飛び降りたけど死ねなかったしポジティブ思考の強要は自殺教唆だ

2020年の6月某日。自宅マンションから飛び降りたけど死ねなかった話です。

そんな大したことはなくて、もう本当にただそれだけ。

世の中の「ポジティブ思考の人間」、まあ大体母親なんだけど母親の呪いとも言えるような「前向きだったら大丈夫!」みたいなある意味宗教的な「ポジティブ思考だったらいいことが起こる」で私は死にたくなった。

2年前の1月頃に「仕事が辛い」と零せば「あんたなら大丈夫!前向きに考えてたらいい事あるしママもそうだった!」と答える母。「そうだよね、私なら大丈夫だよね。頑張るね」と返す私。どれだけがんばっても頑張っても辛い現実が変わることはなくて、毎日心が不安定だった。なんでもないことで落ち込む。死にたくなる。その結果、駆け込んだ心療内科ではゴミみたいな先生に当たってこのままだと死ぬしもういい辞めます。と勢いで退職。まあその結果借金いっぱいできちゃうんですけどね。

多分先月のこと。ここ数日ほどではないけど物凄く落ち込んで辛い、と数時間に渡って彼氏に電話で話してた私も悪い。でも彼氏から「前向いてなきゃやってらんねーこともあんだよ」と言われて、「ああ、この人も前向きだといいことがあるという宗教なんだ」と思って勢いで電話を切った。前を向いてたらどうにかなる、で努力し続けた私の心が壊れてしまった話を、彼は軽んじていたんだな、と思った瞬間だと思う。和解はしたし、その後彼氏の方が前向きになろうなんてことは一切言わなくなった。

然し今月の頭に飛び降りたのは私だ。

ほとんど無傷だったのが不幸中の幸いだろう。とにかくもう、漠然とした不安が辛かった。生活リズムが夜勤から日勤に切り替わり、世間がリモート解除で人が溢れて慣れない満員電車に未だ慣れない高温と高湿度。自分の外側の変化に対応できないせいなんだと思う。今も死にたい。

外に出るのが怖い。通勤中に歩いているだけで泣きそうになる。人が沢山いると心臓がバクバクする。呼吸が苦しくて、過呼吸も引き起こしてしまった。迷惑を掛けた。とにかく、漠然と死にたい。

飛び降りたのは、そういう外側の要因と彼氏や母の「まあどうにかなる」というまた根拠など一切ない「前向き」な思考の押し付けにも近く、強要にも近い考え方が苦しくなったからだった。

その考え方が自分には向いてないからやめて欲しいと何度訴えても通じない。たぶんわたしのことなんて、2人とも好きとか大事とか言いながら本当は殺したいくらい嫌いなんじゃないかなとさえ思えてくる。

前向きに考えようと言う言葉は人を殺す。

ポジティブ思考になろうと言われて人は死ぬ。

お母さんと彼氏へ。私が死んだら殺人を犯したという罪の意識をもって一生忘れないでくださいね。

かわいいかわいい、あなたの娘と彼女より。

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