冬休み一万文字物語

こちらの話の応用(?)です!


本編

私は萌花。クラスの冷君に、叶わない片想いをしている。
これはあくまでも噂なのだが、同性の私でも可愛いと思う美瑠ちゃんに片想いをしているらしい。
やっぱり容姿の問題なのかな。
「美瑠~!」
美瑠ちゃんの親友、雷亜ちゃん。
雷亜ちゃんは破天荒で、空気が読めないのだが、とても愛嬌があり、可愛らしいので嫌われはしていない。
「雷亜?どしたの?」
と優しく美瑠ちゃん。美瑠ちゃんは容姿だけではなく、性格もいい。私には到底敵わない相手だ。
「わかんないよ、そんなこと言われても。」
と雷亜ちゃん。・・・・・・破天荒だ。何も言うこと無いのに、話しかけてる。破天荒だ。忘れてるだけかもしんないけど。
「あっ、萌花ちゃんもいるじゃ~ん!」
と言って雷亜ちゃんが駆け寄って来た。美瑠ちゃんも歩いてついてくる。
「廊下は走っちゃダメだよ、雷亜。」
と美瑠ちゃんは呆れたよう。でも、ニコニコしているからなんだかんだ言って雷亜ちゃんの事好きなんだろうな~。雷亜ちゃんは
「は~い。」
と子供らしくシュンッとした。
「ごめんなさい、うちの雷亜がお騒がせしました。」
と保護者のように美瑠ちゃん。ホント、同い年なのにしっかりしてるよ、美瑠ちゃんは。
「雷亜、美瑠ちゃんの子供じゃないよ?」
と雷亜ちゃんは美瑠ちゃんを見て首を傾げた。私は思わず、
「何年?」
と聞いてしまった。二人の仲が羨ましいなと思いながら。
「えっと、幼稚園の時からの腐れ縁だから、、、」
と美瑠ちゃんは両手を出して数えだした。雷亜ちゃんは
「九年!」
と即答した。美瑠ちゃんは手を閉じて前を向いた後、
「九年だね。雷亜、早かったけど、なんで?」
といった。雷亜ちゃんは
「美瑠との思い出は全部覚えてるよ!」
と元気に言った。美瑠ちゃんは目を手で覆った後、
「雷亜・・・・・・。」
と声を絞り出した。私はそんな二人の微笑ましい様子を見て、その場を立ち去った。幸いなことに、雷亜ちゃんは美瑠ちゃんがなぜ泣いているかが気になっていて、私が立ち去っていくことにも気付いて居なかった。

・ ・ ・ ・ ・ ・

「はぁ。」
と私はため息を吐いた。だって、ライバルがあれだと、ねぇ・・・・・・。ため息も吐きたくなるよ。
このまま、私が身を下げた方が良いのかな。二人はお似合いだし。それに、私よりも美瑠ちゃんと付き合った方が、冷君が幸せになれるだろうし。


「お~い冷!」
と仁が馴れ馴れしくおれの肩に手を回した。
「なんだよ、美瑠ちゃんか?」
と仁。おれはゆっくりと頷いた。このまま馬を合わせていた方が楽だ。図星だったし。
「まぁ、可愛いもんな。」
と仁はニッとした。
「・・・・・・なんだよ、その不気味な笑みは。」
とおれは言った。仁は
「別に~?」
と意地悪く笑った。おれは美瑠の方を向いた。


「ねぇ、仁。」
と私は仁に呼び掛けた。
「んだよ、姉ちゃん。」
と仁。最近仁は、反抗期のようだ。お姉ちゃんの私とは、口を交わすことが少なくなってきている。
「萌花ちゃんとどう?」
と私は少し考えて言った。選ぶ言葉には気を付けないとね。仁は
「はっ?萌花とは別に、そういうんじゃね~し!」
といった。
「素直じゃないのね。速く告白しないと、誰かに盗られちゃうかもよ。」
と私はからかった。仁は頭をクシャクシャとして、
「実際、他の奴に目移りしてるからな~。」
と考え込んだ。

