【私的読書生活】週刊読書録 vol.67
連休もあともう少し。
そんな時ほど本を積んで読みたくなります。
本で砦を作ってその中にこもって、じっと力を蓄える。
次のお休みまでなんとか乗り切るために。
さてそんな今週紹介する本は…
タイトルからして傑作!!
皆様もご存知、松本清張の代表作のひとつ『砂の器』。
東京・蒲田駅の操車場で身元不明の死体が見つかる。
殺されたのは誰か?
なぜ殺されたのか?
どうやって殺されたのか?
手がかりは、被害者であろう男が場末のバーで話していた相手とその時話していた会話、そして「カメダ」という言葉だけ。
ベテラン刑事の今西はその真相に迫るべく、少ないヒントを繋ぎ合わせ、事件を追っていく。
近づいたかと思うと離れていく謎、そして新たな犠牲者が出てしまう。
それでも今西の粘り強い推理によって、細い糸が徐々につながり…そして驚くべき過去が明らかに!
と、何年振りかの再読(もしかしたら10年以上前かも)。
実は主人公刑事の名前は忘れてました。
犯人の名前だけはうろ覚えで。
だから犯人はわかっているはずなのに、読む中で、あれ?もしかして私間違えて覚えてる?と思うほどの巧みな誘導。
1960〜1961年の連載なので、時代背景などはもちろん古いのですが、それを古くさいと感じさせる部分はほとんどなく、小道具(固定電話⇔携帯電話)などさえ違えば、十分今でも通ずる内容。
何よりトリックの発想が!
昔読んだ時は、そんなことが?と思う凶器だったのですが、いや、どうして、今では健康被害のひとつや、あることの対策に使われるような内容ですよね。
なんで清張先生、そんなことご存知だったのだろう?
その知識の深さ、先を見る慧眼に恐れ入るばかりです。
何よりタイトルがいいですよね、清張作品。
この『砂の器』もそのものずばりの言葉は、小説の中にはないようにも思いますが(一気に読んだので、見落としてるようだったら、教えてやってください🙇)。
この物語を表すのに、これ以上の言葉は思いつかないと言える、簡潔で、それでいて印象的な題名。
推理小説、そして社会派小説の要素がぎっしり詰まった傑作です!
「だいじょうぶ」の言葉をお菓子にして
人気のエッセイ漫画。
読んでみました。
作者さん、自分自身の言い知れぬ不安感、寂寥感などなどを、バターに溶かし、粉に混ぜ込み、優しい味のお菓子にしてくれます。
その静けさが人気の秘訣かも知れません。
確かに何かを作っていると、頭の中が空っぽになってくる感覚があります。
そしてその隙間を埋めるものが美味しいものであれば。
眠れなくても、色々あっても、きっとなんとかなる。
そう寄り添ってくれるレシピ本だと思いました。
生活リズムが少し変わってしまった方、新生活の疲れが出てくる方、色々あると思いますが、なんとか乗り切っていきたいですね。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。 どうぞ素敵な読書生活を👋📚
何かしらでも、あなたの琴線に触れることができたのなら、サポートいただければ幸いです。 いただいたサポートはありがたく活動費(つまりは書籍費、笑)にさせていただきますね。