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20060328 木星の上下

 空の月の上下$${^{*1}}$$は地球の南北にあわせて決めている。学術的に決められている訳ではない。宇宙には「上下」を決める術はないので、私が勝手にそう決めているだけである。ただ、大抵の人は自分が住んでいる所から見た月の上の部分を「月の上」、下の部分を「月の下」と考えているに違いない。

 それでは太陽系の惑星の上下はどうか。これも月と同様、自転軸に沿った方向のどちらかを上にするのだろう。例えば木星$${^{*2}}$$には特徴的な模様がある。大赤班$${^{*3}}$$と呼ばれる大きな斑点がある。多くの木星の写真$${^{*4}}$$は、この大赤班が下半球に来るように配置される。

 太陽系の惑星の公転面は大体一つの平面上に揃っている$${^{*5}}$$。木星の自転軸と地球のそれは殆ど同じ方向を向いているので、月と同じように考えて地上から見て上になっている方が木星の上になるだろう。大赤班は「木星の南半球$${^{*6}}$$」と説明されている。つまり地球の北半球から見れば木星の大赤班は下になる。南半球であれば大赤班は上になる。

 天体望遠鏡を通して見ると上下が逆に見える$${^{*7}}$$。月のように肉眼で表面の模様が見える場合は、違和感が付きまとうが、木星の大赤班は肉眼では見えないので、望遠鏡で見た通りが上下と言ってもおかしくはない。天体にそもそも上下はないのだから北半球南半球を決めておいて「北半球を上とする」としておけばすっきりする。では南北はどう決めればよいか。地球の北半球と同じ方をその惑星や衛星の北半球とすればいいだろう。

*1 20060327 月の上下
*2 木星
*3 NASA's Solar System Exploration: Multimedia: Gallery: Jupiter Great Red Spot
*4 Catalog Page for PIA02873
*5 太陽系最縁部に発見された巨大天体
*6 衝突で一つになった木星の白斑
*7 天体望遠鏡観測の方法 (科学のつまみ食い)

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