~冷と仁のサッカー試合~

「頑張れ~!」
と言う、応援する声が会場に響いている。私が少し水分補給をするためによそ見していたら、
「キャ~!」
と歓声が上がった。私は水分補給を辞め、すぐに試合を見た。が、すでに遅かった。私は一緒に来ていた友達に、
「あの、さっき何が起きた?」
と聞いた。友達は
「えっ、見てないの?冷君が、シュートを決めたんだよ!」
といった。私は固まった。見れなかったことが、悔しかった。
「大丈夫だよ、萌花。録画残してるから。」
それでも、生で見たかった。
「ありがと!」
と私は精一杯の感謝を伝えた。見れるだけマシだし。やっぱり、持つべきものは友だね★

・ ・ ・ ・ ・ ・

「冷君たちが、、、負けた⁉」
と私は思わず、口に出してしまった。冷君、沢山点を取っていたのに。冷君は仁から貰ったタオルで涙を拭いていた。
私は思わず、冷君の近くまで走って行ってしまった。
「負けちゃったの、悔しいよね。」
と私は言った。仁が、
「そうだな。」
といった。仁と私は幼馴染で、腐れ縁だ。だから、仁に話しかけるようにして、冷君に話しかけたらいい。仁と冷君は仲いいしね。冷君はタオルから顔を上げ、
「誰だ、仁。お客さんか?悪いが早く、出て行ってもらってくれ。」
といった。仁は
「幼馴染だよ、おれの。この前とかも話してただろ?」
といった。
「あぁ、仁のはつこ────────────────」
「あぁあぁ、それ以上は言うな!」
と言って仁が冷君の口をふさいだ。はつこ?誰だろう。冷君は
「改めて、おれは冷だ。宜しくな、萌花。」
といって、笑いかけてくれた。名前を、呼ばれたっ⁉私はすっかり舞い上がってしまった。
「じゃあ、また帰る時に。」
と仁が言った。あぁ、長居しちゃダメだよね。私は観客席に戻った。

・ ・ ・ ・ ・ ・

帰る時だった。仁と、冷君と一緒に帰った。
仁と冷君は小突き合いをしている。私はその様子を見ている。
その様子を見た私は決心した。

””決めたっ!私、冷君に告白する!””

私にとっては、大きな一歩だった。
来週にある、バレンタインでチョコのついでに気持ちを伝えよう。


「はぁ。」
とおれ、冷はため息を吐いた。負けてしまった。美瑠は、来てくれなかった。見にきてって言ったのに、来てくれなかった。美瑠はおれの事、好きじゃないのか?

~放課後の告白~

「ずっと前から好きでした!付き合って下さい!」
と言って私は冷君にチョコを渡した。冷君は、戸惑い気味に
「ごめん。気持ちだけ受け取っておくよ。」
といった。私はフ~と、息をついて座り込んだ。
そんなことだろうって思ってた。
告白したいって言うのは私のエゴだし、了承されたいとも思ってなかった。気持ちを伝えたい、ただそれだけ。

・ ・ ・ ・ ・ ・

私は教室に鞄を取りに行った。
「あ、美瑠ちゃん・・・・・・。」
と私は言った。
「あっ、萌花ちゃん!」
雷亜ちゃんも居た。
「二人は、チョコ、渡すの?」
と私は聞いた。二人が、冷君に渡すとしたら私の負けも確定だな、と思いながら。
「うん。冷に。」
とあっさりと美瑠ちゃんは言った。呼び捨てっ⁉やっぱり二人は既に付き合ってるんじゃ・・・・・・。
そう、だよね。私の入り込む間なんて、無いよね。私は美瑠ちゃんを見ているのが苦しくなって、
「ごめん!家の用事があるから!また明日!」
と言って逃げ出すように教室を後にした。


「それ、誰から?」
と仁が聞いてきた。おれ、冷は
「誰でもいいだろ。」
といった。普通に恥ずかしいし。本命からはもらえないし。
「萌花?」
と仁が鋭く言った。おれは頷いた。わかっていたならいいよ。
「・・・・・・振ったのか?」
おれはこくこくと頷いた。すると仁がおれを壁に押し付けて来た。
「アイツは、良い奴なんだ。だから、忘れるために利用するとかは、、、辞めてくれ。」
辞めてくれと言う仁は、とても苦しそうだった。
「わかった。でもおれ、付き合うとは言ってないし、泣かせもしてないよ。」
とおれはいった。仁はおれが一番わかってると言いたげに、
「アイツは、繊細なんだ。」
といった。おれは
「と言うか、仁は、萌花の事、好きなのか?」
とゆっくりと聞いた。仁は逃げ出した。
「おい!都合悪くなった時だけ逃げるのはズルいぞ!」
とおれは言った。
やっぱり、おれが好きなのはこういう時間だ。

