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テキトー漫画レビュー②【ワンピース/龍と苺/チェンソーマン/九龍/ハイキュー/暗殺教室ほか】

さあ、やってまいりました。今週の「テキトー漫画レビュー」のお時間です。(ちょうど2ヵ月ぶり)

7月は現在進行形でめちゃ忙しいんですけど、そろそろ書かないと感想忘れちゃうのでささっと書きたいと思います。
よろしくお願いします。


11.龍と苺

既刊8巻分および本誌最新話まで読了時点

ストーリー 8/10
作画 6/10
キャラ 8/10
総合 ★★★★☆

サンデーの将棋漫画。少女主人公。
この漫画、そこまで絵も上手くないですし、主人公も可愛いってキャラじゃないですし、肝心の将棋の状況もそんなに説明されないです。
でも、なぜか面白い。

もう8巻もやってるのに、ずっと序盤みたいな勢いで進んでくんですよね。主人公の才能が凄すぎて、未だに挫折することも立ち止まることもない。ある意味、週刊連載向きだといえます。

もちろんライバルたちの人間模様もいいんだけど、主人公はルフィみたいに「ただ目の前の敵に勝つ」ことしか考えてないタイプです。
ただそれだけなのに、こんなに試合を見てて面白く思えるのは、ちゃんと主人公に対する好感度が調節されてるからなんでしょうね。
多分これは将棋がほぼわからなくても楽しめます。分かった方がいいとは思いますがもちろん。
でも、試合ではなんとなくの流れ、というか心情の流れを追うので共感して追えるんですよね。

不思議な魅力のあるサンデーイチオシの漫画です。ずっと毎週読んでただけなので、またまとめて読み返したら色々分析できるかもです。

12.チェンソーマン

既刊11巻うち2巻分読了時点

ストーリー 9/10
作画 9/10
キャラ 9/10
総合 ★★★★★

とりあえず2巻だけ読みました。2部始まってしまったので早いとこ1部は読み切りたいです。が、今はワンピースで忙しいので困ってます。

前置きすると、私は人外系が出てくるバトル漫画があまり好みじゃありません。
そんな私ですら、チェンソーマンの続きは純粋に読みたいと思えました。漫画を読む上でのストレスが本当に少ないんです。漫画が上手だなというのが第一印象です。

ひとつだけ具体例を挙げると、「主人公の原動力、目的が常に明確であること」。これがとても丁寧にできているので、そんなにバトルにハマれない私でも、主人公に共感して読むことができるんですよね。
キャラクターを出すタイミング、ラスボスの明示のタイミングなどなど、他にも構成の素晴らしさを語りだしたらキリがないのですが。

ひとつ言えるのは、ご飯食べながら読むには血なまぐさすぎるということです。

13.九龍ジェネリックロマンス

既刊7巻うち6巻分読了時点

ストーリー 8/10
作画 9/10
キャラ 8/10
総合 ★★★★☆

SFなのかラブコメなのか。これまた不思議な作品です。複数人に勧められたので読みました。
最初読んだ時は、「週ジャンだったら絶対怒られるなこの1話」と思いました。1話だけ見たらただの恋愛モノかな?と思います。
しかし、2話以降、九龍の独特な雰囲気と、SF的な不穏な要素が匂ってきて、世界観にハマってきます。この漫画は世界観にハマれるかが大きいと思います。それが大きな魅力なので。
そして、1巻の終わりにドッペルゲンガーの存在を知るという、単行本単位だと綺麗な構成です。というか、これ以降もまるで単行本ごとに作ってるかのような構成になってますね。

