【47】ライターはなぜ「Google検索」を使うべきではないのか。
結論から言うと、Google検索にはすでに「お行儀が良くて」「エビデンスがあり」「正しい意見」しか出てこないからだ。
そんな意見はライターにとっては「毒にも薬にもならない」。
要は時間の無駄だ。
以下でそれを論じる。
さて、Googleの検索精度に疑念を抱く人が増えていると感じる。
確かに数年ほど前から「Googleつかえねー」といった話はあった。
しかしそれは、ポジショントーク的なものも多かったので、「そうは思わない」と感じる人も多かったのではないだろうか。
だが最近は、本当に「ライターにとっての」Google検索の精度は、本当に下がっていると感じる。
例えば「ググったらカス」というワードをGoogle検索してみる。
記事を書くための材料として「どのような話題があるのか」を調べるためだ。
下の画像がその検索結果だ。
注目すべきは「ドメイン」だ。
一位がcnetの記事。正直に言えば全く面白くない。
Googleがいかにネットコンテンツの評価モデルを改良しようとも、実際に人間が判断しているわけではない。Googleの評価モデルで良いスコアを出せるコンテンツを作れば、たとえコンテンツとしての品質が低かったとしても検索で上位にくる。
今更こんなことを言われても、という感想だが、実は当然だ。
これは2017年の記事なのだ。
そして二位がnote、三位はTwitterのハッシュタグ、四位が個人ブログ、五位がwedge、六位はニコニコニュース。
上位には、ほぼ「プラットフォーム」もしくは「大手メディア」の記事が並ぶ。
他にも様々なキーワードを調べてみたが、結局の所現在のGoogleの検索順位の表示は、とにかく
「マスメディア優先」「企業サイト優先」
となっていることがわかる。
だから「ググったらカス」「就活 恨み」「コロナ 旅行いきたい」など、個人の意見が強く出るようなキーワードで検索すると、大手メディアの毒にも薬にもならない記事ばかりが表示される。
しかし、そういったキーワードで検索する時は、別に「バランスのとれた意見」「柔軟な意見」「正しい意見」を見たいわけじゃない。もっと、個人の心情を吐露した、心の叫びを知りたいのだ。
だから、我々に残された道は、Twitterなどの別のプラットフォームで検索することだ。
「ググったらカス」
「就活 恨み」
これを見たら、ひと目で「こちらのほうが知りたいことが結果に出ている」と感じるだろう。
Googleは「辞書化」「テレビ化」している
ここから私が引き出した結論は、Googleが検索の上位に掲載するコンテンツは、ますます「辞書化」「テレビ化」しているのではないかという仮説だ。
単純に言うとそれは
「ポリティカル・コレクトネスが担保されていること」
「エビデンスのあること」
「権威があること」
が重要であり、
「一個人の思い込み」
「主観」
「差別的であること」
が排除される世界だ。それを私は「辞書化」「テレビ化」とみなしている。
ただ、これは当然の進化でもある。
Googleが検索上位に「主観」や「差別的な記事」を掲載していたら、批判は免れないだろうし、実際にwelq問題では権威性の低い情報を検索上位に垂れ流していたから批判されたのだ。
Googleはすでにテレビ局と同じように、「インフラ」である。だから、間違ってはいけないし、「政治的に正しい記事」を上位にランクしなければならない。
だから、そういうものを期待していると「Googleつかえねー」となる。
Googleは「データ」「エビデンス」「答え」を示してはくれる。だが「思考」を示してはくれない。
記事の厚みは「思考」にある
つい先日こんなブログを読んだ。
ブックマークも、ツイートも、フェイスブックのシェアもゼロ。
おそらく、ほとんど読まれていない記事だろう。
しかし、書いてあることは非常に面白い。特にこの一言。
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