SixTONES熊本ライブへ。初めての感情に戸惑った話【人生初遠征③】
「この目の前のステージに彼らが来るの……?」
ライブ会場で震えていました。
ジャニーズのグループ、『SixTONES(ストーンズ)』を好きになり2年。東京から1960km離れている、沖縄の離島から応援しています。2ndアルバム「CITY」収録曲をひっさげて開催中の、全国9カ所でのライブツアー「Feel da CITY」の、熊本公演に当選。小5の長男と2人で行くことに。→人生初遠征期 ①②
地方でのライブ参加は初めてで、しかも子連れです。20年近くぶりの「推す」感覚や、初めての感情に戸惑いまくった記録です。
会場入り。とんでもなく良い席、っぽい
「いよいよ会えるのか!え、会えるの?SixTONESを見るの??私どうなっちゃうの????」
などと息子(小5)に訴えつづける私。会場に入り座席を探すと、会場中央にある円形のステージから3列目くらいの位置。ステージまでの距離は、およそ2メートルほどでしょうか。
「え???この私の視線の先にある丸いのって????ステージ?????」
熊本のコンサート会場は縦に長い会場で、前方にメインステージがあり、花道が後方のステージまで続く形。花道の中央にある円形のステージめいたものの真下くらいの位置が私たちの座席でした。
緊張しすぎて、落ち着かず、トイレへ。ところが女性トイレはディズニーランドのアトラクション並みの行列。息子は男子トイレなので、すぐに済ませて一足先に会場に戻って行きました。トイレの列に並びながら、気持ちが落ち着かず、ジャニーズWESTオタクをしている私の実弟へLINE。
「なんか、中央の丸いののすぐ下なんだけど……」
「え!!チケ運すごいね!神席じゃん」
「だよね、ここやっぱりすごい近いよね???」
ますます震える。
開演時刻5分前くらいに小走りで会場に戻る。息子の隣にいたのは、おそらく母娘で来ていた2人組で「お母さん戻ってきて良かったね〜」とにこやかに息子に声をかけてくれていました。優しい方が隣で嬉しいよ……と、開演前から一人ほんわかした気持ちになります。
ライブが始まった。現実感がない。
開演時刻になり、会場が少しずつ暗くなっていきます。メインステージのS字型の装置が動き出し、一人一台トロッコのような装置に乗ったメンバーが上から降りてます。荘厳な曲調と相まって、あまりにも神がかっている。アイドルのコンサートの1曲目で、オープニングムービーのようなものもなく、いきなり重い曲から始める意外性がいかにもSixTONESらしい。
「うわ、本当に出てきた」
お化け屋敷のような感想になってしまう。初めてのライブは、衝撃波をずっと受け続けているようで、終わったときは放心状態で、細かいディテールが思い出せません。ライブレポを書けるようにメモしようとか思ってたのに!!メモなんて!!!!いっこもできるわけがなかった!!!!!!
予想通り、私と息子の目線の少し上にあるステージに何度もメンバーがやってきました。位置的には斜め前や後ろから見上げるような感じ。今まで何度も見ていた曲を目の前で歌って踊っていることの現実感がなくて、ずっとふわふわと夢の中にいるようでした。テレビやライブ映像だと常に正面から見ていたから、後ろや横から見るのが、「リアルにここにいるんだ」と感じられて新鮮です。
一度、目の前の円形ステージでメンバーがぐるりと回っていたときに、高地優吾くんが目の前にいました。明らかに息子に向かってにこやかに手を振ってくれていて。しかも結構長い時間。それを見て息子と2人「今、こっち見てくれてたよね!?」と飛び跳ねて目配せ。周りの人たちもなんとも微笑ましい表情でこちらを見てくれていて、優しい時間が広がった瞬間でした。
そして、やはり知ってる楽曲をたくさん聴けるのが嬉しい。コロナ禍になってから彼らの楽曲を数多く聴いてきたので、口ずさめるものも多い。振りを一緒にしたり、心の中で口ずさんだり。お客さんの前で歌うからこそのライブ感。熱がこもっていて、歌が、音楽が伝わってくる。一体感のある、心地よい時間でした。
初めての感情への戸惑い
ライブが終わる頃には「終わってほしくないな、まだここにいたいな」「本当に楽しかったなあ……」とディズニーランドを後にするときのような感覚に包まれていました。生きるテーマパーク。
ライブ後ホテルに戻ると、全く眠れないのです。なにこれ。産後当日に興奮して寝付けない感じとソックリで1人戸惑う早朝4時。気づけば、参加しているオンラインコミュニティに次の書き込みをしていました。
この日に目撃した、私が特に好きなメンバーの「ファンサ=ファンサービス」にちょっと凹んでる自分に気づいて、戸惑ったのです。
「ファンサをする曲」「ファンと交流する曲」のような位置付けの楽曲がいくつかあって、それらの曲では私たちのいたエリアにはほとんどメンバーが来ませんでした。
でも、離れていても肉眼ではギリギリ見えるくらいの距離感。そうしたら、何度も、私の好きなメンバーが自分のうちわを見つけるたびに、、、指差して何かしらのアクションをしていたんです。その度にブロック丸ごと崩れ落ちるのがすごすぎて、すごすぎた。またその時の彼の美しさといったら……破壊力……!!!
