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親などを介護施設に入れると大変なこと

 Twitterで相互フォロワーさんと話題にしたことをまとめます。私の詳細な実体験談が加わりますので、文字数多めです。

1. 介護用品のレンタルを利用できなくなる

 これは意外な盲点なんですよ。施設入所が決まって、ケアマネさんから施設ではレンタル品の利用ができないから、契約を解除して返却しなくてはいけないと聞いた時、かなりの衝撃を受けました。
 買う時の参考に……と渡されたカタログで車いすのお値段を見て、卒倒しそうになりました。
 それで悩んでいるというのに、在宅介護の友人も、施設所在地の区役所福祉課職員さんも、介護職(当時、通所施設勤務)の身内も、そのことを知らずに「レンタルなら安いよ!」という、全く役に立たないアドバイスをしてきて、泣きたくなりました。ケアマネさんがついていて、そんなことで解決するなら、わからないはずがないし、悩みません!
 施設で介護用品のレンタルが利用できない理由は「二重支援になるから」だそうです。ナンデスカソレ? 施設に入っても、必要な物なのに。施設側で用意している車いすは、人数分はありません。買うよう求められます。

2. 介護用品の購入に介護保険を使えなくなる

 在宅介護時に、ポータブルトイレだけは介護保険で購入しました。一旦、全額払って、申請で9割戻ってきたので、実質1割引きです。最初から1割の値段で買えるなら、もっと安定性のあるいい物を買いたかったです。
 「介護保険なら1割の負担で済む」などと、さもお得なように言われますが、一旦は全額払うためのお金を用意するの、なかなか大変ですよ! 9割のお金が戻ってくるまで、最低2か月はかかると思っておかなければなりません。
 それが、全額自己負担になるのです。入所後に車いすを介護保険で買えないとわかった時の衝撃の大きさは、どう表現すればいいのか、わかりません。
 施設入所者が介護保険で介護用品を買えない理由も「二重支援になるから」だそうです。
 入所直後に施設の職員さんから、「皆さんの分をまとめて注文するので、今なら〇万円で済みますよ」とオススメがありましたが、買える状況ではありませんでした。
 私自身も健康上の問題を抱えながら、介護をしていて、仕事を失い、求職活動中だったからです。一番条件のいい求人が出ていた時に、母が退院し、自宅に戻っていたので、実質、求職活動ができませんでした。施設入所まで病院で預かって欲しくても、日数制限を理由に断られ、2週間も虚しい時を過ごしました。入所が決まったあとも、入所日が確定していないのを理由に難色を示されてしまったり、「介護する人は、みんな辞めていくから……」とリスク扱いされたり。あまりに疲労が激しく、どうにか就職できた先で試用期間中に欠勤し、契約解除され、再び求職活動することになりました。

3. 入院されると、入院先と施設の両方に費用が発生する

 入院中は、日数分だけ施設の利用料を全額引いてもらえるかと思っていたら、甘かったです。食事代や介護点数分の費用は引いてもらえましたが、両方で費用が発生します。大変です!
 入所後、最初の入院時は、まだ共済保険の入院保障がギリギリ使える年齢だったので、保険金で入院費用の支払いをしました。でも、2度目の入院時は、もうその保障期間終了後でした。分割払いでどうにか費用を工面したものの、悪夢でした。
 入院中に何が要るのかは病院側が伝えてくれるはずなのに、施設側が用意した物が足りず、必要書類の提出ついでに、足りない物を買わされたりもしました。(施設の部屋にある物なのに。どれだけお金が要るのよ!)

