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20030618 環境保全と免罪符

 リコーは環境保全に力を入れている企業$${^{*1}}$$である。企業が環境保全にいくら力を入れても環境保全自体がその企業の目的ではないので、企業が営利追求行為をすれば、自然環境状態は現状よりも必ず悪化する。その度合いを出来るだけ小さくしようとするのが企業の環境保全活動ということになるが、その行為自体は免罪符$${^{*2}}$$的な側面もある。免罪符が悪いわけではないが、それを用いた企業宣伝などが度を過ぎると不遜になりかねない。

 そのなかでリコーはこんなことをしている。自然エネルギーを使ったネオン広告塔$${^{*3}}$$を作ったらしい。このネオン広告塔には小型風力発電機と太陽電池とが備え付けられており、これで発電された電力が蓄電池に充電され、夜になるとその蓄えられた電力でネオンサインを点灯させるらしい。

 天候によっては十分充電できず、ネオンサインを点灯することが出来ない日が出てくるという。そういう場合、自動的に商用電力に切り替えることは技術的には非常に簡単なことであるが、敢えてリコーはそういった自然の不規則性を受け入れている。環境保全を推進するにはそれくらいの発想の転換が必要であるという認識なのである。

 全く商用電力を使わないので、経費の節減にもなる。蓄電池や風力発電機の管理維持費が余分にかかるが、電気代より安くなるという計算なのだろう。

 自然に頼っているためネオンが点かなくて広告が出来ない日が出てくる。石油資源の一部を使い二酸化炭素を大気中に放出しながら出来た電気を用いるテレビジョン広告で環境保全の宣伝をする行為と較べると、潔い感じがする。

*1 リコーグループの環境経営
*2 THE BRITISH LIBRARY - The world's knowledge Related Items INDULGENCE
*3 自然エネルギーで点灯するネオン広告塔

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