~諦めたくない~

振られてから一ヵ月。私は、まだ立ち直れなかった。
ホワイトデーに、義理チョコで上げた仁からお返しが来て居た。あのでっかいキャンディー棒、美味しかったなぁ。
「あっ。」
私はサッと、本を読んでいるふりをした。
「あっ、萌花ちゃん!」
と無邪気に駆け寄ろうとしてくる雷亜ちゃんを止めて美瑠ちゃんが、
「雷亜。萌花ちゃんは集中して本を読んでるんだよ。だから、ほっといてあげて。」
と言ってくれた。私は美瑠ちゃんに感謝した。
実はあれから、美瑠ちゃんと気まずくなって────────────────というか私が一方的に避けてるだけなんだけど。

・ ・ ・ ・ ・ ・

昼休みだった。私の消しゴムを男子が盗ってきたのだ。私はすぐに
「返して!」
と言ったのだが、男子は謝って返すどころか、楽しそうに
「無理~!」
といった。私が目をこすっていると、
「なにやってんの。」
と仁が言いに来た。男子は
「コイツで遊んでる~。どう?仁もしない?」
と勧誘し始めた。仁は
「なんでそんなことしないといけねえんだよ。ほら、サッカー練習行くぞ。」
と言って男子から消しゴム取って私に返してくれ、男子を引っ張って行った。緊張した~。ドクッドクッと心臓が波打っている。私が心臓に手を当てていると、
「大丈夫か?心臓痛いのか?」
と、冷君が話しかけてくれた。
その途端、心臓の動き方がドクドクドクドクと、速くなった。さっきよりも世界が、色鮮やかになった。
あれ?私が好きなのって、どっちなんだろう。
幼馴染で優しくて、ホワイトデーのお返しをくれた仁?
ずっと前から好きで、振られちゃったけど諦めることが出来ない冷君?
どっちなんだろう。
「お~い!」
「あっ、どっちでもございません、好きでもなんでもありません。なんもそんなこと考えてません。」
と私は動転しすぎた。冷君は
「大丈夫か?もしかして、頭打った?」
と心配してくれた。
「大丈夫だから!」
と私は言った。
「そう、、、なら良かった。」
と言って冷君が笑って遠ざかっていった。
振られたけど、ドキドキが止まんないのは、まだ好きだから?そうだとしたら、美瑠ちゃんに悪いし。。。
うぅ、恋って難しいよ~。


ずっと、小さなころから萌花が好きだった。
でもそれは、ずっとおれだけの感情だったの?
おれのことなんて、どうでもよかったの?
好きだって、伝えたい。でも、関係が崩れるのが怖くて。このままでいたいとか、無理だよな。
おれだって、諦めたくないよ。


はぁ、今日も避けられちゃった。嫌われるようなこと、したかな?
アタシは昔から、友達があまりできなかった。
雷亜だけだった、そばにいてくれたのは。
まぁそれで満足なんだけどね。
ある時、一人の女子を捕まえてなんで仲良くしてくれないのって聞いたら、
「天使の子だから。」
って。アタシはその時に思った。
皆が思う程、アタシの性格はよくないよ。
はたから見たら性格がよく見えるのかもしれないけど、自分を鏡で見てみなよ、あんたらの方が綺麗で、透き通った心をしてるよ。
誰か早く、気づいてくんない?
雷亜、アタシはアンタを女子の友達が出来るよう利用してるんだよ、そんな無邪気な目で見ないで。みじめになるだけじゃん、アタシが。

