大学入試の小論文
どれを選んだらいいか迷うよね~
「ちゅーる」ってどのわんこも大好きなので、いったい何が入っているのか気になる今日この頃です。うちのわんこもちゅーるの袋を見ると目の色が変わります。
ところで、総合型とか学校推薦型とか共テ後の入試とかで、小論文が入試にある大学があります。そうした入試にチャレンジする生徒たちの支援って、いろんな学校でさまざまに行われていると思います。
国語科が中心に「指導」をおこなったり、進路指導部が中心だったり学年がお願いしたり… どんな体制でどんな方法でやるのか悩ましいことも多いですよね。
わたしもけっこう長い間、小論文を書く生徒の支援に携わってきました。その経験をメモしておいて今後ブラッシュアップしていこうと思い、この記事を書いています。
生徒が小論文を書く際に必ず「やってね」と伝えるのは、以下のことです。
「わたしは、この課題文に書いてある内容を理解している」
「わたしは課題で要求されていることを理解している」
以上が読む相手に伝わるようにしよう。だから、課題文を読み取る力がまずは大事だよ。まずは自分の読み取る力を測るために過去問をやってみようね。
小論文は「書くこと」に目が行きがちですが、課題文やテーマや課題資料があるので、それらを「読めている」ことが大前提です。意外とそれが甘くって、格好よく書こうとして書かれている内容も浅いし、課題に応えられていない感じがする…そんな小論文を書く生徒はたくさんいます。そこからスタートです。
じつは上記には、小論文で「きちんと詰めたいこと」が露呈しています。「甘い」「格好よく」「浅い」「応えられていない」とはどういうことだろう?という点です。こうした、抽象表現や比喩表現があらわす内容を読めているかどうか、書くときに抽象表現や比喩表現で逃げていないかどうか、これが小論文が書けるようになる大きなポイントです。
「甘い」は筆者の主張とその根拠を読めているかどうか
「格好よく」は抽象表現や比喩表現での提言・提案に終始し具体性がないこと
「浅い」は問題点や課題の原因を掘り下げられず、したがって1つの原因程度にしか言及できず、その問題が課題が複合的な要素によって生じているということを指摘できないこと
「応えられていない」は作問者が要求していることを論じられていないこと
こんなことが、生徒のみなさんがまずは書いた小論文から見えてきます。そこから、どう支援するのかがポイントになるでしょう。
たとえば、こんなアドバイスをしています。
「小論文読みました。基本どの解答も良く書けている。いいですね。1つだけ、本番にも役立つかもしれないので、下記の課題に取り組んでください。」
「過剰なリスク対策(リスクヘッジ)が、実社会でもしばしば問題となる。その問題の具体例を挙げて問題の所在と対策を述べなさい」600字程度
取り組んでほしいこと→看護の現場でのことを調べておき、その「知識」を入れた解答をつくれるようにしましょう。その方が、他の受験生と差別化ができます。
例えば、この資料にあるとおり、○○○〇大学の附属病院では、患者1人当たりの消毒液の使用量の数値目標を設定してそれをクリアできたかどうかで自己点検評価を行っています(コロナ禍での対応)。それは、感染予防という観点でのリスクヘッジなのですが、当然ながら消毒液の補充や点検、集計など業務は増えます。業務が増えると、他の業務にしわ寄せが行き、重大なインシデントを起こす可能性が高まります。つまり、リスクヘッジをしようとすればするほど、業務量が増え、医療事故を起こす可能性もまた増えるという大きな問題があります。そうした問題にどう対処しているのか、調べておき、回答に盛り込む、ということをしてみてください。
上記のような内容に事実をもとに踏み込んで書ける受験生は少ないでしょうから、かならず、役に立ちます。医療従事者の大変さに寄り添うことも示せますしね。
こんな感じです。課題の内容把握とそれに応えることはできているので、「事実」に基づくことと、多角的な視点からとらえられる態度と能力があることを示すことができるように、というアドバイスです。
小論文の支援って、じつは支援する側の知識を増やし見聞を増やすことになるので、たいへんだけど、支援する側にも良いことがあるなぁって実感します。
webの知識だけではなく、実際にその仕事や、学問に取り組んでいる人の話を聞くのも効果的。そのために大学の説明会や、いろんなところで開かれているシンポジウムなどに足を運んでほしいし自分もそうしたい。
でも、上述のリスクヘッジが業務の過剰を生むという点と同様の問題もあるので、余裕と予算を学校としては提供できるようにしなくてはならないというのが、最近意識している課題です。