学研究所2
*10 化学種-ニトロ基
*11 おもしろ化合物 第20話:「爆発するサイコロ」
*12 ニトロ製剤の正しい使い方 よくわかる循環器病 循環器病情報サービス 国立循環器病センター ニトロ製剤の正しい使い方 (7)保管方法

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