~聞いちゃった⁉~

私(萌花)が鼻歌を歌いながら教室の窓を閉めていると、誰かがやって来た。私は急いで教壇の下に隠れた。
なんか、隠れなきゃいけない気がして。
「あのっ!冷君に聞いてもらいたいことが合って。」
と誰かさん。冷君に、、、告白かな?だとしたら盗み聞きしててごめんなさいっ!けど今からスミマセンって言って出て行くのはなんか違うし。
「なぁに?」
と冷君は聞いた。女子の方が、
「あの、好きですっ!付き合って下さい!」
といった。私は予想していたとしても、やっぱり聞いていてビックリし、ガタっと動いてしまった。教卓から音が鳴った。
「だっ、誰かいるの?」
と女子の方。冷君は
「別によくね?」
と気にしていないようだ。ごめんなさいっ、女子の方。冷君は
「で、さっきの告白の返事なんだけど、、、
ごめんね。良く知らない人と付き合うことは出来ない。」
と言って振った。えっ、一方的に見てただけ?そんなの言ったら、私もそうみたいな感じだと思うけど。また私が告白しても、ああいう反応なのかな。
「っ。」
女子の方が逃げて行った。多分、泣きそうなんだと思う。
「あ~あ、また泣かしちゃった。泣かせたい訳じゃないのに・・・・・・」
と冷君は言った。
モテる人も、大変なんだなぁ。
「はぁ、嫌いだよ、あんなに無責任に告白だけして泣いて逃げる奴。
告白する奴も嫌いだ。」
っ⁉もう既に私は、嫌われてるのかな?
私は、これから冷君にどうすればいいの?どう接したらいいの?美瑠ちゃん問題もあるし、考えることいっぱい。
冷君は帰った。私はすぐに教室の窓を全部閉め、走って帰った。


はぁ。告白されても嬉しいとは限らないだろ。
なんだよ、クラスの奴ら!
お前はモテてて良いなあって。こっちも苦労してんだよ!
「はぁ、嫌いだよ、あんなに無責任に告白だけして泣いて逃げる奴。
告白する奴も嫌いだ。」
とおれは声に漏らしてしまった。
嫌いって言うのは相手が傷つく言葉。おれはすぐにごめんなさいと、心の中で思った。

~暗い気持ち~

私の気分はダダ下がりだった。
「あっ、おはよ。」
相変わらず美瑠ちゃんは快く話しかけてくれるが、私の声は出ないまま。
「アッ、オハヨ・・・・・・。」
とカタコトな日本語だけが、私の口から漏れてくる。
そう言えば今、美瑠ちゃんは冷君と付き合ってるんだよね。
美瑠ちゃんが消えたら、私の事を振り向いてくれる?
なーんてね。そんなわけないじゃん、私みたいな地味子なんて。
腕を骨折してる人(私っすね……。)が逆立ちして歩くみたいなもんだよ。
私の事なんて、好きな人いないもんね。考えてたら悲しくなってきた。

・ ・ ・ ・ ・ ・

私は仁のお姉さんに招かれて、仁の家に居た。
そして何故か肝心のお姉さんがいなくて、私と仁だけの気まずい空間が出来ていた。とはいっても、仁はゲームをしているから仁からすれば気まずくなんて無いんだと思う。けど私からしたら、めっちゃ気まずい。
そう感じていると、仁が
「ゲームやるか?」
とコントローラーを差し出してきた。私は頷き、コントローラーを貰った。戦いもので、★マジカル★リードパー★スペシャル★ という会社の物のようだ。RPGバージョンと、単純戦闘モードがあるらしい。
私は単純戦闘モードを遊ばしてもらった。対戦相手はCP(コンピューター)だ。私はルール説明を読んだ。
「ルール説明、わざわざ読むのか。真面目だな~、萌花って。」
と仁が言った。私は
「まあ、初心者だし。始めてゲームやるし。」
といった。仁は驚いたように
「始めてっ⁉」
と反応した。うん、結構ゲームから離れた健康な生活をしてるからね。
・・・・・・仁とは違って。
「うるせ~、おれはちゃんと外で運動してるからいいの!」
と仁は反論した。私はそれをほっとき、ゲームを始めた。

