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カナダでの仕事探しが難しくなっている?

私はカナダ情報収集ツールとしてX(元Twitter)を利用することが多いのですが、ここ数年レジュメを送ってもなかなか面接まで辿り着けないという声を見かけます
実は本格的にコロナ入国規制をカナダが解除した2022年年明けから夏にかけて、同じような現象がありました
そのときは仕事だけではなく、部屋探しも難しく、供給に対して需要が大きく上回った為に特にバンクーバー等の都会ではシェアハウスの賃料も一気に上がった印象でした
今はその時のように住む部屋がないという声はそこまで聞こえませんが、仕事が見つからないという話はよく聞きます

このニュースにもあるようにカナダにtemporary residentsとして滞在する外国人が急増しており、それに伴いカナダの人口も増えています

なので、単純に求人数に対して職を探す人の数が増えるので、失業率が上がるのは自然な流れです
簡単に言えば「悪い時期に渡航してしまった」とも言えるでしょう
こればかりは渡航準備をしていた時期はここまででもなかったという人も多いでしょうから、事前にここまで予想するのは難しかったと思いますし、すでに現地に入ってしまっている人はその現実を受け止めて対応していく他ありません

カナダは夏が一番の繁忙期で夏の繁忙期に向けて4-5月から採用は活発になりますから、この時期に失業率が上がるということは仕事探しがかなりの激戦になっていることは容易に想像できます

また、つい最近「学校卒業したて、もしくはカナダに最近来たばかりの若い人の失業率が上がっている」というニュースを見ました

失業率は上がっているのに、若者や新しくカナダに来た人の失業率も上がっている
これはどういうことを意味するかと考えみると

  1. 雇用主側がなるべく経験者を採用したい

  2. 仕事を探す側と雇用する側のNeedsが合っていない

ことが考えられると思います

雇用主側がなるべく経験者を採用したい

近年アルバータ州を除く各州は最低賃金を上げたり、上げる予定をしたりしています
これらの要因は不動産価格の高騰(それに伴う賃料の高騰)やインフレが原因と考えられます
雇われる側で特に最低賃金で働いていた人にはありがたい話かもしれませんが、雇用主にとっては人件費が上がることに
テナント賃料も上がり、人件費も上げざるを得ない場合、雇用主が考える対策としてスタッフのシフトを削る、もしくはスタッフの数を減らすという方法が考えられます
その策を取るに当たって考えられるのが、より経験のある人材を確保したいという意識が雇用主側に生まれるということです
このことからニュースにあるように学校を卒業したての未経験者が採用されにくくなるというのはあり得る流れだと思います
また、カナダに来たてのNew Comerについても未経験者は採用されにくいでしょうし、カナダ国外で経験者であってもカナダにおけるReferenceがないとカナダ国内のReferenceがある人より不利になるのは頷けます
また、ニュースにあるようにカナダの経済自体が弱くなって来ていることも採用者数を絞ったり、経験者で固めてスタッフ数を減らす方向で検討したくなる要因の一つとも言えます
なので、2024年夏現在では個人の資質に関わらず未経験者や新しくカナダに来た人は仕事探しが難しいと言えると思います

仕事を探す側と雇用する側のNeedsバランスが合っていない

仕事探しが難しい別の理由として仕事を探す側と求人する側のNeedsのバランスが合ってないように感じます

簡単に言うと、求人しているのに雇用主側にとってなかなか人を雇うのが難しい場合が存在するということ

例えば、日本人留学生の多くが同じような職を探している傾向があります
具体的に言うとIT、Admin等のオフィス系、サーバー、バリスタでしょうか
私立カレッジCo-opプログラムや公立カレッジでITやビジネスを専攻していた人はIT、Admin等のオフィス系を探している人が多く、私立カレッジCo-opプログラムでホスピタリティ専攻の人やワーホリの人がサーバーやバリスタを志望している人が多い印象があります
これらの人気職種は日本人だけでも高確率に狙っている人が多い訳ですから、他の国から来た人やカナダ現地の人も応募することを考えると競争率が高いことは容易に想像できます

反対に現在カナダ永住権で優先職種とされているHealth Care系は資格もいるし、誰でも応募できる訳ではないので、雇う側からすればなかなか人を埋めるのが難しいのではないかなと思います

また留学生やワーホリの人は大都市エリアや各州の州都に行きがちなので、それらのエリアで職探しをする場合は求職者の数が多いことから仕事が決まりにくい傾向になると思います

逆に地方都市になるとファーストフード店などの賃金が安い職種では空きポジションを埋めるのが難しいということも
(とは言え、最近はこういう職種でさえ埋まりつつあるという話も聞きますが、、、)

どうしてもカナダで仕事をしたいが、なかなか仕事が見つからないという人はこれらのポイントを逆手に取って、就職活動をしてみてもいいと思います


個人的になかなかカナダで仕事が見つからない人は「自分は何を最優先するのか」というポイントを掘り下げた方がいいかなと思います
例えば、「自分の所持金が尽きてでも、この職業に就くことにこだわりたい」という人はいくら競争が激しくても目指す職業にApplyし続けるというのも一案です
その求職活動中、やりたい職種じゃないけど、自分の目指す職業に就くまでの資金稼ぎとして、競争率が低い職種に応募して、繋ぐという方法もあります
(ただ、昨今はtemporary residentが増えすぎて競争率が低い、無資格でもできる職種はあまりないかもしれませんが、、、)
また、「とりあえず職種には拘らない。カナダで一定期間生活できる資金を稼げればOK」という人もいろんな仕事にApplyしてみてもいいかもしれません
一昔前であれば「どうしても都市部にいたい」という訳じゃないという人であれば地方都市に行ってみることをお勧めしたんですが、今はあまり強く勧められません
というのも、近年永住権狙いの人達がすでに地方にどんどん入って来ていますから、実は地方でも仕事争奪戦は激化しています
「一度カナダの地方都市に住んでみたかった」という人であれば、仕事探しをきっかけに引越しは一つの転機になると思いますが、仕事探しの為だけに地方都市に来たからといって仕事が見つかるかというと未知数だなと思います

もう一つの仕事探しのアイデアとしてはフルタイムに拘らずにパートタイムも視野に入れてみることでしょうか
働き次第ではパートタイムの人がフルタイムに変わったりすることもありますし、とりあえず完全に無給よりパートタイムでも収入を得られることは大きいです
また、一度でもカナダで働くことでその職種では未経験者ではなくなるというのも利点と言えます

「こんな仕事をする為にカナダに来た訳じゃない」と思う人はできる限りの努力をした上で、所持金と相談しながら滞在期間を検討し、所持金が尽きるまでに思い切って日本に帰るという選択肢もあると思います
ワーホリやPGWPのように一度っきりのビザだからという人はそう簡単に帰国という選択肢を決断できないとは思いますが、、、

ぶっちゃけてしまうと、すでに入国しちゃった人には「できる限りのことをやってみましょう」としか言えないし、これからカナダに来ようとしている人には「本当にこのタイミングじゃないとチャレンジできないか考えてみて」と伝えたいし、このタイミングじゃないとチャレンジできません!という人には「とにかく貯められるだけお金を貯めて来て」と言いたいです

もちろん運良くすんなり仕事をGetしてしまう人もいるとは思うけど、今はカナダ国内全体的に職探しは難しい傾向があるので、入国後に「こんなはずじゃなかった!!」とならないためにも、その現実だけは頭の片隅に入れておくと良いかと思います

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