見出し画像

【今でしょ!note#152】ビジネスは常に理不尽である

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

昨日のお昼休みに外でご飯を食べたら、多くの新入社員と思われる方に出会いました。新しく社会に出られた方や、この4月で新しい環境に変わったり、昇格された方向けには、過去に最初の90日をどのように過ごしていけば良いかまとめていますので、ぜひご覧ください。

今日は、特に若い人向けに、ビジネスとは大体理不尽なもので、それを前提にして向き合っていくことが大切、という話をします。


QCDは必ずしもトレードオフではない

供給側と受取側で異なるQCD達成レベル

QCDとは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字を取ったもので、主に製造業などモノ作り分野で用いられる概念です。

そしてそれはトレードオフの関係、つまり何かを重視すれば何かが劣後されると説明されるシーンがほとんどです。
例えば、成果物の納期を早めようとすればその分品質は落ちる、とか、品質を上げればその分コストが上がる、というような具合です。

この考え方自体は、作り手目線では当たり前ではありますが、社会や顧客、あるいは自分のアウトプットを受け取る社内の上司からの要望においては、常にこの考え方が受け入れられるとは限りません。
むしろ、「品質の高いものをできるだけ早く」とか「品質が高いものをできるだけ低価格で」求められることの方が多いと言っても過言ではありません。

このように、ビジネスの世界では、情報やサービスを提供する側と受け取る側で常にイーブンな関係性であることの方が少なく、それ故提供する側の論理と受け取る側の論理が不一致であることの方が多いのです。

ここで、特に提供側の立場に立った際に重要になってくるのは、その理不尽への向き合い方です。「理不尽だからやらない」と諦める、あるいは中途半端なところで妥協してしまうか、「どうしたら質が高いものを早く生み出していけるか」と質とスピードをどう両立するかというところに知恵を絞るか。1日単位で見たら、あまり大きくない違いかもしれませんが、この判断を1ヶ月、半年、1年、10年・・・と続けていくと、両者に大きな実力の差が生まれるのは想像に容易いでしょう。

QCDレベルのコントロール

基本的に物事はAかBかを明確に区別できるもののほうが少なくて、AもBも、というところを常に求められます。そして、それらを両立できずアウトプットが中途半端になってしまう人もいれば、うまく両立して成果に変えていく人がいます。

例えば、上述した質が高いものをできるだけ早く生み出していくための秘訣としては、第一弾の成果物をいかに早いタイミングで提示してしまえるかが鍵です。
何かの成果物を作る必要が生じたら、できるだけ早いタイミングで全体の絵(あるいは文章の構成等)を書いてしまい、それをオーダーしてきた人や成果物の受取り手に対して見せてしまうのです。

成果物を作る必要が生じて数時間後くらいであれば、質が多少伴っていなくても、早い段階で軌道修正を図ることができます。だから、情報やサービスの提供側も受取側も手戻りのロスが少ないですし、受取側からの成果物に対する期待レベルも上がっていないので多少質が悪くても大きなクレームになりません。

一方で、何日も情報やサービスの提供側で寝かせてしまい、一人であれこれ悩んでいるうちに、受取側からの期待レベルは上がっています。「時間がかかっているから、それなりのものが出てくるのだろう」と。しかし、大抵第一弾の成果物で100点を取れることはないため、寝かせたら寝かせた分だけ、質とスピードのトータルでの評価は下がっていきます。

このように、QCDは情報やサービスの受取側から見るとトレードオフにならないことを前提に、1つ1つの仕事に向き合っていくことが大切です。

必要性を感じられない仕事

もう一つ、ビジネスシーンでよくある理不尽な事象として「必要性を感じられない仕事」があります。例えば、目的が分からない社内プロセス、自己満足としか思えない顧客のオーダー、効果が出るか分からない取り組みなどです。

ここでもやはり向き合い方が大事です。

まず必要性を問うスタンスは忘れずに

まずは、そもそもこの仕事は何のために必要なのか?を問うことです。
違和感を感じた仕事に対して、その必要性を問うこともなく「そういうルールだから」「過去から同じやり方をしてきたから」という理由だけで取り組む仕事の仕方が一度身についてしまうと、一生何かを生み出す側には回れないと思います。

話は少しそれますが、世の中には常に何かを「作る側」と「使う側」がいて、当然「作る側」が常にアドバンテージに立っています。何かを突破しようとしている人(=作る側)のところに常に1次情報があり、メディアや人伝で聞いた話(=使う側)というのは2次情報、3次情報になるので、1次情報を持っている人とは、同じことを知っていても知っていることの価値が根底から異なるのです。

「作る側」のアドバンテージを享受するには、「必要性が感じられない仕事」があった時に、それをやめたり、より効率的・効果的なやり方に変えるような動き方ができないと、いつまでも「使う側」からは脱却できないということです。

それでもやらないといけないシーンもある

そして、ここからがより重要なところとなりますが、必要性が不明な仕事であっても、ルールだから、顧客のオーダーだから、という理由でやらざるを得ないシーンがあるということを理解することです。
まさに「ビジネスは常に理不尽である」の真骨頂な場面です。

私がここで重要だと考える向き合い方は2つです。

1つは、「ルールだから、顧客のオーダーだから」で「何のためにやるのか分からない仕事」であっても、それをやることでより高次な目的が叶うのであれば、それ以上文句を言わずにさっさとやってしまったほうが合理的であるということ。
本来自分が達成したい目的(例えばプロジェクトを前に進めるなど)を達成する過程にあるプロセスの1つに納得がいかない場合、そこに拘りすぎてゴネても最終目的を達成できないのであれば、心を無にして自分を「能面定型モード」に切り替えて割り切って粛々やるのが必要なシーンもあることを理解しておいたほうが良いと考えます。

もう1つは、「ルールだから、顧客のオーダーだから」で、自分でその状況を変えることができないのであれば、自分がまだそのレベルに至っていないという事実に向き合うことです。
つまり、ルールが変だ!と声を上げて、ルール自体を変えられるだけのポジションに到達できていないとか、顧客のオーダー自体を取り下げにできる調整力が不足していたり、そのポジションにないということを受け入れることです。

これはもう仕方がなくて、解決策は明快です。
自分の能力を上げて、仕事で実績を出して、周囲からの評価を得てポジション(役職)を上げていくことです。
直接的にポジションを上げなくても、そのポジションにある人とうまく調整することも選択肢となります。

これらができないのであれば、「必要性が感じられない仕事」であっても、その場は一旦受け入れるしかないんだと思うのです。
ここでも「全てを他責にして文句を垂らしながら渋々やるのか」、あるいは「その悔しさをバネに変えて自分の能力を上げようとするのか」、この向き合い方でも中長期で後々大きな差になって現れてきます。
もちろん、「次に同じ理不尽な結果に陥らないように手を打っておく」というのも有効な一手でしょう。

このように、「ビジネスは常に理不尽である」ことはある種当たり前だ、くらいに思っておけば、実際にその場に直面して面食らうことも減ります。
大切なのは、理不尽に対する向き合い方
悲観しすぎずに、しなやかに乗り越えていきましょう。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
励みになるので、ぜひスキ&フォローをお願いします!

この記事が参加している募集

仕事について話そう

もし面白いと感じていただけましたら、ぜひサポートをお願いします!いただいたサポートで僕も違う記事をサポートして勉強して、より面白いコンテンツを作ってまいります!