ただ、個人的には4-5巻あたり少しダレました。
というのも、「謎が散りばめられて、引くだけ引いて、結局次巻で何も明かされない」みたいなのが続いたからです。
また、主人公やその友達には、絶対的な目的がありません。いや、「絶対の私になるんだ」とか言ったりするんですけど。彼女たちはあくまで日常を生きていて、何かを知りたいとかいう大きな目的に駆られてる訳では無いんですよね。強いて言うなら「よく生きたい」が彼女たち自身のテーマです。そこが共感を得てるのかもしれませんが。
よって、真実を知るために次はこれを達成しよう的な動きをする訳じゃないので、読者は主人公をどう応援すべきか分からないっちゃ分からない、かもなと思いました。もちろん恋模様や謎にはハラハラドキドキするんですけど。あくまで傍観者として。

ただ、6巻でようやく敵側?の陰謀が明かされ、九龍の謎もだいぶ語られました。こっから面白くなりそう〜と今のところ思っております。
あと、普通に鯨井のキャラデザが好きです。漫画全体として「なつかしい」タッチなのもいいですよね。恋してますね。


14.ハイキュー

既刊45巻うち12巻分読了時点

ストーリー 8/10
作画 9/10
キャラ 9/10
総合 ★★★★☆

友達が読めとうるさいので読みました。たしかに面白い。何が面白いって、やっぱり試合が面白いです。(逆に言うと勉強回はあんまりだった)

正直、1巻まではあんまり好きくないです。カタルシスを感じる(もしくは予感させる)場面があんまりなくて。幼い主人公ふたりになんならイラッとします。
でも、変人速攻という必殺技が完成してからはもう普通にずっと面白かったです。

絵としては、ゾクッとさせるようなカットを書くのが上手な方ですよね。覇気を感じます。よきでした。ただひとつ、斜めから見たときの顔が平面的なのが少し気になりました。癖なのかな。

それにしても、こっから30巻以上かけて全国大会って長くね……?

15.ノイズ

既刊3巻(完結)読了済

ストーリー 5/10
作画 7/10
キャラ 6/10
総合 ★★☆☆☆

最近映画化されてましたね。映画の予告見てき気になってたので読んでみました。
正直いえば「面白いのは前半」という感じです。

思わず「なんでこんなことに……」って言いたくなる最悪の展開が続く序盤は、ドミノ倒しをを見てるようでハラハラします。
しかし、事件の締めくくり方がなんとも地味でした。映画で見なくてよかったなという感想です。

16.トリリオンゲーム

既刊4巻分読了時点

ストーリー 9/10
作画 7/10
キャラ 8/10
総合 ★★★★☆

Dr.STONEと同じ原作者の方ですね。読み味がジーマーで似てます。てことは面白いんやけども。
扱ってるテーマが違うだけで構造が同じというか。アクシデントや夢が壮大な分、Dr.STONEの方が僕は好みですが。

4巻で初めて主人公ふたりが対立して、そういったシナリオの脱構築もお上手でした。
しかし、既に成功してることを示し、本編を回想扱いにしてるのはなんでですかね。読者層が上だからこそ、確定的な勝ち未来を提示させておいた方がいいという判断なのでしょうか。

この作品も、もう少し読み込んでから分析し直したいです。
あと、アイシールドも気になる。

17.2.5次元の誘惑

既刊14巻分(+アプリ最新話まで)読了時点

ストーリー 8/10
作画 10/10
キャラ 10/10
総合 ★★★★★

ジャンプ+のハーレムコスプレ漫画です。

自分もそこまでハーレムものに詳しい訳じゃないんですが、ハーレムものの主人公ってキャラデザがめちゃ難しいと思うんですよ。ここでいうキャラデザは外見だけでなく、中身、つまり性格とかも含めた設計のことですけど。

多数の(しかも容姿端麗な)異性に好かれる理由が必要になりながら、かといって読者がギリギリ自分と重ねられる点がなければならない。

それがハーレム主人公の必須条件だと私は思っています。そういう意味で、このマンガの主人公は完璧でした。なんてったって主人公はゴリゴリのオタクです。そして、大事なのが「ただただいい人」なんです。ハーレム主人公の持つ美点として、これは一番無難です。ヒロイン、読者両方の好感度を上げることが出来ます(更に言えば、いい人に惹かれる人もいい人ということで、ヒロインの好感度もあげられます)。