・ ・ ・ ・ ・ ・

「全敗⁉」
と私は自然と声が出て来た。仁は引き気味に
「これは、、、ある意味の才能としか言いようがない・・・・・・。」
といった。私は落ち込んだ。仁は
「でも、そんなところもす、、、」
と口ごもった。
「す?」
と私は聞き返す。
「・・・・・・なんでもねえ!勝手にしろ!帰れ!」
と仁にまくしたてられた。私はムカッと来た。それに、肝心のお姉さんがいなかったから、素直に帰った。
「お邪魔しました!」
と不満げに私は言って仁の家を後にした。


はぁ、やっちまった。好きだなんて、口を滑らしても言えねえ。でもそのせいで、萌花を傷つけちまった。もうおれには、萌花を好きでいる資格なんて無い・・・・・・?そう思った途端、鮮やかに色がついた、この世界から色が無くなった。おれはネガティブな発想を頭から出すために、リフティングの練習に向かった。


それは、今日の帰り道の事だった。
「ねえ美瑠。」
と私、雷亜が言った。美瑠は
「何、雷亜。」
とニコリとしていった。私はお守りを渡した。
「縁切り・・・・・・?」
と美瑠がお守りを隅から隅まで見る(ダジャレじゃないよ!)。私は
「今日から私たちは他人。」
といった。美瑠は
「えっ、雷亜、、、どういうこと?」
といった。私はその質問に
「私、知ってたよ。私のこと、利用してたこと。」
と答えて走って家に戻った。泣いている姿を見られたくなかったから。
私、よく考えたんだ。私は色々と、空気が読めないことがある。だから美瑠がお世話してくれてたことを。そこまでは良い。けど、そのせいで美瑠に女子の友達が出来ないから。
私の好きな美瑠には、私の大好きな美瑠には、幸せでいて欲しい。だから、、、思い切って縁切りをした。
ごめんね、美瑠。最後まで自分勝手で。利用されるのも、頼られている感じで好きだったんだけどね。
「今までありがとう、美瑠。」
そう言って私は、家のドアを閉めた。そして独り言を続けた。
「お父さんが居なくなって悲しい時に、励ましてくれてありがとう。」
「ずっとお世話してくれてありがとう。」
「家の家事の洗濯とか、手伝ってくれてありがと・・・・・・。」
あれ?なんだか、涙が出て来た・・・・・・。止まらないよ、タオルがビショビショになっちゃう。お父さんの形見の大事なタオルなのに。
こんなに言えてないありがとうがあったんだね、美瑠。直接伝えられなくてごめんね。

~迷いと選択~

私は、これからどうすればいいんだろう。
冷君を諦める?諦めたら、そこで試合終了だし。。。
私が好きなのは誰?
一回寝たら分かるかな。


おれは決めた。
美瑠に、告白する!放課後おれは、美瑠を呼び出した。
美瑠は上の空だった。
「あの、美瑠。」
とおれは言って、続けて
「ずっと前から好きでした!付き合って下さい!」
と言って頭を下げた。美瑠に、
「ごめん、考える時間をちょうだい。」
と言われた。おれが
「うん、良いよ。答えが出たら教えて。」
と言って、告白は終了。
案外呆気なかったな。


アタシは、雷亜に縁切りとか言われて。
その翌日に冷から告白されて。
なんのために生きてるんだろう、アタシって。
アタシは、恋とかよくわかんないし、告白は断って来た。だけど、昔からの付き合いの冷との関係を崩したくない。それと同時に、中途半端な気持ちで冷と付き合っちゃっていいのかなって、考えちゃうんだ。
アイツは良い奴だし、アタシには釣り合わないと思う。
アタシは、冷の事を恋人として見れるのだろうか?
無理だなって、即答だった。
少女漫画みたいな恋愛とかに、夢見てた。現実はそううまくいかない。
いつだったか、萌花ちゃんに言われたことがある。
「美瑠ちゃんが羨ましいよ。」
こんなアタシは、萌花ちゃんが羨ましい。
私の好きなのは、冷じゃないんだな。誰かって言われたら、自然と目で追っちゃう、萌花ちゃんと仲のいい、仁君。萌花ちゃんは良いな。
知らなかったよ、私が好きなのが仁君だって。
冷に告白されるまで気づかなかった。好きって感情を口にしてくれた、冷のおかげ。仁君に出会う前なら、了承してたかもしれない。けど逢っちゃったからね。だから、冷の告白は断る!おっけ、決まり!
雷亜には、キチンと話付けてもらおうかな。


