置き去り猫を助けたい！⑦

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子猫、確保！！

ついに子猫を発見し、この機会を逃せば捕獲が遠のく...というプレッシャーがのしかかります。慎重に少しずつ餌皿を引き寄せては子猫が食いつくのを待ち、また少しずつ引き寄せてジリジリと子猫がテラス下から出てくるように誘います。

そして体半分出たところで（今だ...！！）と両手を伸ばし、2匹同時に捕獲できた時は、本当に、心底ホッとしました。

両手に子猫を掴みつつ、まずはビワちゃんに謝りました。「絶対に幸せにするから、安心してね、ごめんね」と。悲しそうな、驚いたような表情のビワちゃんの前から子猫を連れ去る時は、胸がえぐられるような思いでした。

暑い夏の日に産み、10月頭にあった大型台風の時も必死に守ったであろう子供たちを取られてどんな思いだろうと。でもここにいても、猫たちの未来は不安定です。これでいいんだと自分に言い聞かせ、ビワちゃんの視線を振り切って子猫たちを家の中に入れました。

子猫たちは見たところ元気そうでしたが、念のため捕獲後すぐに病院へ連れて行き、体調チェックと駆虫、検便などをしてもらいました。幸い2匹とも状態が良く、野良の子猫とは思えないねと獣医さんに言われるほどきれいで健康体でした。ビワちゃんがしっかりとお世話をしていたおかげです。

予想外の捕獲になったのでケージが間に合わず、洗面所に慌てて作ったダンボールハウス（中型ダンボール2つを解体して大きめの壁を作り、中にトイレとベッドを置いて、天井代わりに上から布を被せた）で過ごしてもらいましたが、暴れることもなくごはんもモリモリ食べ、さらにトイレでちゃんとおしっこをし、大人しく過ごしてくれたのは本当に助かりました。

午前中の捕獲→病院→初めての野良子猫のお世話→ネットでケージを購入。ここまでで気がつくとすでに深夜。ヘトヘトになりながらもやっとゆっくり触れ合った子猫たちの、そのめちゃくちゃなかわいさは忘れられません。あまりにも小さくて柔らかくて、ものすごく頼りない感じがとても愛おしかったです。

子猫たちをなでながら、寝落ちしそうな頭で考えた2匹の名前は、ポーとモネ。キジトラの男の子がポーちゃんで、房総半島のぼうから取り、響きがかわいいのでポーになりました。サビの女の子はモネちゃんで、ここの地名から取りました。いつものごとく安直な命名ですが、ちゃんと心を込めてピンと来た名前をつけました。

ビワパニック

約2週間後の不妊手術の日に向けて一斉捕獲しようと計画していたところでの子猫登場だったので計画を変更し、急遽お母さん猫ビワちゃんの捕獲に挑戦することになりました。

子猫たちはもうドライフードが食べられるものの、やはり親子一緒に居られるならそれに越したことはないので、まずお隣さんに捕獲の相談に行きました。ビワちゃんはお隣さんには慣れているので、キャリーに入れて持ってきてくださいとお願いして待つこと約1時間。

なんと、お隣さんが素手で捕まえてそのままうちに持ってきてくれました。ブラン...と大人しく抱えられるビワちゃん。これはこのままケージまでいけるか？と思ったのも束の間、ビワちゃん突然の大パニック。お隣さんの肩を踏み台に玄関の天井付近までビヨーンと飛んで、ダダダダッッとリビングまで猛ダッシュからのガラスドアにアタックし続け大暴れ。リビングにいたうちの猫キューちゃんも知らない猫の突撃に固まり石化。カオスです。

慌ててベッドから毛布を剥ぎ取りビワちゃんにそっと被せ（猫はタオルなどで視界を塞ぐと不動化します）なんとか捕まえてケージに入れることができた時は、私もビワちゃんも息はハアハア、心臓はバクバクでした。

子猫たちとビワちゃんが離れてほぼ丸1日。親子の感動的な再会になるかな！との予想は見事に裏切られ、ビワちゃんは子猫を完全無視して銅像化、ポーちゃんはビビり散らし、モネにいたってはビワちゃんにシャーシャーどころか顔の真ん前で空気砲を連発。あれ、一緒にしたらまずいのかな...と、かなり焦りました。でもビワちゃんが子猫たちを攻撃する様子がまったくなかったので、しばらく様子を見守ることにしました。

⑧につづく