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採用

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採用について書いた記事です。
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面談案内の30分後にキャンセル案内が来た話

本日YouTrustで某社の案件に応募したところ、面談案内の30分後にキャンセル案内が来るという事案がありました。具体的に時系列を書くと、以下の通りです。 午前中 財前が案件に応募する 16:22 企業からカジュアル面談の案内が来る 16:41 財前がSpirで日程調整を完了する 16:54 企業から定員充足と面談キャンセルの案内が来る 案内からキャンセルまでわずか30分です。面談前の定員充足とキャンセル自体はよくあるので仕方無いのですが、たった30分間で充足するの

採用のMA活用は流行らない

数年前に「採用マーケティング」という言葉が流行ったと同時に、採用にMAツールを活用しようという風潮が盛り上がりましたが、その後、大きな活用事例も出ず沈静化した印象があります。単にブームが過ぎただけという説もありますが、そもそも採用でのMA活用が原理的に難しいために流行らないのだと考えています。 MA活用が注目された理由そもそもなぜMA活用の話が盛り上がったかというと、採用活動におけるカジュアル面談の普及とナーチャリングの欠如が大きいからでしょう。カジュアル面談とは転職意欲の

人はあらすじが分からない映画を観に行かない

人が映画を観に行く際、名前を知っている映画(ポケモンやコナン)やあらすじがおもしろそうな映画を選ぶことが多いでしょう。宮崎駿のような実績ある監督でない限り、あらすじが不明の映画はおもしろいかどうか分からないからです。あらすじがつまらない映画であればZ級映画マニアが見に行く可能性はありますが、あらすじ不明はその可能性すらありません。 これと同じことが採用にも言えます。候補者がカジュアル面談や選考に申し込む際、名前を知っている企業や事業がおもしろそうな企業を選びます。企業は「面

採用も結婚も炎上しやすい

採用担当の発言が定期的に炎上していますが、何も炎上するのは彼らだけではなく、それ以外の職種(営業やデザイナーやエンジニアやマーケティングなど)でも炎上案件があります。それなのに採用担当ばかり炎上しているように見えるのは、採用が多くの人の関心ごとだからでしょう。 例えば、数年前にプログラミングスクールの炎上(金額が高い、教材パクリなど)が頻発しました。IT業界では大きな話題になりましたが、非IT業界の人からすると全く関わりの無いテーマなので、炎上の事実すら知らない人もいるでし

会社視点や経営者視点の強すぎる人事は炎上する

人事のSNSでの炎上がここ数年多発しています。最近だと「ボーナスを貰ってから退職するよりも早めに退職したほうが互いのため」、その前は「採用は採ってはいけない人を見極める仕事」「給与にこだわる人とは働きたくない」「労働者は守られすぎ」などの投稿が炎上しました。 こうした発言が繰り返される原因は、人事の会社視点や経営者視点が強すぎるからではないかと思います。そもそも人事は会社愛が強い人が多いのに加え、最近はHRBP・CHROなど全社視点を持って組織をリードする人事がもてはやされ

候補者は企業の選考で不快に感じたら指摘すべし

「面接官が上から目線」「面接官が提出書類を読んでいない」「カジュアル面談なのに職務経歴書を要求された」など、選考では様々なトラブルが発生することはこれまでに何度か書きました。 こういうトラブルの原因は企業側がほとんどですが、候補者が企業に指摘してこなかったことも一因ではないかと私は考えています。選考に問題のある企業は自覚が無いので指摘しないと気付かないからです。セクハラや差別と同じで、被差別者は発信に勇気が要るでしょうが、沈黙や泣き寝入りは解決になりません。 私は不快に感

エージェントの営業メールの質が低すぎる問題

採用活動をしていると、エージェントのRAの方から「求人を拝見しご連絡しました」という営業メールが来たり、SNSで「人材をご紹介したいのでDMでやりとりさせてください」というリプを受けることがあります。こういう営業手法自体は悪いとは思いませんが、中には営業や提案の質が低すぎると言わざるをえないものがあります。 例えば、最近こんなことがありました。某社でRubyのバックエンドエンジニアを募集しているのですが、あるエージェントから「貴社のエンジニア求人を拝見しご連絡しました」「ご

