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映画「私が愛した大統領」F・ルーズベルト大統領とある女性との秘話

原題 Hyde Park on Hudson
公開年 2012
製作国 イギリス
原作 リチャード・ネルソン
監督 ロジャー・ミッシェル
キャスト ビル・マーレイ、ローラ・リニー、サミュエル・ウェスト、オリヴィア・コールマン他
評価(10段階): ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

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あらすじ
アメリカ大統領、F・ルーズベルト大統領と、大統領を陰から支えたいとこのデイジーとの物語。

イギリス国王の初のアメリカ訪問がメインエピソード。
戦争でアメリカ側の協力を得ようとアメリカにやってきたジョージ5世。
小児麻痺(ポリオ)の後遺症を抱えるルーズベルト大統領と、吃音に苦しむジョージ5世は2人でどんな会話を交わしたのだろうと想像してみたくなる。

そのメインエピソードをデイジーの視点から描こうとするから焦点が定まらない。
史実なのかもしれない。それでも、単なるいとこであるデイジーが執務室を自由に出入りし、国王訪問の場にまでいることへの違和感が拭えない。ルーズベルト大統領がデイジーに惹かれた理由がしっかり描かれていないからではないだろうか。
なんというか、デイジーに個性がないのだ。知的な会話の相手でもなさそうだ。一緒にいて落ち着くというセリフだけではわからない。

その他の登場人物も魅力的に思えなかった。

ルーズベルト大統領の妻であるエレノア。
映画では大統領の手に負えない人物として描かれている。独自の行動をとるエネルギッシュな女性であったのだろうが、あまりに一面的で魅力が伝わらない。
それとも、デイジーの視点からの映画なので、エレノアの魅力など描く必要はないということか。
少し探しただけでも、エレノアを高く評価しているものもたくさんあるというのに。

女性実力者の系譜-政府における女性の役割 「アナ・エレノア・ルーズベルト」

(以下、ネタバレあり)

身近な何人もの女性に手を出していたルーズベルト大統領。そして口説き文句は同じ。
それでも許してしまうデイジー。小説、チボー家の人々のジェローム然り、ある種の男性は生涯にわたって女性の一生に影響を及ぼすものなのかもしれない。
同じく愛人であるミリーとは全てを共有した、という最後の方のセリフは気持ち悪さを感じた。

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