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春の雨に

サァー......

春雨が大地に溶ける音が聞こえます。

春雨はるさめ」 は、字のごとく“春に降る雨”のこと。

咲きはじめたばかりの、あるいはまだ蕾を閉じたままの春の花々に、やさしく降りそそぎます。

“大丈夫、安心して生まれておいで”

そんな声をかけているようにも感じます。

春に降る雨にはさまざまな呼び名があり、昔から歌にも詠まれてきたようです。

立春~3月上旬までの雨は「春の雨」、
3月下旬~4月にかけての雨は「春雨はるさめ

と呼び分けているのだとか。

3月18日は下旬に近いので、おそらく「春雨」。
でも、3月中旬の今ごろの雨にも何か呼び名があるかも?

気になって調べてみたところ、花が咲く時季に合わせていくつか呼び名があると知りました。

菜種梅雨(なたねつゆ)
3月下旬から4月上旬に降る雨。菜の花の開花時期に由来しています。


催花雨(さいかう)
花の開花を促すように振る春先の雨。


紅雨(こうう)
春の花に降り注ぐ雨。

「ハルメク365」より


桜前線に触れた天気予報の記事では「催花雨さいかう」の言葉がつかわれていました。

桜の花をそっと目覚めさせるように降る雨、なんとも風流です。


雨は、心を穏やかにしてくれます。

春というと、古い物を手放して新しい物事を始めなさい、と急かされているような気持ちになり、時々息苦しさを感じてしまう日もあります。
雨は、そんな私の心に休息を与え

“ゆっくり、焦らずにね”

と、天が声をかけてくれているように感じられます。
もし、この雨に名前を付けることができるなら「優声雨ゆうせいう」(やさしく声をかけるように降る雨)はいかがでしょう。


雨のいろいろな呼び名に興味がある方はこちらもどうぞ。
参考にさせていただいたサイトです。


雨は花だけでなく、私たちにもやさしく降りそそぐ。

“大丈夫、安心して生まれておいで”

そう語りかけるように。

目覚めの春に感化され、私の中にも新しい何かが生まれ出る予感。
まだ怯え震えるその何かに向かって、無理に促すのではなく、安心させてあげる言葉をかけてあげたい。

そうして「目覚めたい」と思ったその瞬間を逃さずに、殻を破って光を浴びさせてあげたいと思います。

今日は気温が低くなり、寒暖差に要注意とのこと。
皆さん、あたたかくしてお過ごしください。



2023.03.18 朝

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