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仮想の彩り 更新録

味を占めたでんぷんを口へ運ぶと味覚はゆるりと信号を返した。灰色が滲んでいるような食卓では、まるで新鮮さという意味を持たせない地帯に様変わりだ。濁った色を放ち続ける血縁者。それを引き継ぐ遺伝子は、帯色者をつくる主要因に強い嫌悪と拒否を放ち続けた。反抗期。過去を粗末にすると現状を誇れなくなる。ただただ輝いてる擬態を引き継ぐメディア、大人がデッサンしたモデルにこれから何世代も夢を持つのだ。自分には色がある。信じたい。だからモノクロの世界は偽物なのだ。ここが8bitなら東京には24kの画素が舞っている。紛れもなくそんな情報は東京の電波から発信されていた。

混雑したシンクに皿を置き水で浸すと、倒れこむように布団へ落ちた。
光を見続ける。音のない会話を放ち、想像の世界へどっぷりと溶け込み、時間は置いてけぼりだ。眠気に負けると、また別階層で進行している想像夢の中へ沈み込んでいく。私の目はもうほとんど世界を見ていない。ただただ脳の中で創られた世界を見続けている。そんな世界をつくり込むパーツを拾うために今日も情報を求め、端末に指紋を重ねるのであった。

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