おれ(仁)は決めた。
もう、逃げない!自分の気持ちと、向き合う!そうじゃないと、冷に先を越される。
冷が美瑠に告白するのと、おれが萌花に告白すること。どちらかが告白したら、同じ行動をする。そう、約束していた。
冷は口にした。
「おれ、告白したよ。」
おれもそうしなきゃって。叶うかは謎だけど、告白しないとな。
おれは萌花を放課後、教室に呼び出した。
「何よ、仁。」
そうだった~!この前怒らしたままだった~!
「あの、、、さ。伝えたいことが合って。
 まず最初に、ごめん!」
とおれは言った。告白とごめんを同時にするのって、変な気がする。まあ、いいか。
「次に、ずっと、、、」
とおれは口ごもってしまった。
緊張して、声が出せない。いやいや、幼稚園の時は好きとか簡単に言えてただろ!それと一緒だ!
「前から好きでした!付き合って下さい!」
とおれは半分ヤケクソになって叫んだ。萌花は戸惑いを隠せずに
「え。。。」
といった。そう、だよな。萌花は、冷が好きだもんな。
「ごめん、混乱させて。断られる代わりにさ、神社いかね?」
とおれは言った。萌花はえっ?と首を傾げたが、OKしてくれた。

~神社~
「縁切りをお願いします。」
とおれは言った。おれは萌花にも縁切りをするよう急かした。萌花も手を合わせて縁切りを願った。萌花に悪い虫がつかないといいな。そう考えていると、萌花が
「何がしたかったの、仁は?」
といった。あぁ、それはだな、知らねえよ。
好きって気持ちは、カーブさせることもできないし、ストップも出来ないからな。ずっと想ってたならなおさら・・・・・・。
「おれ、先に家変えるわ!」
自分で考えて、悲しくなってきた。これ以上萌花と居ると、みっともない姿見せちまう。
まあ、幼馴染だから過去にみっともない姿見せてたんだが。

~他愛無い話っていいよね~

仁に神社に連れられて、先に勝手に帰られた。仁に告白されたけど私、仁の事は弟としか思ってないんだよね、ごめん。。。
私はゆっくり歩いて帰ろうとしたが、お参りをしている冷君の姿を見つけ、思わず話しかけてしまった。
「冷君!」
冷君は死んだ魚のような目で、
「何・・・・・・?」
とゆっくりと言った。私は驚いたが、
「そっちこそ、何してるの?」
と問いかけた。何かという立派な理由が無かったから。
「おれ?なんも・・・・・・。」
と人形のように無の感情で言った。私はすぐに、
「大丈夫?話聞くよ!」
といった。冷君は言った。
「振られただけ。」
あぁ、美瑠ちゃんかな?・・・・・・えっ、二人って付き合ってなかったの⁉冷君は
「ハハッ、みっともないよな、泣いちゃって。」
といった。あっ、気づいてなかったけど冷君、泣いてる・・・・・・。私は
「振った相手に慰められるのって、嫌?」
と聞いた。なんとなくで、聞いた。冷君は
「いや?そんなに気にしてないし。」
といった。そこまでの事じゃないもんね、冷君にとっては。私は好きだけど、冷君は私のこと好きじゃないもんね。
はぁ、一方通行の気持ちってしんどいよ。
「なぁ、萌花。」
と冷君は言った。私はビクンッと肩を震わせた。なんていわれる?
「おれってさぁ、クラスでモテるモテるとか言われてるじゃんか?」
と冷君は言った。嫌味?皮肉?そういう、負の感情は冷君から感じられなくて。好きだからってことなのかもしれないけど。
「でも実際に告白してきたのは萌花が初なんだ。」
へ~、私が初なんだ~。・・・・・・えっ⁉私が、、、初?皆、勇気が無かったのかな。
「嬉しかったんだ、その時は。」
と冷君。その時、、、は?
「今はもう無理。萌花が告白してくれてから、数件、数十件、って。どんどん増えて行く告白数に、断る罪悪感。チョンチョンって、重なって行って。それがいつしか重くなって、潰れそうで。」
あ、あぁ・・・・・・。それが、冷君の本音なんだね。
「ごめんね、冷君。」
そう私は謝った。冷君は
「そういや、一人で来たのか?」
と言って首を傾げた。私は
「いや、仁と来たけど、仁が先に帰っちゃって。」
と答えた。冷君は
「無責任な奴だな、女の子一人置いてくなんて。」
といった。まあ、仁はそういう奴だからね。急に告白なんてして、ごめんって謝って。良い奴なんだけどね。
「一緒に帰るよ、女の子一人だと心配だし。」
と冷君は言った。冷君は、優しいよね。さりげない優しさ。だから私は諦め切れないんだよ。いっそ、嫌ってくれればいいのに。
「ぁぁ。」
と私は声にならない声を上げた。やっぱり好きなんだなって。実感したから。冷君は
「、、、あのさ。今もおれのこと、好き?」
とゆっくりと聞いた。私は驚いた。
「えっと、うん。」
と頷く。冷君は
「好きでいてくれてありがとう。」
と言って優しく微笑んだ。
私達は神社から出て、一緒に帰った。他愛無い雑談をしながら。他愛無い話っていいよね。


