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第2回鯛巻めきめ記念杯

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#小説

ザ・ウィッシュボーン

ザ・ウィッシュボーン

この世界で語られる言葉は、自らに込められた意図やその目的を、自らの意志で語り始める。
――第1の願い

 第2願望期。夏。フランツの駆るバイクは打ち捨てられた廃墟の街を走っていた。辺りには霧のように濃い砂煙が舞っている。並び立つビルは水底の海藻に似て、輪郭だけがおぼろに揺れていた。

 フランツは分厚いゴーグル越しに前方を睨んだ。昼間だというのに辺りは暗い。空にわだかまるねがいの分厚い層に阻まれて

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『話す男の話』


おれはずっともうこうして暮らしている。つまりどういうことか。啓示だ。
啓示。お告げというには色の無いそれ。おれの脳内に語りかける者がいる。いや、声がするわけじゃない。ただ何となく、そいつはおれの視線をひっぱって事象へと結びつける。まるで妖精が現実にいるみたいだ、と、思うときもある。これがおれのもつ妙なところ、特異な……そう、体質、だ。早い話、おれは未来予知ができる。”””できる”””。『あいか

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「アイ・ソウト・オブ・ガン・アンド・マイ・デッドボディ・ビフォア」

「アイ・ソウト・オブ・ガン・アンド・マイ・デッドボディ・ビフォア」

 おれ。
 おれが、死んでいる。
 そう、おれだ。おれが死んでいる。おれの目の前で。脳天に風穴を開けられて、後頭部から中身を噴き出して、おれが死んでいる。――では、おれは? おれは誰だ?
 おれの手には銃。六連発の回転弾倉に空薬莢が一発分、あとは空。つまり、こういうことか。
 おれが、おれを殺した……?

 おれが倒れているのは――ややこしいな、死んでいる方のおれが倒れているのは小便器の前。つまり

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虹の空と銀の怪物と向こうの旅

虹の空と銀の怪物と向こうの旅

 ――人生は旅だというやつがいる。
 その旅には道がある。けれど、進む先を見通すことは出来ない。
 その旅には夜がある。けれど、暗闇の世界にもやがて朝は来る。
 朝の光を拝めず、夜の間に野垂れ死ぬ奴も居る。旅の全てが幸せとは限らない。歩いた道の結末は様々だが、その過程は全て旅だ。

 クー・ラフィックにとっての人生は――どうだろう。クーにはまだ解らない。人生について語る人間など、世俗の労苦を見下ろ

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マーク付きエンジェルネスト

マーク付きエンジェルネスト

眠りの渦中に沈み込む意識を何者かが引っ張り上げようとしている。おれはその手を払いのける。おれは眠りたい、まだ眠っていたい。断続的に体が揺すられる。ふかふかとした手の感触がおれを捉える。薄皮のようにおれを包んでいた眠気は一枚ずつ取り払われていく。体が再び揺すられた。おれはゆっくり目を開いた。
「お客さーん、終点ですよォー」
息が掛かるくらいの至近距離に浮かぶ【金の目】がぎょろりと俺を見た。おれは飛び

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