そしてハーレムもので一番重要かつ一番問題として立ちはだかるのが、「多数の異性に好かれながらも主人公が答えを保留することの正当性をどう担保するか」という点です。
普通ならさっさと誰か選べよ、となります。そうでなくても、誰が好きやねんとはなります。しかし、この作品はその部分を曖昧に誤魔化すでもなく、この作品の大きなシリアスな縦軸として据えることで、綺麗に正当化しています。どういうことかというと、主人公は「3次元の人間を愛するのが恐い」のです。ここが作品のテーマにも繋がりつつ、しっかりハーレムものの展開を担保していて、素晴らしい構造だなと思いました。

何より、このマンガ、恋愛がメインじゃないんですよね。全然。
キャッチコピーでも言われますが「ジャンプよりジャンプしてるアツいマンガ」なんですこれ。コスプレで王道ジャンプをやってるんですよ。
だから、主人公の目線を気にせず物語に集中できるんですよね。ハーレムものでよくある女子同士のギスギスもありません。

この作品は、「友情・努力・勝利」というジャンプの三要素をきっちり入れながらもテーマは「オタク賛美」です。オタクしか分からないような内輪のネタもガンガン入れてます。正直半分も私は分かりません()
私は正直、オタクってこんな綺麗な生き物ではないだろと現実を見て思いますが、それでもオタクのいい所を最大限に描写したこのマンガは素晴らしいと思います。オタクにはもちろん、オタクでないジャンプファンにも響く作品でしょう。

余談ですが、同じく+のハーレムもの「ハイリスクミッションセラピー」もとても良い主人公でした(話ももちろん良い)のでそちらも是非。

18.アホガール

既刊12巻分読了時点

ストーリー 6/10
作画 8/10
キャラ 8/10
総合 ★★★☆☆

忙しすぎてうわああああ何も考えたくねーってなった時に手を伸ばした作品です。普段あまり読まない日常ギャグ。
とにかく友達のさやかちゃんがいい子で、かついいキャラです。この子がいないと作品が成立しないし、私もこの作品を好きになってなかったです。
逆に主人公に弟子入りしたヤンキーは明らかに読者の好感度を稼げず、作中でも酷い扱いでした。ハーレム寄りの作品とはいえ、男の子も上手く設計できるとうれしいですね。
そういう意味ではハイリスクミッションセラピーは良かった(うるさい)

19.暗殺教室

既刊21巻分読了時点

ストーリー 10/10
作画 9/10
キャラ 10/10
総合 ★★★★★★

設定からキャラデザ、構成に至るまで全て完璧。
ギャグもシリアスもとても質が高い作品でした。

良すぎて星6つにしたくらい、もう言うことないんですが。松井先生はタッチ的に線が多い方です。故に今の「逃げ若」のような写実的な作品だと余白が少なく、結構読んでて疲れます。
しかし、殺せんせーというデフォルメデザインされたキャラを中心に添えることで、とてもポップで読みやすい漫画になったと思います。

とても優秀で教科書的な漫画でした。
Dr.STONEもそうですが、こういうのが私の好みなんでしょうね。

というか、当時中3だった私に刺さらない訳がなかった。

20. ONE PIECE 

既刊102巻うち32巻分(空島編まで)読了時点

ストーリー 9/10
作画 10/10
キャラ 9/10
総合 ★★★★☆

ワンピースを昔読んだ時も空島編まででやめたんですが、その昔の自分の感覚は間違ってなかったなと思いました。
アラバスタ編までなら文句無しの星5です。最初から尾田先生の絵は確立されてて、それもまたすごいと改めて思いました。

