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【連載9】Zoomで出来た新規事業企画~デザイン思考を活用したアイデアのまとめ方~

こんにちは、MIXTIAの山原です。
完全オンラインでの事業企画の立案について、デザイン思考を用いたアイデアの発想法と、活動を通じて見えてきたオンラインならではの苦労や工夫をお伝えします。
(MIXITAのマガジンはこちら)

私たちMIXTIAが実際に行ってきたアイデアのまとめ方をここから2回に分けてお伝えしていきます。

今回の記事:アイデアの生み出し方(デザイン思考)
次回の記事:アイデアをビジネスプランへと成長させていく工程

まずは私たちMIXTIAが取り組んでいる企画の概要を簡単にご紹介します。

新規事業企画「1Page(ワンぺージ)」

サービス名:1Page(ワンぺージ)
企画概要:多くの人が経験する幼少期の「習い毎」。ここにフォーカスを当てた新しいサービス。子供の習い事に関する活動の記録を中心に遠隔地に住む祖父母とのコミュニケーションを促進し、さらには子供の成長と共に3世代間での絆を育むことをコンセプトとしてサービスを設計。企画名の1Pageには「ページを積み重ねることで本という1つの物語が完成するように、子供が活躍するワンシーンを写真や動画で切り取って保存する1枚のページを綴る事で、この世に1つしかない家族だけの物語を作りだしてほしい。」そんな想いが込められている。

では、この企画がどのようにして生まれたのかをご説明します。

オンラインでも「デザイン思考」を活用!

アイデア創出には昨今様々な場面や企業で取り組まれている「デザイン思考」の考え方を取り入れました。ここではデザイン思考自体の考え方がどのようなものなのかを解説するのではなく、どのようにそれをオンラインで使ってきたかを記載していきます。
デザイン思考の概念自体はとても有名で、特に新規事業企画に興味のある方なら多くの方がご存じだと思います。ところで「デザイン思考」と聞いて思い浮かぶものといえば、壁いっぱいに貼られた付箋や手書きのワークシートではありませんか?
その手法を知っている人ほど、どうやって’あれ’をオンラインでやったのか?ということが気になるのではないかと思います。
ここから記載するアイデアを生み出すプロセスの中でその辺りにも触れながら進めて行こうと思います。

全体の流れと基本的な進め方

まずは全体像を掴んでもらう為に、各ミーティングでどのような事を議論して来たかを時系列に沿ってご紹介します。

第1回:フリーディスカッションで企画1を検討(教育系テーマ)
第2回:フリーディスカッションで企画2を検討(運動会の写真がテーマ)
第3回:フリーディスカッションで企画3を検討(田舎と野菜がテーマ)

ここからデザイン思考のメソッドを採用----
第4回:エピソード持ち寄りペルソナを定義
第5回:課題感やインサイトを読み解く
第6回:解決策の案についてブレスト
第7回:アイデアを集約しサービスを具体化
 ※この4回のミーティングでは、毎回必ず「宿題」を出して、次回のミーティングまでにその宿題をチャットに投稿するというルーティーンを実施しました。
--ここまでで企画の屋台骨が完成----------
第8回目以降は、生まれたアイデア事業企画へと成長させる議論を行います。ここから先は次回の記事で記載します。

**実体験を元にテーマを決定! **

新規事業企画の検討を行っていく場合、そのテーマをどこに設定するか何にフォーカスして議論を進めるか、これは非常に難しく進めにくさを感じている方も多い事と思います。
デザイン思考における発想の起点は常にユーザー視点である為、基本に忠実にまずはペルソナの定義からスタートしました。その際、ユーザー体験をより強く深く理解する為に、テーマとする市場はメンバーの実体験にちなんだエピソードから発想していきます。今回MIXITAメンバー(特にアイデアメーカーの2人)のお子さんが習い事をされていた事から「習い事をする子供とその家族」というテーマが浮かび上がってきました。

どうやってアイデアの発散と収束をオンラインでやったのか!?

今回、私たちが最も工夫した点はデザイン思考の独特のメソッドをいかにオンラインでも違和感なく実施するか、という部分です。
アイデアを形作る上で重要な2つのフェーズ「発散」と「収束」でどのような議論を進めたかを実例を交えつつご紹介します。

アイデアを発散させる場面
 手順は次の通りです。
①ミーティング前に個人で考えたアイデアの要素をチャットで文字に起こします。ここで、チャット上に上がってきたアイデアの要素を俯瞰して見える形に書き起こしここで、チャット上に上がってきたアイデアの要素を俯瞰して見える形に書き起こてミーティングではこれを画面共有しながら議論を進めます。これが実際に活用した手書きのシートです。

②集まったアイデアの要素を元にZoomでブレスト
 事前にまとめた資料に、リアルタイムで書き込みながら、他の人の案に乗っかる形でどんどんアイデアを膨らませて行きます。この時、画面共有しているPCがタッチペンに対応していた事でスムーズに議論が進められました。まるでホワイトボードのような使い方です。議論の盛り上がりに応じて文字の色や記号、また文字の太さを自在に使い分けられる点はオフラインのホワイトボードよりも可視化に優れているようにも感じました。(難点は一人しか書けないことでしょうか・・・)

アイデアを収束させる場面
 上記の通り、アイデアを発散させた後はそれらを集約した1つのサービスの形を作り上げて行きます。広く発散させたアイデアの中から、特に気に入ったものを3つ選ぶことを事前宿題としてミーティングに臨みます。そして次の手順で議論を進めサービスの形を決定していきました。
 ①思考の技法の1つ「ペーパープロト」をその場で作っちゃう
ここでいう「ペーパープロト」とは‘サービス案をイラストや文字で可視化したもの’というイメージで、オンラインで繋がっているにも関わらず、各自手元に紙とペンを準備してもくもくと個人ワークを進めます。
 ②ペーパープロトの共有と「いいね!」を集める
それぞれが考えたサービス案についてペーパープロトを活用して共有していきます。この時、全員のリアクションをメモしながらより多くの「いいね!=共感」を集めた意見やサービスを抽出していきます。

③共通点を見つけ、サービスのコアを言語化
より共感度の高い意見や議論が盛り上がったポイントは、単なるメモで留めずにメンバー全員の認識をしっかりと統一する意味合いで「言語化」します。これによりこのサービスの核となる部分を浮き彫りにしていきます。

わずか2時間×4回のミーティングで企画の骨組み完成

ここまで約2時間のミーティングを4回と、その間の宿題を個人ワークとして実施する進め方でアイデアの基本的な骨組みが完成しました。

以上が、私たちがオンラインで事業企画のアイデアを創出したプロセスです。

次回の記事では、このアイデアをビジネスプランへと成長させていった過程をご紹介したいと思います。

<MIXTIA連絡先> mixtia_info@mixtia.jp

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