【35】初心者の書き手がやりがちな、文章をダメにしてしまう行為。
コンサルタント時代は、提案書や、セミナー資料、本や雑誌の寄稿と、様々な文章を書き、それを先輩たちに添削してもらう場がありました。
今思えば、なかなか良い訓練でした。
というのも、最近「社員が書いた記事の添削をしてほしい」という依頼があり、あらためて「書き方」について、私自身も振り返ったところ、昔学んだ技術が結構、今でも役に立っていたからです。
実際、いわゆる「文章のプロ」ではない人たちが、初めて多くの人の目に触れる文章を書いた時に「文章をダメにしてしまう行為」は結構あります。
それらは、文章をわかりにくくしたり、反感を持たれたりする可能性が高く、避けるべき行為として憶えておく必要があります。
具体的には、以下の8つです。
1.「感じる」「思う」「考える」の多用はダメ
私が昔指導されたことで最も役に立っていることの一つは
「感じる」「思う」「考える」を使わずに文章を書け、という原則です。
というのも、ビジネス文書やブログは
「同じことを伝えるならば、文章が短ければ短いほど優れている」
からです。
例えば以下は冗長です。
社内会議をビデオチャットで行うことが増えてきていると感じる。
「感じた」「思った」「考えた」は殆どの場合、自明でありわざわざ書く必要はありませんので、次のように換えます。
社内会議をビデオチャットで行うことが増えてきている。
2.「こと」「もの」の多用もダメ。
「こと」「もの」は便利で多用しがちですが、できる限り使わないほうが明瞭な文が書けます。
というのも「こと」や「もの」が指すことを曖昧にしたままでも、少なくとも文章の体裁を整えてしまえるからです。
下を見てください。
なんとなく意味が通っていますが、曖昧、かつ非常に冗長です。
職場で最も重視すべきことは、社員同士でコミュニケーションと取り合うことであり、会話を増やすことです。
ほんの小さなことであっても、口に出して会話することで社員のやる気が向上することがあります。
しかし、こうしたことをリモートワークがきちんとカバーできるのか、疑問です。
文の主張が正しいかどうかはさておき、下のように、ほとんどの「こと」を省いても、文意が損なわれない場合は省きます。
また、「こと」が具体的に何かを示していれば、できる限り置き換えます。
社員は、悩みを口に出すことでやる気が上がるので、職場で最も重視すべきは、社員同士のコミュニケーションと、会話の増加です。
しかし、リモートワークがコミュニケーションや会話を増やせるのか、疑問です。
3.一文が長いのはダメ。
コンサルタント時代は「一文は50文字以内で」と教わりました。(30文字)
もちろん、正確に50文字以内に限るわけではありません。(27文字)それでも「文を短くする」ためにかなりの推敲が求められました。(30文字)
例えば、下の例文を見てください。(16文字)
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