見出し画像

20030424 どんぶり勘定

 私の得意技$${^{*0}}$$の一つである「どんぶり勘定」の語源を最近知った。

 「鯖を読む*1$${^{*1}}$$」と同じようにどんぶり鉢を飛ばして数える、というふうには考えていなかった。何かしらどんぶりから賭博の「ちんちろりん$${^{*2}}$$」を連想して、散財につながるようないい加減な勘定の仕方とか、何故かどんぶり鉢に金を入れておいてよく数えもせずに使うこと、と勝手に考えていた。特に後者は「どんぶり鉢に金を入れる」理由がどこにもないので、恐らくどんぶり勘定という言葉の意味から遡って想像した由来だろう。

 どんぶり勘定の「どんぶり」はどんぶり鉢$${^{*3}}$$のことではなかった。

 どんぶり勘定$${^{*4}}$$の「どんぶり」とは職人などが着る腹掛け$${^{*5}}$$の物入れのことらしい。この腹掛けの物入れの語源はどんぶり鉢からだろうから、どんぶり鉢が語源と言っても大きく間違っていないことになる。

 漢字の「丼」は本場中国製である。中国では「丼」は井戸の意味だったり、物が井戸に落ちた時の音である。前者の漢音$${^{*6}}$$は「セイ」、呉音*6は「ショウ」、後者の場合はそれぞれ「タン」、「トン」となる。

 日本での読み方は、物が井戸に落ちる音から「どんぶり」となっている。意味はどんぶり鉢、丼飯、腹掛けの物入れである。中国語の本来の「丼」の意味とは全く異なる。これから考えると最初に「どんぶり」という言葉があって、それに意味として全く関係のない漢字の「丼」を充てたことになる。

 では「どんぶり」の語源は何か。調べてみると上で推測したことが、そのままここ$${^{*7}}$$に書いてあった。「どんぶり」の語源は二つあるようだ。朝鮮語からと江戸時代の「けんどん屋」からとの二つである。「けんどん」とは「つっけんどん」の「慳貪$${^{*8}}$$」のことで、一杯飯屋の慳貪屋のような鉢で「けんどん振り(ぶり)の鉢」、それが略されて「どんぶり」となったと言う。

 慳貪屋で使う鉢なら普通は「けんどん鉢」になって、簡単に略すなら「けんどん」、粋な略し方なら「どんばち」になりそうだ。江戸時代の言葉の出来方は今とは少し違うのだろうか。

*0 20020420 先延ばし
*1 鯖を読む
*2 微ニ入ルソウル~チンチロリン説明
*3 【うつわ屋 本橋】 どんぶり鉢
*4 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: どんぶりかんじょう
*5 NAKAYA 浅草中屋 中川株式会社 身につけるには
*6 月光天文台ホームページ 日本はなぜジャパンか?
*7 びっくり!!パワーシャベル
*8 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 慳貪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?