書類を提出したのに自己紹介は必要か

「自己紹介をお願いします」は面接の定番の質問ですが、書類無しのカジュアル面談ならともかく、書類提出済みの面接でするのは不自然ではないかと思います。面接官が事前に書類を読みこんでおけば候補者の経歴や自己PRなどはおよそ掴めるはずであり、それでいて「自己紹介お願いします」は書類を読んでいないに等しいからです。 初対面なのだから自己紹介をするのが礼儀・マナーだという人がいるかもしれませんが、それなら面接官も自己紹介すべきでしょう。候補者にだけ自己紹介させるのは「面接官は選考する側

事前に魅力付けしないとカジュアル面談が増えない

カジュアル面談の目的は以前に書いた通り色々あるのですが、企業からスカウトを送った場合はアトラクトの要素が強いと思います。面談を通じて自社の魅力付けを行い、選考意欲を高めるわけですね。 しかし、私の経験則だとここ数年は「面談」と「魅力付け」の順序が逆転しつつあります。「面談で魅力を伝える」のではなく、事前に魅力を伝えないと候補者が面談に応募しないことが増えました。その理由は、候補者1人あたりのスカウト受信数が増えすぎたため全てに応募するときりがなく、候補者が企業のスカウト文や

採用担当が「社内RPO」に陥ってはいけない

採用を成功させる上で事業サイドの協力は不可欠ですが、事業サイドに業務を任せすぎると、人事や採用担当が「社内RPO」に陥る恐れがあります。 例えば、エンジニア採用にあたって現場のエンジニアが求人票を作ったり、採用媒体のスカウト文章を作ってくれたとします。こうなると、採用担当がやることは「エージェントとの連絡」「候補者へのスカウト送信」「候補者との連絡」といったコーディネーター業務であり、クライアントが企画・要件定義したものを実行するRPOとほとんど変わりません。 採用担当の

採用も結婚生活も他と比べない

独身の私が言うのもおかしいですが、結婚生活のコツは他人と比べないことだそうです。夫婦や家庭のあり方は人それぞれであり、家庭Aと家庭Bの正解が一致するとは限らないからですね。 同じことが企業の採用活動にも言えると思います。SNSやnoteを見ると他社が発信する情報が嫌でも目に入りますが、採用のあり方は業界や企業によって異なるので、会社Aの採用活動が会社Bにとっても正解とは限りません。もちろん、他社の活動を見て「これは自社でもやるべきだ」と理解した上でやるなら結構ですが、他社の

カジュアル面接という謎の選考フローについて

最近「カジュアル面接」なるものを求人やSNSで見かけることがあります。単に「面談」の書き間違いのものもありますが、中には「書類選考→カジュアル面接→一次面接」などと書かれている求人もあり、カジュアル面接が正式な選考フローとして位置付けているようです。 どの企業も一次面接との違いを求人で一切説明していないため、このカジュアル面接がどういうものなのか分からないのですが、おそらくこういう意図ではないかと想像します。 従来は面接など通常の選考のみ行ってきたが、母集団を増やすため、

「社長・CEO直下」は採用のアピールポイントになるのか

「社長直下で働ける」「CEO直轄の部署に配属」などと「社長・CEO直下」をアピールポイントにしている求人をたまに見かけますが、これを書いても候補者にはほとんど刺さっていないのではないでしょうか。 社長直下によって候補者が得られるメリットは「トップダウンでスピードが速い」「社長と一緒に仕事できるので視野が広がる」とかが挙げられますが、中には外出や会議続きでチャットのレスが非常に遅い社長もいますし、創業者なだけでリーダーシップやマネジメントスキルには欠ける社長もいます。気まぐれ

業務委託案件では単価を早めに公開すべし

巷の業務委託案件を見ると、エージェント経由では単価が記載されているものばかりですが、SNSや採用媒体だと未記載のものが多くあります。応募後にメッセージで単価を教えてくれるならまだしも、中には面接で初めて単価が公開され、そこで金額のミスマッチ(企業が求める単価に比べて候補者の単価が高い)が判明することがあります。 これ自体は正社員の採用でもあることですが、時間単価で稼動する業務委託にとってはミスマッチな面接が多いほど業務時間と稼ぎが減ることを意味しており、機会損失になります。