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20031024 石垣島(4) クサイロカノコ

 西表島の星砂の浜でペットボトルに星の砂を入れていた時$${^{*1}}$$、地元の初老の男性が何か一所懸命拾っていた。地元の人が拾っているならば「星の砂$${^{*2}}$$」ではない筈だ。あれだけ一所懸命拾っているのだから何か金目になるものだろうと思い、聞いてみた。

 貝を拾っているという。小さな緑色をした貝である。滅多に落ちてはいない。目を凝らしたり上辺の砂を払い除けたりすると見つかる。大きさが大きくても5mm程度の小さな貝である。男性はこれを沢山集めていた。

 何に使うのかは特に聞かなかった。きれいなので自分も探してみた。何個か見つけてペットボトルの中に入れた$${^{*3}}$$。

 仲間に「グラム当たり数千円で売買されている貝が落ちているらしい」と冗談交じりに話したら、一瞬色めいたがすぐに冗談だということがバレた。

 浜辺の入り口にあった出店のおばさん$${^{*4}}$$に緑色の貝のことを聞いてみたら「拾っていたのはうちの旦那だ。瓶の中に入れる貝を拾っている」というので少しびっくりした。冗談になっていなかった。

 緑色の貝は「クサイロカノコ$${^{*5}}$$」という名前の貝であった。学名名は「Smaragdia rangiana$${^{*6}}$$」というらしい。星の砂と同じように海藻にくっついて生活している$${^{*7}}$$ようだ。

 インターネット上でこの小さな貝殻は販売されている。ここでは1個$0.5$${^{*8}}$$である。こちらでは10個$5$${^{*9}}$$のようだ。「グラム当たり数千円」というのもそれ程大袈裟な値段ではなかった。

*1 20031023 石垣島(3) 有孔虫
*2 MHNN - Catalogue - La Grande Illusion
*3 greenshell.jpg
*4 ikiosk.jpg
*5 クサイロカノコ | 美ら海生き物図鑑 | 沖縄美ら海水族館 - 沖縄の美ら海を、次の世代へ。-
*6 Sea Shells Smaragdia rangiana
*7 貝の博物誌 3.貝類の生息環境 海藻上
*8 Femorale NERITIDAE - Smaragdia rangiana (Recluz, 1842)
*9 WWW.SPECIMENSHELLS.NET Smaragdia rangiana

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