「雷亜!」
と私、美瑠が雷亜に向けて言った。雷亜はビクンッと体を震わせた後、
「なんですか、美瑠さん。」
と他人行儀に言った。そっか、縁切りしてんもんね。
「見て、これ。」
と私は雷亜から貰った縁切りのお守りを引きちぎった。ように見えるマジックをした。
「っ⁉何やってるの、美瑠!」
「だって、他人から貰ったものなんて要らないでしょ?
というか、ちゃんと話付けるために来たんだから!逃げるなんて卑怯なこと、しないでよね!」
と私は言った。雷亜はヒィっと肩をすくませると、話を聞く体制になった。
「なんで、突然こんなこと言いだしたの?」
「美瑠の、迷惑に、、、お荷物になりたくなかったの!」
「え?」
「嫌われたくないじゃん!嫌われないためには、距離を置く方が良いって、占いで見たもん!」
占い、信じすぎてもダメなんだけどね。
「大丈夫だから、私は雷亜のこと、嫌ったりしない。
お荷物でも何でもないよ、可愛い妹みたいな感じだもん。」
と私は言った。、、、ううん。妹じゃない。妹以上の存在なんだよ、雷亜は。それなのに急に縁切りとか言われて、悲しかった。雷亜は
「ホント?」
と涙目だった。あ、あれ?なんで泣いてるの?
「ホントホント!」
と私は答えた。すると、雷亜が抱き着いてきた。
「ああちょ、制服濡れるよ!はいこれ、ハンカチ!」
と私は自分の体から雷亜を引きはがし、ハンカチで涙を拭いてあげた。雷亜は私からハンカチを取って涙をふくと、
「美瑠、喧嘩しても、何があっても、ずっと、友達でいようね。」
といった。私は頷いた。

~未来の私へ~

~萌花~
未来の私へ、お元気ですか?
ちゃんと夜、寝れてますか?
隣に冷君は居ますか?
もしかして結婚していたりして・・・・・・。
とりあえず、伝えることはないのでさよなら~

~冷~
未来のおれへ、元気?
心の傷はもうない?
隣に、萌花は居るのか?
泣かせてたりしてないか?
ずっと、仁と仲良くしているか?
まさか目移りとか、、、してないよな?
まあいいや、バイバイ!

~仁~
美瑠ちゃんのこと、呼び捨てしてますか?
サッカーは続けていますか?
サッカーで全国大会出れましたか?
将来の夢はありますか(?)
じゃね!

~美瑠&雷亜~
雷亜と一緒に文章を書いています。
未来の私達も、仲良くしてる?
私達の仲は、「永遠に不滅★」だけど、喧嘩もするよね?そんなときでも、この手紙を思い出して、謝ったり、好意を持って接しよう。そうしたら、仲直りできるはず。

あとがき

おぉ~!現在1月2日です!冬休みが終わる前に、完成した~!
なんかどこにでもありそうな話だけど、意外とない話みたいな感じですね。こーいう話も書いてる方面白いんですよね~!
リクエスト楽しいな。
また友にリクエストもらいたい。

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