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喫茶店のモーニング文化がくれた自由

名古屋で生まれ育って良かったことのひとつに、喫茶店のモーニング文化がある。
特に、子どもの頃は、個人経営喫茶店の黄金時代だったのが幸運だと思っている。

当時、喫茶店のモーニングといえば、朝に行けば、飲み物代だけでゆで卵とトーストがついてくるのが当たり前だった。
(ただし、モーニングサービスの対象は、コーヒーや紅茶など数種類程度。)

物心ついた頃には、我が家ではほぼ毎週日曜日、喫茶店のモーニングサービスで朝食を済ませていた。

でも、私が小学校3年生になると、両親だけで喫茶店に行ってもらう機会を作るようになった。
自分でトーストを焼けるのはもちろん、袋入りのインスタントラーメンを作れるようにもなったので、朝食の支度には困らない。
ゆっくり寝ていたい時や、大好きな「本中華醤(ほんちゅうかジャン)」か「中華三昧」を食べたい時に、両親だけで喫茶店に行ってもらっていた。
一人で過ごすのが好きなのも、理由のひとつだった。

両親が喫茶店のモーニングに出かけている間だけの、一人の自由な時間。
子どもだった私に、そんな特別な時間をくれたのは、喫茶店のモーニング文化だと思っている。
自分で朝食を作れるようになっても、喫茶店のモーニング文化がなければ、あの自由時間は持てなかっただろう。

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