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これから読まれそうなネタを記事にする「予測SEO」のすすめと、記事ネタ抽出へのAI利用の推進について。

ライターや、ウェブマーケティングの担当者がコンテンツを作成する際に、一番迷うのは「どんなコンテンツを作ればよいか」ではないでしょうか。

このマガジンではたびたび触れていますが、
「読まれるかどうかは、話題選びでほぼ決まる」
ので、限られたリソースの中では「何を書くか」が非常に重要になります。


ところが「何を書けば読まれるか」の情報は、極めて少ないのが現状です。

それなりに大きなメディアですら、テーマ選びのやり方は、ライター・編集者のカンに頼ってテーマを作るか、もしくはGoogleキーワードプランナー(またはSearchConsole)、若しくはその派生のSEOツールを調べ、検索回数の多いキーワードからテーマを作るといった具合でしょう。


ただ、念のため言っておきますと、上の二つに頼ってはいけない、というわけではありません。

「読まれる記事」を作ることができる、熟練のライターや編集者のカンは的確ですし、SEOをやるならGoogleのキーワードプランナーは必ず見なければなりません。


ただ、上の二つで成果を出しやすいのは「もともと強いメディア」に限られます。

熟練のライターや編集者はたいてい、「大手メディア」に所属して仕事をしていますし、SEOに至っては、「Googleで検索回数の多い記事」を皆が狙うため、非常に競争が激しく、その中で上位表示を獲得するのは並大抵ではありません。

そして結局、資源でまさる大手が検索上位を独占するのです。


そこで我々が推奨しているのが、上の1.でもなく2.でもない、「予測SEO」です。

この方法は、個人ブログや、弱小ドメインで編集もライターもおらず、誰もメディアの運営をやったことがない小規模な会社のメディアに向いた方法であり、SEOの最も現実的なやり方であると思います。


「予測SEO」とは

では、予測SEOとは何か。

単純に言えば、文字通り「これから読まれそうなトピックを先取りして記事化する」ことで、強いドメインを持つサイトにSEOで勝とうとする試みです。

これについては、以前の記事においても時折、触れています。


【具体例つき】読まれた記事を分析してわかる、バズのタイプ別、傾向と対策。

→ この中では「ニュースを先取りする」ことで検索エンジンからの流入を高める事例を紹介しています。


【60】弱小サイトでも、簡単に検索の上位表示が狙える、SEOのブルー・オーシャン戦略の話。

→この中では、「流行りそうなキーワードを先読みして、ページを作ることができれば、一人勝ちできる」と、3種類の具体的な方法を紹介しています。


これらはすべて「予測SEO」と我々が読んでいる手法の一部です。

詳しくは各記事を参考としていただければと思いますが、いずれの手法も、キモは「今何が検索されているか」ではなく「今後何が検索されそうか」にフォーカスをすることにあります。

「今」ではなく、「今後」どのようなキーワードの検索回数が増えるかを予想すること、これは言い換えれば「キーワードの需要予測」といっても良いでしょう。


予測SEOの具体的な例

ではどのようなキーワードが、「今後」よく検索されると言えるのでしょう。

ヒントは、ピーター・ドラッカーの「未来は予測不可能だが、すでに起きた変化を捉えることはできる」という言葉にあります。


つまり「どんな新しいキーワードが登場するか」を推測してはいけない。
それは予測不可能なので、単なる当てずっぽうに過ぎません。

そうではなく「今、すでにあるキーワードだが、近い将来に多くの人が利害関係者になるであろうキーワード」を見つけるのです。

例えば、

・新たに法制化された事項
・大手企業が出す「新サービス名」「新商品名」
・ベストセラー本の中のコンセプト
・大手企業のプレスリリース中の文言
・Twitterトレンド
・Youtubeの視聴トレンド
・海外で流行しているワード
・科学上の新しい発見
・今年急に業績が好調になった企業に関連したワード
・大手企業の行っている実証実験・テストマーケティング

といった事項です。

したがって、「予測SEO」は多くの企業が需要予測を行っているのと同様に、手順さえ確立してしまえば、どのような会社でも実施することができます。

しかも、作業自体はそれほど難しいことはないので、アルバイトを雇って作業を依頼したり、システム的に自動化したりすることも可能です。


予測SEOに使える「手順」と「システム」

そんなわけで、弊社においてはメディア別に、例えば次のような手順を作って(あくまで一例です)、記事化すべきコンセプトやキーワードを抽出しています。


1.1週間に一度、ニュースサイトをクロールして、記事化を検討すべき「新商材」「新サービス」を挙げる

2.1週間に一度、GAFAクラスのグローバル企業、数十社のリリースをクロールして、記事化を検討すべき彼らの取り組みを挙げる

3.1か月に一度、新法案・新判例などをクロールして、記事化を検討すべき用語を挙げる

4.1週間に一度、海外ニュースサイトをクロールして、記事化を検討すべき事件・商品・トレンドを挙げる

5.Twitterトレンドを1日に数度記録し、1か月単位で、記事化を検討すべきトピックを挙げる

6.1週間に一度、Youtubeの「急上昇」の結果をもとに、動画を抽出し、その中から記事化を検討すべきトピックを挙げる。


これらの作業はある意味、頭を使わないため、弊社では少し前までは、自社の担当者や、外部協力者などに依頼して「力技」でこれを解決してきました。

ただ、最近ではクロールすべき対象のサイトのボリュームがかなり大きくなってきており、システム化の必要性が出てきました。


AIで「トレンド」を把握し、「トピック」を抽出する

そこで弊社が利用したのが、AIです。

AIは大量の情報処理によるパターン認識が得意なため、「話題作り」をAIに任せてみよう、という発想になるのは自然なことでした。


最近では簡単にAIが利用できます。

そこで、弊社で試しにAIによるトピック抽出を行うシステムを作ってみたところ、なかなかの精度がでたので、それをwebシステムに載せ、社内の記事企画者が運用しています。


以下が、弊社で使っている「AIタイトルメーカー」のURLですので、興味のある方は使ってみてください。誰でも1日10回まで使えます。

なお、それほど高い負荷がかかることを想定していませんので、URLの公開は本マガジンの購読者の方に限定させていただきます。

また、あくまで社内使用目的のシステムですので、予告なく仕様変更や、システムの運用停止があり得ることはご承知おきください。

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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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