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兼業キャリコン、キャリアコンサルタントの世間的イメージについて考える

こんにちは。
兼業キャリアコンサルタントのはしもとゆきです。
ライター・インタビュアーをしながら、キャリアコンサルタントとしても人間の働く気持ちに潜り込んでいってみようとしている人です。

2021年の3月に「キャリアコンサルタント、試験受かったし登録も終わったから、キャリコンとしても仕事できるようになったよ!」って周りの人に言ったら、そのとき返ってきた言葉は大きくわけて3つの傾向。
「どっかいい転職先、教えてよ」
「私に合う仕事ってなんだと思う?」
「突然資格なんてどうしたの、キャリアでコンサルタントなんて、どう考えても意識高い系ワード満載じゃん、どうした!?」
そしてこの3つのあとに続くのは
で、キャリアコンサルタントって何する人? 何する資格なの?
ってことでした。

そうだよねー、そんなにキャリアのことを人に相談する機会ってないよねー、しかもこんなカタカナ資格が国家資格だなんて知られてないよねー。
私はライター業のほうで採用や企業・大学広報なんかのための取材しているから、なんとなく身近で気になっていた資格ではあったのだけど、その存在を知っていたり、さらにはお世話になった経験がある人って多くはないような気がする。そんなことないのかな?
それは私がいわゆる“クリエイター”とか言われがちな分野で仕事をしていて、周りにもそういう人がたくさんいて、フリーランスや小さなチームで身軽に働く人が多くて、友人を見渡しても福利厚生がしっかりした大企業で働く人や公務員的な人がほとんどいない、ってことも関係あるかもしれないけれど。いわゆるきっちりした企業に勤めているかたはどうなんだろう。
(この“クリエイター”分野の仕事、働き方、考え方がかなり多様でも、関わりがない人からすると一括にしがちかも。実際はそれぞれ全然違うと感じます。ホント、人による。私の場合は、ライターとしての自分を少なくとも“クリエイティブ”だと思ったことはないし。適性としてこの業界にいる人も多い感触があります)

実際、キャリアコンサルティングを実施している企業は、1000人以上従業員がいるところは60%ちょっとだけど、30~49人のところなら30%くらい。そしてそれらの企業であっても、正社員じゃない人に対しての実施はさらに減るっていう数字が出ているんですよね。
ってことが、特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会による、キャリアコンサルティングの現状と課題 という2019年11月に出された資料にまとめられてます。
これを見ていると、それじゃ30人以下のチームではどんな感じなのよ? とも思うし、小規模事業者は日本企業数の何割、そこで働く人は労働者の何割を占めていると思うのよ? って話ですよね。
そう思うと、キャリアコンサルティングというものが身近にない人が多いということも納得だし、そもそも私の周りにいる人は仕事のことを業界外の人に相談するような考えかたは定着してなさそう。
個人的にキャリアコンサルタントに相談しよう!って考える人も、そんなに定着していないような実感はあります。どうでしょう、私の狭い世界の外側にいるたくさんのみなさんは。

……というわけで、冒頭のコメントに戻るわけです。納得。
ここでひとまず、キャリアコンサルティングの定義的なものをご紹介したいと思います。この言葉、結構好きなんですよ、私。

「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう

職業能力開発促進法第二条5

というわけで、転職先の紹介なんかもその業務のうちに入ってくることではあると思いますが、まずは相談と助言と指導、なんですよね。
どうも“コンサルティング”という言葉のイメージもあるのかもしれないけれど、問題点の指摘や改善策の具体的な提案をする人のような印象を持たれていそう。さらに“キャリア”という言葉にも、ちょっとやる気ある感じの印象ありますよね。向上心とか、上昇志向とか?
“キャリア”って言葉の定義もまた、人によって受け止めかたが違う感じしますよね。

という背景を踏まえつつ、上記のキャリアコンサルティングの定義を見ると、雰囲気が少々違うように思うんじゃないでしょうか。
基本的には相談と助言と指導。私は「まずは一緒にいろいろ考えてみよう。そのための引き出しは勉強してきたからちょっと多めに持っているよ」ってことだと受け止めています。その上で相談の内容をどんな方向に発展させていくのかは、それぞれキャリアコンサルタントや相談者の求める方向性によって変わってくるってこと、というか。
キャリコン自身も得意分野とか勤務先とか求められる役割によって、どんな対応をしていくのか異なるわけですね。

この資格を持っている人が仕事をする場としては、企業の人事部門(その会社の社員だったり、社外からの契約キャリコンだったり)、転職や就職など人材エージェント系企業の営業担当、ハローワークなどの行政機関、大学のキャリアセンターを始めとする教育機関あたりが多いそうです。
なのに、フリーランスでライター業をメインにしている私が、この資格を取ってどんなポジションになっていけばいいのやら。

“キャリア”で“コンサルタント”という、いわゆる意識高そうな印象がある言葉がゆえに相談することを敬遠してきた、なんてかたもいるかもしれない。なんかそんなかたたちにも「これくらいユルい感じのキャリコンがいるなら、ちょっと相談してみてもいいかも」とか思ってもらえたら嬉しいのだけど。きっちりした相談はそういうお話が得意なキャリコンのかたにつないでいくので、入り口というかそんな感じで身近な距離感だけど友だちでもない人として、お仕事相談を受ていくような立場もいいなぁとか思っています。

あと大学生ね! 大学生のエントリーシートの文章添削ということだけじゃなくて、エントリーシートに書く前、大学生活の振り返りとキーワードの洗い出しのお手伝いとかするのは得意なので。これはキャリコンではなく、大学案内パンフ制作のライターとしてたくさんの学生のかたがたをインタビューして、大学生活のお話を聞くことを長いことやってきた経験も踏まえ。

やる気強めな印象があるキャリアコンサルタント/キャリアコンサルティングという言葉だけど、そればっかりじゃないですよ、ってことを知ってもらえたらいいですね。
いや、どうなんだろう。他のキャリコンのみなさんは私みたいにユルユルフラフラじゃないのかな。他のキャリコンのイメージダウンにならないといいのだけど。

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