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北海道立北方民族博物館
北海道旅の最後の9月2日は、とても興味があった
「北海道立北方民族博物館」を訪れました。
今年の春に、近くの大阪にある国立民俗博物館に
久しぶりに行き、アイヌとシベリアの文化が
似ていることに初めて注目して、その後
北海道に北方民族博物館があることを知り、
興味を持ちました。
この博物館では、東はグリーンランドのエスキモーから
西はスカンディナビアのサーミまで、広く北方の
諸民族の文化と、北海道のオホーツク文化が
紹介されています。
展示物は写真撮影OKでしたので、いくつか紹介します。
先ずは特別展「北方民族の編むと織る」を見ました。
草や樹皮などの食物性繊維のほか獣皮も使って
編んだり織ったりされているそうです。
アラスカの原住民のローブです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695193896326-NmoEDEkQ9U.jpg?width=800)
グリーンランドのエスキモーの子供の衣服などです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695193944404-L61SZPw0Dn.jpg?width=800)
アラスカのミニチュアバスケット、小さくて可愛いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194008797-VcBLikapIx.jpg?width=800)
こちらもアラスカのエスキモーのバスケットです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194048012-wSFNo1qSwx.jpg?width=800)
ロシアのカムチャツカのバスケットです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194096111-ABDJSTYRdL.jpg?width=800)
北海道アイヌの手首あてとバスケットです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194141546-hR5SNikio8.jpg?width=800)
ロシアのハバロフスクのバスケットです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194203835-MblCic3SS7.jpg?width=800)
ユーラシア、アメリカ、北海道と、このような
編む技術と織る技術を見て、似通ったところがあると
思いました。
では、常設展です。
カナダの民芸品です。幾何学模様が美しいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194300656-PJmbvobh8G.jpg?width=800)
極東ロシアのナーナイの花嫁衣裳です。何色もの色と
様々な文様に彩られた美しい衣装です。
渦巻の部分がアイヌの文様にも似てると思いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194372621-gMl4HwggEV.jpg)
北海道アイヌ男性用衣装です。勇ましい印象です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194410468-8813F3uTwc.jpg)
衣装の色や文様には、生物への敬意や、魔除け、
着る人の性別や身分も示されているようです。
北海道やサハリンのアイヌのアクセサリーです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194468971-uXSqar5LM3.jpg?width=800)
オホーツク文化の女性像です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194515982-xnJu8MluE5.jpg?width=800)
ロシアのハバロフスクの容器です。ハバロフスクの
製品は渦巻文様が特徴的でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194594604-VQKcZyCOIm.jpg?width=800)
北海道アイヌのお盆です。見えにくいですが、
こちらも文様が渦巻です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194657556-78PfgHZHvx.jpg?width=800)
土器も展示されていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194714009-IehjEREgCm.jpg?width=800)
スウェーデンのサーミという民族の塩入れです。
ヨーロッパの雰囲気が見られます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194793195-SWzERAjs5R.jpg?width=800)
こちらもスウェーデンのサーミのバスケットです。
他の地域の北方民族のものと似ています。
![](https://assets.st-note.com/img/1695194858271-2F5h0zcW7O.jpg?width=800)
アイヌだけでなく展示が充実していて、広く
北方文化について学べる博物館で、楽しめました!
ここからは考察です。
50代の私の記憶では、「アイヌはもとは南の地域に
住んでいたけれど、追いやられて北へ逃げた」と
学校で教えられたのですが、
ではなぜ北ユーラシア大陸の北方文化と
類似しているのでしょうか?という疑問が
最近になって沸きました。
それが今では、アイヌは北海道の先住民であると
されています。
でも北海道で縄文遺跡が発見されているということは、
アイヌが先住民というのはおかしいのでは?
という疑問も出てきます。
2年前の函館旅行に際には、縄文時代の集落跡が
残る垣ノ島遺跡を訪れましたが、こちらでは
世界最古の漆塗り土器が発見されたことなどから
しても、アイヌより古いと思われます。
こちらがその漆塗り土器(複製)です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695195009926-YkCS1UwUMz.jpg)
誰が先だとか競うのではなく、お互いの文化を
尊重して仲良く共存できたらいいと思いますし、
アイヌの人々も遡れば縄文との繋がりがある
ようなので日本人だと思います。
本土の日本人も遡れば、様々に混血している
みたいですし。多かれ少なかれみんな
縄文人と繋がっていることは間違いなさそうです。
この辺のことは、詳しく説明されている方々が
います。
北海道に関しては、縄文文化から本州からの影響を
受けた擦文文化へと移り、サハリンから南下して来た
オホーツク文化の擦文文化への影響、そのように
混じりあった中でアイヌ文化が生じたのではないかとい
う説もあります。
また北方民族の世界では、精霊などと繋がって
治療や予言などを行うシャーマニズムが普及しており、
熊にまつわる「クマ送り」という儀式が
北方ユーラシア、北アメリカ、北海道などで
行われていて、アイヌに関しては「イヨマンテ」
という儀式で知られています。熊は狩猟の対象と
される一方、神としても崇められています。
熊をあやめて神の世界に帰すという考えのもとに
行われますが、複雑な気持ちにさせられる儀式では
あります。
旅行中、実際にアイヌの人に会う機会はなく、
時間があればアイヌコタンにも行けたらよかったですが。
また先日、「フィンランド・森の精霊と旅をする」
という本に出会いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1695195251313-5Sq6mZ8K97.jpg?width=800)
この本の中では、熊にまつわる神話が紹介されていたり、
フィンランドで行われていた熊猟についても書かれていて、
しとめた後は熊が天に帰れるように儀式を行ったそうです。
アイヌの風習とも似ています。
私自身は北海道で熊を見なかったものの、
いつ熊が現れてもおかしくない生息地に
足を踏み入れたので、この本にシンクロニシティを
感じました。(実はこの本は、東京小平市の
「草舟あんとす号」という本屋さんで買い求めました。)
アイヌの人々は、厳しい北方の自然環境で生活
していく中で、熊などの野生動物や自然と
折り合いをつけながら調和的に共存してきた
と言えます。縄文文化もまたそのようであったと
思いますし、その逆を進んでいるような私たちは
今一度立ち止まり、進む方向を見誤らない
ようにしなければと思いました。
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