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プリンセスになりたかっただけなのに

お姫様は王子様と
末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。

そんな大人になるんだと
信じて疑わなかった幼少期。

中学生になって
自分はお姫様じゃないことに気づいた。
高校生になって
白馬の王子様なんていないことを知った。
大学生になって
末永い幸せなんてそうないことがわかった。

26歳の今、思っていることは
とびっきり裕福でなくていいから
振り向くようなイケメンじゃなくていいから
普通に、ふつうに、フツウに、
結婚したい。家庭を持ちたい。

だけど。

兄弟がいる。
マイホームや自家用車がある。
家に帰ると母がおかえりと迎えてくれる。
週末には家族で外食する。
夏休みには祖父母を連れて旅行に出かける。
私のフツウは恵まれていた。

プリンセスどころか
さくらももこのお家にも
野比のび太のお家にも
月島雫のお家にも
あの頃の当たり前に、私はなれない。

そんな絶望を私にさせるから
今となってはおとぎ話は苦手だ。

勉強だってそこそこしてきたし
恋愛だってそれなりに経験したし
仕事だって人並みには頑張っている。
どうして、私には。

あの頃の当たり前が
今の私を締めつける。

シンデレラのコルセットに憧れていたけど
峰不二子のキャットスーツが大好きだったけど
締めつけられたのは現実と
肌色のストッキングだけ。

私はプリンセスになりたかっただけなのに。

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