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慢性疲労症候群

最近、こんな症状がある方は、「慢性疲労症候群」の疑いがあるかもしれません。

・十分休養したはずなのに、朝の目覚めが悪い
・体が重く、やる気が湧いてこない
・頭痛、腹痛
・動悸
・めまい
・吐き気
・イライラ

これらの症状があり、病院の検査で明確な異常が検査でみつからない場合、「慢性疲労症候群」の可能性が高いと、有田 秀穂氏の著書「医者が教える疲れない人の脳」で述べられています。

本記事は、有田 秀穂氏の著書の一部を参考にまとめていきたいと思います。


「慢性疲労症候群」は脳の疲れ

脳の疲れには、心の疲れと、頭の疲れの2種類あります。

心の疲れは、様々な心労(精神的ストレス)が積み重なった結果、精神的ストレスの刺激によって大脳の深部に位置する扁桃体が疲弊し、気分が落ち込み、意欲も減退します。扁桃体は海馬とも繋がっているため、ストレスとなる出来事やきっかけで、容易に扁桃体が疲弊するようになってしまいます。

もう一つの頭の疲れは、大脳の酷使によって起こります。大脳はヒトで発達している脳の80%を占める組織であり、人体の司令塔の役割をしています。近年は、スマートフォンやパソコンを過度に使用することで、大脳も過度に興奮するようになり、覚醒レベルも上昇し、脳が急速モードにならないため、寝れないなどの症状につながると言われています。そのため、睡眠障害は5人に1人が抱えている障害とも言われています。

心の疲れは、ストレス中枢である視床下部を刺激し、体にストレス反応を及ぼします。

ストレス反応は副腎皮質を刺激し、ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。コルチゾールは、免疫機能低下、肥満、高血圧、糖尿病などを二次的に誘発すると言われています。

また近年の研究で、ストレス中枢の活性化が、覚醒中枢の一つである「セロトニン神経」の働きを抑えてしまうことが明らかになっています。

セロトニン神経の活動が弱ることは、睡眠の質の低下、目覚めがすっきりしない、自律神経失調症、慢性疼痛、うつ病などを引き起こす原因になります。


セロトニン神経を活性化させる方法

セロトニン神経の活性化には太陽に光を浴びること、運動すること、この2つだけです。とてもシンプルですが、あらゆる動物の生命活動の要でもあります。動物は、動いて獲物を獲る(歩行、ランニング)、噛んで食べる(咀嚼)、呼吸など、3つのリズム運動が生命を維持する基本となっています。この3つのリズム運動はセロトニン神経の活性化させます。ヒトも昔は狩猟民族であったため、生きていくためにこのようなシステムが備わっているのかもしれませんが、生活環境が一変した現代では、生活していくために動くことが少なくなり、反対に意識して体を動かさなければいけない時代になってしまったと言えるのではないでしょうか。

もう一つ、セロトニン神経の活性化には、太陽に光を浴びることです。冬はうつ病が増えます。それは、太陽を浴びる時間がすくなく、活動量が減少することも要因になっていると考えられています。太陽光はセロトニン神経を活性化させます。電灯は照度が足りないため、やはり太陽の光が有効的なようです。


コロナで増えるうつ病

在宅ワークの増加や、外出自粛もあり、自宅で過ごす時間が増加しています。

そのため、自宅で快適に過ごしていると思っても、いつのまにか気持ちが不安定になることもあるでしょう。

その時は、自分の気持ちのせいで済まさずに、セロトニンの分泌量が少なくなっているのだと考え、意識的に30分から1時間程度の散歩やランニングを行う運動を心がけ、日中も太陽にあたる習慣を心がけていきましょう。


本日参考にした書籍はこちらから。


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