そして、なぜかショックを受けている自分にびっくりだし、どういう感情!?と思う……って話を何人かの人にしたら「本当に好きなんだねえ」と言われました。
うん、自分でも、そんなに好きなの!?!?!?!?!って思いました。かといって、こっちを見てほしくない!自分なんぞを視界に入れないで!との思いも同時にある。推し心は複雑です。
可愛いのにかっこいい、ファンサしないでずっと歌ってるのかと思ったらめっちゃする。思いがけない姿に、戸惑っている。
帰宅して、自分に起きた感情の流れを夫と子どもたちに喋っていたら、少し客観視できたのかだんだん面白くなり、落ち込んだ気持ちよりも「いやー、貴重なものを見た。やっぱりライブ楽しかったな、また行きたいわー」の気持ちへと戻っていきました。客観視大事……!!!
推しを「解釈」するのは自由
ファンサにショックを受けた自分についてオタク極めし弟に話していたら、「解釈違いってやつだね!」と言われました。解釈…違い……!
好きなものや人を応援するときって、たしかに自分の解釈を通して見てるところあるのかも。私が、勝手に、彼はあまりファンへアプローチをしないだろう、と思っていた。フィルターのようなものを自覚しました。
なんて自分本位なんだろうか‥‥?と悶々と考えていたところ、ライブの翌日、テレビの音楽番組で生放送で歌う彼らを見かけると
「テレビなら皆平等!!!」
との感情がわきあがりました。感情のジェットコースター。
もちろんライブに行きたいけど、「もっと彼らが有名になってほしいし知られてほしいし、テレビならみんなが平等に見られるよね!!」との思いも、ある。応援したいし、もっとたくさんの人たちに知られて、長く活躍してほしいと改めて感じたのです。
中高生の頃、嵐が大好きでしたがいくらこちらが思いを強めても一方的なのが虚しく思えて、私生活が忙しくなったらフェードアウトした過去があります。ライブに行って、新しい感情を知って、ちょっと戸惑っていると、東洋経済オンラインで、石川善樹さんと吉田尚記さんの本についての記事に次のように書いてありました。
そうだ、好きでも離れてもこちらの自由なんですよね。これも腑に落ちました。
と、ぐるぐる数日の間考えてたけど、島の中学生たちが「SixTONESって実在したんですかっ??!」と私と息子に駆け寄ってきてくれ、「実在……したよ!!!!」と話すと悲鳴を上げて喜んでくれて、その素直さに心が洗われました。おかげで楽しい記憶でライブが終わりました。また…行きたい……!
この文章をネットの海に、自分の名前とともに放流しても良いものか迷いに迷いましたが、せっかく書いたのでアップします。
長男はライブ楽しかったらしいです!母子2人で旅をできたのも良い思い出になりました。子連れ遠征……癖になりそうです。これからも、CDや雑誌は発売日に届かない遠い竹富島から応援します!
▼沼落ちの経緯も以前書いています。
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