小説『地底旅行』を読んでみた

こんばんは!ざきさんです。更新がおくれてしまいました。
いよいよ新社会人になりました!まずは目の前のことを一つ一つ一生懸命取り組んでいきたいと思います。
今週は研修を受けていということもあって、いまのところは学生時代よりも規則正しく健康的な生活ができています。また、通勤電車ではどの路線が空いているかを毎日仮設検証しています笑

今回ご紹介するのは『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)です。実は小説を紹介するのは初めてだったりします笑
SF小説の父として知られるフランスの作家ジュール・ヴェルヌによるこの作品は、おそらく誰も経験したことがないであろう地中深くの冒険記になっています。


読んだきっかけ

ヴェルヌのことを知ったのは、森見登美彦さんの『四畳半神話大系』がきっかけです。主人公が古本市でヴェルヌの『海底二万海里』を手に取っていました。お恥ずかしながら私はそれまでヴェルヌのことは存じ上げていませんでした。星新一以外あまりSF小説を読んだことがなかったので読んでみた次第です。

おすすめポイント

①イメージしやすい情景描写
②ハラハラドキドキの臨場感のあるストーリー設定
③地学や生物などの身近なサイエンス要素がちりばめられている


①イメージしやすい情景描写
この小説のすごいところは文章を読むことで情景がありありと思い浮かぶ点です。この『地底旅行』の設定とは時代も場所も大きく異なりますが、自分も小説と同じ場所にいるのではないかと錯覚してしまいました。
まず、登場人物の言葉遣いや行動などが詳細に描写されているのでキャラクターがはっきりと浮かび上がってきます。また、冒険記であるのでドイツやアイスランド、デンマーク、地底の空想的な空間などヨーロッパの様々な土地がでてくるのですが、それぞれの土地の気候、自然、動物などを用いて土地の印象が形作られています。

②ハラハラドキドキの臨場感のあるストーリー設定
物語は好奇心旺盛でせっかちな性格のリーデンブロック教授が、持っていた古書から暗号を見つけ助手のアクセルとそれを解読するところから始まります。暗号によって地底旅行にいざなわれることになるのですが、リーデンブロック教授は行く気満々な一方で助手のアクセルは乗り気ではありません。
私も読みながら不安な気持ちになり「地底になんて行かなくていいじゃないか。地球の中心にはマグマが溜まっているというし、帰ってこれなくなったら大変じゃないか」などと元も子もないことを考えていました笑

旅の道中で頼もしい助っ人に出会い、彼も含めた3人で地底を目指していくわけですが、地底の神秘的な描写やクライマックスのダイナミックなシーンは特におすすめです!ぜひ、3人とともに地底旅行を楽しんでみてください!!

③地学や生物などの身近なサイエンス要素がちりばめられている
本書では、冒険記としての楽しいストーリーだけではなく、ヴェルヌの深い知見に裏付けられたサイエンス要素にも注目です。
リーデンブロック教授やアクセル達は、陸路だけでなく船を使った移動などもしますが、航海する際の移動日数や方角の計算をしたり、地下へ進んでいく際の高度を計算したり、岩石から地層の特徴や年代を類推するなどしています。ヴェルヌの時代の知識がアップデートされて現在では異なる情報もあるのですが、ヴェルヌの博学さには舌を巻きます。


感想

この『地底旅行』は実は1864年に初版されていますが、150年以上の時を超えても色褪せないはつらつとしたストーリーが描かれています。地底深く潜っていくという奇想天外なストーリーで大きな困難にも見舞われて不安になる場面もありますが、読み終わった後には晴れやかな気持ちになることができました!小説としてはボリュームのある一冊ですが、夢中になって読み進めてしまうかもしれませんね。ぜひお手に取っていただきたいと思います。

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