経営で人に優しくすることは正しいことなんだろうか。人と組織について考えてみる
目先の売上がないと事業が継続できない。だから目先の売上だけにフォーカスする。
目先しか見ていないことに社員は徐々に気が付いていく。臨界点を超えると、一気に社員が退職する事態になり、組織が崩壊する。
RECOMOを創業してから「社外CHROサービス」でお問合せを頂く中で、同じような課題「人事戦略についてどうしたらいいか?」を持っている経営者も多くて、その人たちと話をする度に「何とか力になりたい!」という活力が湧いてきます。
今回は「経営で人に優しくすることは正しいことなんだろうか」というテーマで、少し考えてみました。
①経営者は数字を見るべき
「経営者が見るべきなのは数字だ」
日々変わる事業の状態を捉える上で、経営者が数字を捉えて頭に入れておくことは重要だ。
数字は「過去の出来事」ですが、感情ではなく、客観で物事を表してくれる。
しかし、あくまでも「過去の出来事」であり、振り返りをしておかしな数字を見つけたとしても、「何でこうなったのか?」という「過去の事象」について話すことになる。
捉えた側は「見つけた!」という思いかもしれないけれど、指摘された方は能動的というよりは、どうしても受動的なスタンスで話をすることになる。
経営者が見るのは「数字」だけでなく、本当は「世界、世の中をこんな風にしたい」という「描きたい世界観」なのではないだろうか。
あくまで数字を捉えることは手段で、何のためにここに存在して、仲間とどこに向かおうとしているのか、を見て、語ることが求められる。
②経営者は人に優しくすべき
経営資源の「人」は極めて重要な存在である。
できる限り定着してもらわないとコストパフォーマンスが悪くなってしまう。
だからこそ、経営者はトコトン人に優しくすべきである。
・・・ということが正しいのだろうか。
人が持てる力を120%まで発揮するのは、本当に「優しくされた」からが理由なんだろうか。
おそらくそうではない。
「ここに自分がいる意味」や「自分の可能性・価値が最大限に引き出される確信」があるから、その場所に身を置いて、力を発揮するのだと思っている。
人が心を動かし、自らイニシアチブを取って動き回るようになるのは、決して優しくしているからではない。
③大事なのはコミュニケーション
経営者には、経理や財務の知識、マーケティングや会計の知識、事業運営の知識、が必要となる。
事業づくり、組織づくりには知識や経験が必要になる。
では、知識があれば事業や組織をスケールさせることができるのだろうか。
答えは否だ。それだけでは経営はできない。
そこには人の魂が存在して、思いが存在している。
大事なのは一人一人が持つ可能性・価値をどれだけ自らは発揮したい!と心から思ってもらえるか。「ここで果たすべき役目がある」と明確に認識してもらえるか。
その意味で、経営者に必要なのは彼らの心を動かすための「コミュニケーション」だ。
・ミッション・ビジョン・バリュー・描きたい世界観を伝える。
・サービス・プロダクトへの哲学・こだわり
・人や組織への思い
・一人一人のここで期待している思い
など。
裏側で流れる哲学を背景とした本気の言葉を人の魂に届き、行動を起こさせることに繋がる。
経営する上で必要なのは、コミュニケーション、対話だと思う。
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