ハッピーエンドは、嫌いだ。

僕はハッピーエンドが嫌いだ。
全てが丸く収まって、この先も変わらない幸せが続いていくのだろう、と考えてしまうからだ。
だから僕はバッドエンド寄りのストーリーを好んで見る。受け取る側の人間に「主人公、またはその人を取り巻く未来」というものを考える余地を与えてくれる。
この先幸せになるもよし、この先どん底でもそれはそれでよし。


なんてのは建前であって、自分の人生で「ハッピーエンド」というものに出会ったことがないからだろう。
僕は人生の重要な分岐点で何度か挫折や後悔を経験している。
たかが20年生きたくらいで何を言っているんだ、と思われるかもしれないが、「未来」という不確定で未知のものに自分を委ねてしまうのは、それはそれでどうか?と思ってしまう。
そもそも、人生において「終わる」ということに対して、いい意味がないからであろう。
僕の好きなゲームの言葉に、こんなものがある。
『こうして、俺の物語は終わる。物語は終わっても、人生は続く。
「めでたしめでたし」で読者は本を閉じることができても、俺たちの努力が終わることはない。
そう、みんな歩き続けるのだ。』

物語は終わっても、人生は続く。これに尽きると思った。
その人にはその人の人生があって、物語の中では幸せでも、ハッピーエンドであれば、それよりも不幸な未来が待っているかもしれない。それが僕には耐えられない。せめて、バッドエンドであって、僕が見てきたあなたの人生よりも不幸にならないでいてほしい、そんなことを考える。


幸せの99%は、いつか終わる。
終わりが来ないように目を背けていても、いつかその時はやって来る。




だからさ、ハッピーエンドは、嫌いだ。


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