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【超神アニメ!ボクが最も嫉妬と感動した人生No. 1アニメを再鑑賞!これさえ見とけばとりあえず人生後悔はなしの衝撃問題作!】涼宮ハルヒの憂鬱

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これぞ神アニメ!そんなわかりきった事を、今更大声出して言うなよ。なんて言われそうだが構いはしない。アニメに疎いボクが言うのも何だが、このアニメさえ観ておけば、死んで後悔することはないだろう。しがないイチ実写クリエイターとしてこれほどまでに嫉妬したアニメは未だかつて存在しない。

このアニメを知ったのは、今からもう10数年前の下北沢の某居酒屋。今でも鮮明に覚えている。その飲み会に同席していた精神科医兼映画監督のSくんが、ボクにオススメしてくれたのだ。アニメにさほど興味のなかったボクは、はじめそのSくんの熱意を話半分に聞き流していた。

そんな時、彼が【エンドレスエイト】というこのアニメに存在する前代未聞のとんでもない回の説明をしてくれたのだ。

しかし、その前にこのアニメ事態を未見の方の為に、簡単なあらすじ設定だけを説明しておく必要がある。

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本作の語り部は、キョンという高校入学したての高校一年生男子。そんな平凡な男子高生キョンの、それまた平凡に始まるはずだった学園生活は、たまたま真後ろの席に座る一人のクラスメイト女子の存在によって一瞬で破壊される。

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その名は涼宮ハルヒ。この物語のヒロインであり、顔は美人だが全宇宙を振り回すレベルの超変わり者少女だ。非日常生活を求め、宇宙人や未来人や超能力者を探す為に、自ら【SOS団】を立ち上げる。

正式名称は「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団(Sekai wo Ooini moriagerutame no Suzumiya haruhi no dan)」

その団への入部に、まずはじめに巻き込まれたのがキョンなのである。

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その他、ハルヒによって無理やり集められたのが、文芸部だった読書好きの長門有希(SOS団の部室は、文芸部の部室を乗っ取るところから始まる)、一年先輩の容姿だけで選ばれた朝比奈みくる、「謎」と言えば「転校生」という理由だけで誘われた、転校生の古泉一樹

そんな5人で放課後の宇宙人探しのSOS団の活動は始まる。

の、だが!

実は、この集められたキョン以外のメンバーこそが、実はもう既に宇宙人(長門)と未来人(朝比奈)と超能力者(小泉)たちだったのだ。しかし、その事態に気づいていないのは張本人のハルヒだけ。そして、その事実をハルヒに知られてはならない。

涼宮ハルヒの憂鬱(新)

その理由を超簡単に一言で言うとこうだ。この宇宙は、ハルヒの感情一つで破壊される恐れがある。ハルヒはそんな力を持っている。とにかくそんな危険分子ハルヒの学園生活を温厚に楽しく過ごせるように、それを見張っているのがハルヒの仲間たちの使命なのだ。そして、そんなハルヒの一番の機嫌(気分)の鍵を握っているのが主人公のキョン。

ぶっちゃけて言うと、本作の設定はそれだけ。あとは、日常生活の中で、それでも宇宙人を探し続けるハルヒの活動にひたすら視聴者もろとも振り回され続けるのが本作である。

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これだけの説明を聞いても、今一つピンとこない人がほとんだと思う。このアニメ、とにかく演出と構成がまた凄いのだ。これほどまでに大人の事情やルールや定義に収まらないアニメは見たことがない。その一つは、テレビ放送に置いて一番大事な第一話の掴み部分。それが全くないのだ。本来なら視聴者を逃さない為に、第一話でそれなりのアクションを起こし、第二話にも興味を示して貰わないと監督は良くても数字が離れればスポンサーは黙っちゃいないだろう。しかし、割と平凡な学園生活は第4話くらいまで続く。そして、そのフリが十分に効いたところで一気にSFの世界へと爆発させ、第6話で一度ピークを迎える。なので、とりあえず6話まで観た上で、このアニメを見続けるかは判断して欲しいところ。

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そして、次こそがボクが一番話したかった本題。冒頭でも前述したアニメ界、いや、世界の映像業界全てを包んでも、こんな試みをした作品はないだろう……

それが【エンドレスエイト】である。

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賛否両論を生んだ大問題作回【エンドレスエイト】の地獄

【エンドレスエイト】は、そんなSOS団の夏休みの後半の8月中旬から月末までの2週間の夏の風物詩の日常を描いただけの話である。

しかし、この回。翌週になっても、また同じ日常を微妙なカメラアングルだけを変えて放送をした。エンドレスエイトが放送された本作の第二期には次回予告がついていなかった為、リアタイ視聴者はこのほぼ再放送に近い演出にさぞ戸惑ったであろう。2回目の放送回途中、この既視感に微妙に気づくのがキョンである。それでも、その現象をさほど気にせず、1回目の放送と全く同じ夏休みを過ごすSOS団。そして2回目の放送も、ラストはファミレスに集まった団員たちが、ハルヒを中心にミーティングをして終わる。ハルヒは「明後日また部室で会いましょう」そう言い残してファミレスを去っていく。

しかし、第3週目の放送も、全く同じタイムリープを繰り返す。それを1週目を入れると、7週に渡ってそれを繰り返すとんでもない演出をしたのだ。どうしてこのような事が起こっているのか、視聴者もハルヒを除くキョンたちも話し合う。そして、たぶんハルヒが何か夏休みにやり残してることがあるから、この同じ夏休みを永遠に繰り返しているのだろうという結論にたどり着く。が、その「やり残していること」がわからない。8週目の「エンドレスエイト」の放送回。リアルタイムの放送で言えば、もう二ヶ月丸ごと同じ回を放送しているのだ。それはキョンも視聴者も、この無限ループから抜け出せない地獄を全く同じように体験することになる。ハルヒの時空までも歪ませるその能力を、本当の意味で目の当たりにするのがこの「エンドレスエイト」なのだ。

そんなエンドレスエイトの結末は、是非未見の方は自分の目で目撃して欲しい。その際は、きちんと8週分視聴して体験して欲しい。ボクは、このエンドレスエイトの構成の話をSくんから聞いた時、本当に驚き、一番に興味を引いたのだった。

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本作は、学園生活の春夏秋冬の時系列で進む。秋の文化祭も終わり、12月。最終話の「サムデイ イン ザ レイン」も素晴らしい。ネタバレと言ったほどの、ネタも物語もない回なのだが、もう既に興味を引いている人は、ここから先は読まないでも良いかもしれない。

最終回「サムデイ イン ザ レイン」は、ハルヒが文化祭のスポンサーでお世話になった隣町の電気屋さんに、部室用の電気ストーブを貰うことになったから、キョンにそれを取ってこいというだけのガキの使い回である。

キョンが電車に乗って電気屋を往復する一方、部室では長門が一人で読書している。その姿を定点の引き画の長回しで淡々と延々と映し出すのだ。そして、その静寂した長門一人の部室には、隣の部室からの演劇部(?)の練習声がただただ漏れ聞こえる。ボクはこの究極の日常(放課後)に立ち返った演出に感動してしまった。最終話に何もドラマが起きない!そんな最終話が存在するのだ。そんな結末とも呼べない結末は是非自分の目でお確かめを。

つか!未見の方はマジで観てください!

これぞ京都アニメーションの才能フルパワー!

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