イーストブルー編の展開は、本当に濃密でテンポも良くて、構成が素晴らしいです。敵キャラと新しい仲間の登場のタイミングが全て完璧だし、仲間の背負う過去や夢が、いちいち感動できる話になっている。これをこのスパンで見せられたらそらハマるよと。
そして、チョッパー編、アラバスタ編は、もう言うことそんなにないです。それくらいいい話でした。

ここからは、ほぼ空島編の批評になります。
少しだけ厳しめに言います。ご了承ください。

空島編、面白いのは終盤だけでした。具体的に言えば、ノーランドの回想以降。ここでようやくスカイピア周辺の物語に感情移入ができるんですよね。
逆に言えば、そこまではスカイピア周りの人間に全然興味が持てない。

バトル漫画にこんなことを言うのは忍びないんですけど、中盤までのサバイバル。バトルが全然見てて楽しくないんですよね。

昔読んだときは「へー三つ巴か~」ってなんとなく理解してたけど、今見返してみたら三つ巴でもなんでもないじゃんこれ。
そもそもシャンディアとルフィたちが戦う理由なんてハナからないのに、「目触りだから排除する」とかいってバトルするんですよ。そらどっちが勝ってもそんなに気持ち良くないでしょ。
アラバスタ編では、ちゃんとクロコダイルへの憎悪を(少なくとも読者には)提示して、理解させてから戦っていました。だからルフィたちを応援できたし、勝ってスッキリできたんです。
しかし、今回はサバイバルをやりたいが為にみんなが都合よく動いてるように見えるんですよね。そこにあるのは「誰が一番強いでしょーか♪」的なノリなんですよ。で、このノリをワンピースに求めてるかどうかで空島編の評価は分かれるんじゃないかなと思います。

私は「バキ」を読んでる時なら、こういうノリを求めてこのマンガを読んでるので多分面白いと思えるんですけど、「ワンピース」にそれは求めてなかったんです。というか、アラバスタ編までがあまりに大義を以て戦ってきたから、急にその味を提供されてもなんか違うなと思ってしまうんです。それにワクワクできる人もいるとは思うんですけど。
バトルものがそこまで好みじゃない私にとって中盤までは正直なかなかの苦痛でした。中盤まででも面白いのは、仄めかされる考古学的な謎。空島という存在にも、古代遺跡にも、ワクワクはさせられました。ただ人間模様がイマイチという空島前半でした。

(ではなんでこんな構成になったのか、これは私の邪推ですが、ちょうど新世界に入るあたりでワンピースの人気が爆発し(要出典)、当時5年で終わる予定だったプロットを大幅に練り直したからではないかと思っています。週刊連載の中でプロットを練り直すのは尋常じゃない作業だと思うのですが、その煽りを受けて空島編の構成を練りきることができなかったのではないかなというのが私の妄想です。普通に尾田先生もバトルロワイアルワクワクするくね?と思っただけ説もあります。)

しかし、長い長い回想が入り(この長さは全然気にならなかった)、読者(私)がスカイピア周りの人々に共感できるようになってから、ようやくルフィが大義を持ってエネルに戦いを挑みます。それは、「ひし型のおっさんに鐘の音を聞かせたい」という大義です。このシーンが来た時初めて、ルフィたちが生きたし、「それでこそ主人公だ!」と思いました。ルフィは基本いい人の味方なんですよね。やっと終盤で思い出してくれてよかったです。

また、ポーネグリフの話やゴールドロジャーの話など、核心に迫るような情報も終盤には明かされて、またぐっと読者を引き寄せてくれました。最後にエネルが月へ向かうのも意味深でいいですよね。絶対伏線だろっていう。

という訳で、ここまでが空島編までの批評でした。
あと3日で頂上戦争編までの無料期間が終わるのでなんとかしてそれまでに読んで、またレビューを更新したいと思います。

頂上戦争編は面白いと聞いたので、楽しみです。


それでは、今回の「テキトー漫画レビュー」はここまで!
また来週!(絶対守らない週刊連載)


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