4. 会いに行くための時間を作らなければならない

 これも大変です。フルタイムで仕事をしていると、会社帰りに立ち寄りたくても、面会時間が19時まででは、間に合いません。施設のケアマネさんが「事前に電話してもらえれば、少しくらいは延長しますよ」と仰って下さいましたが、会社の都合で遅番勤務の割合が増え、20時が定時終業では無理でした。それに、事前連絡をしたにもかかわらず、19時で出入口を閉められていたことも、一度ではありません。
 休日に会いに行くにしても、週に2日ある休みの1日は潰す羽目になるのです。溜まっている家事もしなければならないし、健康に問題を抱えながらフルタイムで会社勤めをしていた頃は、1日は休息日にしないと、体力がもちませんでした。
 勤め人でなくなってからも、自分自身の健康問題で通院をしていたり、寝込んでいたり、施設まで出かけるのがつらい事情を抱えています。

5. 何かと呼び出しがある

 時間がある時に顔出しすればいいと思っていたら、とんでもなかったです。日用品などは、施設が立て替え払いをして購入すると規約に明記されているのに、「そんなことはしないので、家族が買って持ってくるように」と、執拗に電話がありました。
 求職活動中は、仕事をしていないから暇だとでも思われたのでしょうか? ほぼ1日置きに施設に出入りしていたので、ほかの入所者さんに職員と間違えられたほどです。
 提携病院のドクターが回診にくる日は、看護師さんに「立ち会うのが当然!」とばかりに呼びつけられ、挙句の果てに事務所の職員さんには「回診のたびに必ず全員が診察を受けるわけではないので、今日は、夕月さんのお母さんは診察ありませんよ」などと言われたこともあります。呼びつけておいて、それはないですよね。無駄な時間と交通費を使わされました。子離れできない母は、喜んでいたと思いますが……。
 入所後に入院されてしまった時も、「すぐ病院に行って必要書類を書いてきて下さい」という電話で、会社から病院に直行しました。
 「これからどういう支援をしていくのか、カンファレンスをしたい」と、施設に呼び出されたこともあります。

6. 入所時に荷物を運び込むのが大変

 入所後は、施設の一室が住まいになります。なので、洋服や日用品など、必要な物を自宅から運び込まなくてはなりません。備え付けのタンスがある施設ならまだいいですが、施設に入所するのは引っ越しと(ほぼ)同じです。
 実際、引っ越し業者を使うケースもあるそうです。タンスまで運ぶとなれば、そうなりますよね。
 しかも、持ち物には全部記名しなくてはなりません。記名作業だけでも大変です。薬は、1回分ずつ分けて、日にちと飲み方(「朝食前」「夕食後」など)を書いた袋に入れて持ち込むように言われたので、その作業も泣けるくらい大変でした。

7. 施設の部屋にある物品の管理が大変

 持ち物には全て記名し、洗濯ネットにも記名をします。それでも、記名のない洗濯ネットに入った洗濯済みの物が、間違って母の部屋にしょっちゅう返されました。記名のある洗濯ネットの時は、どうすれば間違うのか、全く理解できません。職員さんに返すのが手間です。
 それに、他人の物を使いたがる入所者さんも居て、母が使いたい時にいつもないと訴えられたことがあります。経緯はわかりませんが、母の部屋からなくなった物もいくつかあります。
 サイズが合わなくなった入れ歯は、水だけを入れた入れ歯ケースの中に入れて目立たない場所に放置され、私が発見した時には、カビが生えていました。

8. 家族が訪ねてきている間は、基本的に放置される

 入所前に入院していたリハビリ専門病院で、車いすの扱い方やトイレ介助の仕方は教えていただきましたが、だからと言って、不調を抱えている家族に丸投げはいかがなものかと思います。フルタイムで週5日勤務していたからといっても、健康ではないのに。
 この点については、介護職の身内が訪ねてきた時にも、疑問に思うと言っていました。
 ナースコールで職員さんを呼んだのが私だとわかると、「何でアンタが呼ぶの?=自分で面倒見とけ!」と言わんばかりの態度を取られたことも多々あります。


 以上、実体験に基づいて、介護施設に家族を入れる大変さを具体的にまとめてみました。預ける施設によっては、もっと入所者に対しても家族に対しても面倒見の良い場合があるかもしれませんが、最悪、このような場合もあるという捉え方をしておいてください。

 介護施設入所を検討されている皆さんの参考になれば、幸いです。とにかく、金銭面では大変ですし、預けたらそれで終わり、ではありません。

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