色とイメージの関係
制作の依頼をいただく時、たまに「全体の色は赤でお願いします」みたいな色指定をいただくことがあります。
親切心で指定してくれるのだと思いますが、クリエイターの立場からすると、この指示はじつはとっても曖昧で、じつは
なぜ赤なの?
どんな赤なの?
っていう方が断然重要なのです。
なぜ赤なの?の解決策
「色」は、見る人の感情に影響を与えていることが論文で実証されています。例えば赤と青なら、国によって多少違いますがこんな共通イメージがあります。
赤 → 力強さ、華やかさ、おいしそう、温もり
青 → 爽やか、海・空、冷静で知的、テクノロジー
他にも赤い空間は時間の経過を早く感じ、青はその逆だったり。
わかりやすい例として、マックなどのファストフード店は、おいしそうに見せたり回転率を高めるために、赤を基調とした空間になっています。
そういう情報を整理して形にし、見る人に特定のイメージを与えるのがデザインの役割なので、発注者が「知的なイメージ」のデザインを希望しているのに自分好みで「赤がいい」と言っているとしたら、デザインしてもイメージ通りにならない可能性があるわけで。
その辺が曖昧な場合、私は色指定の代わりに与えたいイメージの選択肢を提示して、その中から3つほど選んでもらっています。
そうすることで、今のところイメージと全然違う!と言われる事態は避けられています。
デザイン関連の本では、日本カラーデザイン研究所による色とイメージの相関図がよく紹介されています。こんな相関図を共有して意思疎通を図るのも良いですね。
どんな赤なの?の解決策
同じ「赤」でも、金赤、くすみ系の赤、青みがかった赤…色々あって、それぞれの色が与えるイメージはずい分違うし、人によって認識も全然違います。
海外の人とやりとりするならなおさらです。
もし色指定があったり、手元にサンプルがない商品写真の色を実物に合わせて補正する時に、私はこちらのような色番号で指定してもらっています。
CMYKやPANTONEみたいな印刷向けのインク色でも良いし、どちらにしても12色クレヨンのような曖昧な色指定だけで全体のデザインを進めるのは避けたいところです。
色指定をいただく理由として、ブランドや商品のカラーがすでに決まっていて、それに合わせて作成するケースもあります。
そういう時は、ブランドのデザインルールや商品写真(またはサンプル商品)を共有していただいて、統一感を崩さないよう制作にあたっています。
そんなわけで、もし色を指定していただく時は、なぜその色なのか、また12色クレヨンのような曖昧な色ではなく、色番号などで詳しく指定していただきたいと思います。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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