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戦略プロフェッショナル

 この書籍は、広川洋一と言う鉄鋼メーカー勤務の主人公が、出向先の役員として、出向先の化学メーカーにおける市場シェアを逆転させた軌跡をたどったビジネス書だ。

 具体的には、日系鉄鋼メーカーからハーバード・ビジネススクールに企業派遣で留学し、MBAを経て帰国した広川洋一が、会社が資本参加したベンチャー企業の経営を任され、改革に着手した。

 実際、著者である「三宅匡」はBCGの日本人初のコンサルタントであり、彼の実体験を基に描かれている。コンサルティング業務のリアル、又経営者視点を学べる良書だ。

新卒でコンサルティング業界で働く人、又経営企画室etcで働く人におすすめだ。

【著者】

三宅匡氏

 1967年

一橋大学経済学部卒業。

三井石油化学を経て、20代でBCGの国内採用第1号コンサルタントとして、東京・ボストンで勤務。

スタンダード大学でMBAを取得後、プロ経営者になることを志し、30代で赤字会社2社の再生とベンチャーキャピタル会社の経営を経験。

現在ミスミグループ本社の社長CEOを兼任。経営者活動の傍ら、一橋大学ビジネススクール客員教授など教壇にも立つ。

【概要】

創設20年目の新日本メディカル。

そこにMBAを持っていたが、少し今後のキャリアに不安を抱いていた主人公が、経営立て直しを目的として出向する。

主人公はMBAで学んだ経営フレームワークを駆使して、課題の特定→戦略実行をまでを担う。(詳しくは本書で)

「市場のセグメント分け」「競合の本質的分析」を踏まえて、競合他社の得意分野から逃げるのではなく、先手必勝で「真っ向勝負」を挑む。

その際、社員のモチベート、リーダーの確保、営業のやり方など様々なアプローチをかけて、成功へと導く。

全てにロジックがあり、かつパッションを持ち合わせて事業を展開する主人公の戦略とは如何に。

【感想】

コンサルタントのリアルな業務が学べる。

かの有名な「仮説思考」「イシューから始める」などの本を読む中で、フレームワークや戦略立案までの流れは理解出来ていた。

しかし、上記の本から学んだことが実際の業務で使えるのか?という疑問。又、業務が教科書通りに進むのか?人間を動かすことはそんなに簡単なのか?という疑問を持っていた。

本書は小説調で、主人公目線だけではなく、従業員目線、競合目線からのコメントも添えて在り、コンサルタントのリアルが学べる実用的な本となっている。

読み易く、且つコンサルタントが使うフレームワーク、コンサルタントのリアルな動き方を学びたい人には是非お勧めしたい本だ。


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