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【今でしょ!note#27】 「書く」ことの効用

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

「書く」ことには、非常に大きな効用があります。AIなどを活用した議事録作成など、効率化できる仕事はドンドン効率化したほうが良いですが、単純に記録目的でない「書く」ことの絶大な効果をご説明します。


「メモをとる」こと

「メモをとる」と言うと、学校教育で教わったような効果を思い浮かべるかもしれません。つまり、「記憶に定着させること」や「誰かに言われたことを忘れないよう記録する」というような効果です。

「記憶に定着させること」のニュアンスは「覚える」が近いかもしれませんが、他の記事でも何度か触れているように「覚える」こと自体は、情報技術の発展によりその価値が小さくなっています。
また、単純に誰かに言われたことを忘れない=備忘のためのノートであれば、PCやスマホで直接メモしておけばいい話です。大事なことであれば覚えているから、メモを取らないという方もいるかもしれません。

しかし、「記憶」や「備忘」目的以上の効果が「メモをとる」ことにはあります。

  1.  頭が整理される

  2.  相手から引き出す情報が多くなる

1. 頭が整理される

私は、打ち合わせや誰かとの会話をする時には、必ずメモを取るようにしています。何故ならば「頭が整理されて理解度がグッと上がるから」です。

そして、その効用は、PCのメモではなく、紙のメモのほうが抜群に高い実感があります。
メモを取るのは、聞きながら単語や短い主語と述語の組み合わせをノートに並べていく作業になりますが、そこに並んだ単語を線で繋げたり、箇条書きにしていくことで、情報が構造化できます。

情報というのは、単に全ての話が羅列されているだけであれば、単なる「データ」や価値を持たない「情報」のままで、価値を持つ「洞察」にはなりません。
物事は、構造化され、可視化・言語化されることでようやく頭の中で理解できるようになるため、紙のメモを取りながら、並行してこの構造化の作業を進めることで、脳が活性化され、より深いレベルでの理解に繋がるのです。

よく人の話を聞きながら、PCに直接タイプしていく人もいますが、「物事を理解する」「構造的に捉える」ことが目的なのであれば、いきなりPCに書いて行くのはオススメしません。
どうしても、その場の議事メモを正しく書いて行くことに脳が集中してしまうので、字面を追うだけの作業になってしまうからです。
会議などでPCに書き込みながら、直後に関係者に共有するなどといった場面では良いと思いますが、目的が物事を整理したり理解することに主眼があるのであれば、まずは「紙に書く」ことを強くお勧めします。

大体、私が自分の上司と打ち合わせをする時には、その後に何らかのアウトプット(=資料)を出すことが期待されていますから、打ち合わせの場では、自分の頭を整理して、その場で情報を構造化・正規化することに集中します。
打ち合わせの中で自分のメモが構造化段階まで進んでいれば、あとはそれを資料に落とし込んでいくだけですから、次のアウトプットに繋がりやすく、仕事のスピードアップにも繋がります。

2. 相手から引き出す情報が多くなる

これは、自分が話をしているシーンを思い浮かべ、聞き手がメモを取りながら聞いてくれている場合と、メモを取らずに聞いている場合を比較して、どちらが話しやすいか、もっと有益な情報を渡してあげようという気になるか、を想像すれば、理解しやすい話です。

大体、仕事で何らかのアウトプットを作る時には、自分が知らない情報を調べたり、人から聞いて仕入れたものを加工して作業が伴うことが多いはずですから、仕入れる情報の量と質が高いほうがアウトプットの質も上がるわけです。
(もし、自分の知識だけで100%のアウトプットが作れることが常套化しているのであれば、それは成長の余地があまりない仕事です)

そのため、誰かから情報を仕入れる際には、できるだけ質と量を伴った情報を引き出す必要がありますが、話す相手がメモを取りながら聞いている、というだけで、話す側の気分が盛り上がってきて、質と量の伴った話をしてくれる確率が上がります。
また、先ほど述べたようにメモを取りながら、情報の構造化作業を進めながら聞くことで、その場で足りていない情報や付け足したい情報に気付けるため、話を聞きながらその点に言及することで、相手からさらに一歩踏み込んだ情報を引き出すことができます。

仕事は、お互いに気持ちよくできるに越したことはありませんから、メモを取るだけで「自分の話を聞いてくれている」ことを相手に示せて、相手の気持ちが少しでも上げることもできるのであれば、これはやらない手はありません。

「資料化する」こと

メモを取り、情報が構造化・正規化された後は、「資料化」することを強くお勧めします。理由は2つです。

1. OutputなきInputは無価値

これは、私の周囲の人には繰り返し伝えていることになりますが、どうしても何かの本やマニュアルを読んだり、セミナーに参加した直後は、それを行う前よりも自分の理解度が多少は進んだ状態になるので、満足度が上がった状態になります。
そこで学んだことが何となく自分でもできそうな気持ちになっているからです。

しかし、仕事の価値は、冷徹なまでにアウトプットで決まります。

「業務知識が得られました」という段階では、その仕事は何も価値を発揮していません。得られた業務知識を資料などで第三者に見える状態になり、誰かの行動を促すことでプロジェクトが前に進んだり、相手が確認したいことを即座に答えられるようになったり、チームとしての組織知が上がることでようやく価値を持ちます。

2. 抜けている観点が分かる

自分で理解したことを1枚の資料にまとめてみましょう。
1枚というのがポイントで、ただ色んな情報を詰め込んで、10枚のパワーポイントの資料を作るだけであれば、正直誰でもできます。

1枚にしようとするから、真に重要なポイントに絞ることが必要になり、より自分の言いたいこと、伝えたいことがシャープになるのです。
1枚にするのに、フォントサイズを小さくしては本末転倒です。それは、せっかくの要点に絞り込むチャンスを逃してしまうだけでなく、見る人の可読性を下げるだけで、価値が下がってしまうからです。

仕事における資料作成の目的は、その資料を通じて誰かの判断や決定を促すこと、行動を起こしてもらうことですから、可読性が下がる資料・何を言っているか分からない資料を作ったところで、それらの目的を達成できない確率が上がるだけです。

また、自分で資料化するプロセスを踏むことで、書けない論点があることに気付くことができます。書けないもの=引き出せていない情報、理解したと思っていたが、実は理解できていなかったこと、になります。
理解できていないことを理解する」ことで、ようやくただの情報を、自分の知識や知恵に変えて行くことができるのです。

まとめ

これまで仕事で様々な人を見てきて、仕事において伸びる人と、伸びない人の差は、普段から「メモをとっているか」「資料化しているか」によるところが大きいと感じています。

それだけ、「書く」ことの効用は大きい。

何となく、自分が伸び悩んでいるなと感じたり、もっと成長したい!と感じたりしている方には、ぜひ「書く」ことを今から始めてみてください。
そしてそれを続けてみてください。

いつも言うように、大事なことは大抵地味で、地道に続けて行くしかありません。
一緒に日々、精進して参りましょう。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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