【61】「役に立つ情報源」として見てもらうための技法
商売をする人なら、マーケティングの一環としての情報発信の重要性について、ご存知でしょう。
現代のマーケティングは以下のような、発信活動を非常に重視します。
・ブログを書く
・SNSアカウントを運用する
・メディアを立ち上げる
・セミナーを開催する
・ホワイトペーパーを作成する
では、一体なぜ情報発信をするのか。
目的はシンプルです。
これらはすべて、発信の主体(企業など)が、見込み顧客から
「役に立つ情報源」
として認識してもらいたいからです。
「役に立つ情報源」とはすなわち、専門家やインフルエンサー、あるいは新聞やテレビといったメディアのような位置にある存在です。
「広告」のように、こちらから叫ぶことで人を呼び込むのではなく、人が訪ねてきて、質問をするようにコミュニケーションを設計する。
その結果として、「情報を取りに来た人」が見込み顧客となり、商売に結び付く。これが商売における「情報発信」の主要な目標です。
ところがこの「情報発信」。
言うは易く行うは難しとはこのことで、マーケティングの担当者であっても、「何を発信したらよいか、よくわからない」という声をよく聞きます。
例えば、あなたが仮に、駆け出しのライターだとしましょう。
どのようなことを情報発信すれば、ライティングの仕事がもらえるでしょう?
あるいは、新規開業したラーメン店の店主だったとしたら。
果たして何を情報発信すれば、お店にお客さんが来てくれるでしょう?
これらの問いに答えることは、それほど簡単ではありません。
「情報発信によって、役に立つ情報源だとみなされる」ことは一つの技術であり、実践しないと身につかないことでもあります。
本稿では、この「「役に立つ情報源」として見てもらうための技法」について、述べます。
「情報源」と「広告」の違い5点
情報源と対照的なのは、実は広告です。
反対のことをしているといっても過言ではありません。
そこで、。情報源と広告との違いを挙げました。
以下の5点です。
1.ノウハウを発信する行為は「情報源」、商品情報を発信する行為は「広告」
読者の印象の話です。
一般的に読者は、商品情報を発信している主体を「売り込み」ととらえます。
そして、売り込みをかけてくる主体が発信する情報はすべて、「広告」です。
例えば仮にあなたがライターだった場合
「ライターの実績」
「ライターのスペック」
「得意分野の記事」
などの情報発信は、すべて「広告」と捉えられます。
では逆に、ライティングのノウハウについて記述したらどうでしょう。例えば
「タイトルのつけ方」
「SEOライティングの方法」
「バズる記事の作り方」
といった具合です。これは「広告」に見えませんから、読者から「情報源」とみなされます。
ではラーメン店の店主だったらどうでしょう?
「新メニュー」
「うちのラーメンへのこだわり」
「お客様の声」
などの情報発信は、商品情報なので「広告」です。
逆にラーメンに関するノウハウ、例えば
「家庭でもできるラーメン店の味の出し方」
「プロがやっているネギの切り方のコツ」
「鶏ガラの処理の方法」
などについて発信すれば、これは「情報源」とみなされます。
上のYoutubeチャンネルは、ラーメン店の主人が「情報発信」をしていますが、すでに200万回再生されています。
もちろんこれは、「商品情報」ではなくノウハウの発信であると見られているからです。
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