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60/* ヘルプと言わせたら負けだろ

対等な関係、というものはとても難易度が高い。どこかで支えて、どこかで支えられて、結果として関係がフラットに近付くことはあっても、なんの見返りもなく関わり合える関係を築くことは容易ではない。

だからこそ人は、どこかで誰かを支えたいと思っているし、どこかで誰かに支えられたいと思っている。人によって支えたい方に重心を置いているのと、支えられたい方に重心を置いているのとで違いはあるけど、その誤差はほんの数パーセントで大差はない。

支えたいという強い想いは、別のところで同じだけの強さを持って支えられたいという欲望に変わりかねないし、逆もまた然りなのだ。

だけど多くの場合、この人は支えたいタイプだよね、とか、支えられたいタイプだよねとかって決めつけて、あたかもそれが当たり前のように振舞ってしまう。でも忘れてはいけない、どんな人だって心の中にヘルプのタネを抱えていることを。

ヘルプ、は言葉にならない段階からモヤモヤと心の中にくすぶっている。例えばそれは、不安とか、もう少し強くなると、ストレスとかって言葉に置き換えられるけど、それらの正体はすべて、ヘルプ、だ。助けてほしい、支えてほしい、と心の中で思っているのだ。

でもそれは、言葉にならない段階では気づかれないままでいることが多い。周りの人にはもちろん、自分自身だって気づかないことがある。でもさ、ヘルプと言わせたら負けだろ。ヘルプと言葉になってしまった時点でそれは、もう解決の限界を超えかかったギリギリの感情だ。自分の周りの人に、あるいは自分自身にヘルプと言わせるまで、放置したらダメだ。

なんでそんな簡単なことに気付けないんだよって、心底落胆することが多いけど、自分もきちんと戒めなきゃいけないな。ヘルプのタネは、いろんな所に落ちている。例えばお酒に弱くなったね、とかもおんなじなのかもしれないね。

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