天使の彼は、場を凍らせる。

私、萌花。
突然だが私は、片思いをしている。
天使様こと冬堂 冷君。彼の通ったところは天使が通ったように静かになるのだ。だが、ファンクラブも出来るほど、カッコイイ。だから、その性格すらもカッコイイと言われているのだ。
「キャー!」
女子から黄色い悲鳴が上がった。あ、冷君が登校してきたんだなって、鈍感な私でもわかる。
「おはようございます!」
と私は女子の群れに入っていったが、本当はこういう群れが嫌いだ。人が嫌いだ。今にも吐きそうなくらい、しんどい。
「はよ。」
と冷君は私を見てくれた。ように感じた。だって、私の前にも後ろにも、人だかりが出来ているもの。大群に言ったんだよね、はよって。はよって言うのは口少ない冷君が時々女子に口にするおはようの略だ。男子と居る時は普通に会話している。
「おい冷!」
あっ、冷君の親友の仁だ。仁は、私の幼馴染で、サッカーが上手い。と言うか、冷君も上手いけどね。
冷君と仁はあだ名として、『イケメンサッカー組』とかなんだか言われている。仁のどこがイケメンなのかなんて、わかんないけどね。冷君は私をジロッと見たかと思うと、仁に言った。
「アイツが、お前の幼馴染?」
と。私は心のドキドキを抑えながら、話しかけられるんじゃ?と思った。仁は頷いた。冷君が私に近づいてきたと思うと、素通りした。

””キーン””

私は固まった。近くの人も安心したように固まった。近くの人は、冷君が好きな、美人でお洒落好きの・・・・・・誰だっけ?興味なさ過ぎて、忘れちゃった。
「あんた、ちょっと校舎裏来なさいよ。」
と名前忘れた人。校舎裏?まさか、愛の告白っ?でも私、冷君が好きだから────────────────いやでもぉいいかも~。別に嫌いじゃないしぃ。でもぉ、同性だからぁ、結婚はぁ、法律的にぃ、出来ないしぃ。(ぶりっ子モード発動!)

おふざけ(勘違い)モード、スイッチオン!

名前忘れた人は、
「──が好きなの!」
といった。──?聞こえなかった。もしかして、私っ⁉恥ずかしいぃ。
「盗らないでよ、私の──。」
盗らないでよ、私の心?中々恥ずかしいこと言うじゃん。陽キャだからって、言っていいことダメなことあるでしょ。黒歴史になるでしょう?
「大丈夫、黒歴史にならない?」
と私は心配した。
「あぁ、陰キャに──吹っ掛けたこと?」
えっ、陰キャに告白吹っ掛けたこと?告白って、吹っ掛けたって言うんだ。喧嘩みたい。えっ、喧嘩なの?喧嘩じゃね?いやでもっ、愛の告白を先にしてくれたからぁ、告白かなぁ。
「大丈夫大丈夫、私、この恋に命賭けてもいいくらい本気だから。」
キャーっ、恥ずかしい。私は頬が真っ赤になった。
「でもぉ、無理ぃ。」
名前も知らない人と付き合うのはちょっと、、、お友達からかな?
「なっ、私の恋路を邪魔しないでよ!」
と名前忘れた人。振ったことで恋路を邪魔したことになるの?なら、私の恋路はどうなるの?
「もう分かったわ。なら、ずっとお友達の関係でいなさい。」
親友になってくれるってこと?まぁ嬉しい。私は頷いた。
「ホッ。最初からそうしてたらいいのよ。」
と名前知らん人。私は
「あのっ、友達になる代わりに、貴女の名前を教えてください!」
と言った。親友なら、名前を覚えていたい。そう思って。
「私?私は、美瑠。」
み、る。なんか、聞いたことあるな。美瑠ちゃん、よろしくね、と言うように私はにっこりと笑いかけた。美瑠ちゃんは
「何よ、見つめてきて。」
と言って、どっか行った。あ、親友になるには距離を置くことも戦略の一つだもんね!

勘違いで完走する、萌花さんでした。

なんか書きたかったのと違うのが出来たからまた挑戦します!byゆずまる

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