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星のや沖縄 | 柔らかな風が吹き続ける

大切な友人との思い出。前回のnoteのつづきです。

日は沈み、辺りは暗くなった。すっかりわたしたちのお腹は空いていた。部屋に戻ると、冷蔵庫の中には今晩の食事が準備されていた。夕食は客室でゆっくり楽しめるギャザリングサービスを選んだ。和食セットと洋食セットを1つずつ。

スタッフさんが冷蔵庫に準備をしておいてくれて、好きなタイミングで食べることができる。仕上げは客室に備えられたIHコンロや電子レンジを使って。沖縄らしい赤い重箱には何種類もの食事が入っていた。和食にはラフテー、じゅーしー、泡盛を使った貝の酒蒸し、など。洋食には、カルパッチョにお魚のブイヤベース仕立て、ローストビーフも。デザートもついている。みんなで準備をして、掘り炬燵があるフゥシの部屋に集まってみんなで食べた。どれも本当に美味しかった。

団らんにぴったりの掘り炬燵

あっという間に時間は過ぎていく。海風に当たろうよと、テラスリビングへ。海の音が心地よかった。外はもう真っ暗で、ただただその波打つ音だけが、ここに生きていることに気づかさせてくれた。空を見上げると、小さな星が時折ちらちらと輝いて、そこに雲が流れていることが分かる。小さなきらめきは儚くて、今このときがもう二度とない時間であることを強く感じさせた。

少し湿った沖縄の夜風に吹かれて、ぽつりぽつりと話をした。深夜になり、もうこのままここで寝てしまおうかと思うくらい心地が良かった。

翌朝、道場で『朝の鍛錬深呼吸』に参加した。身体が少しずつ起きていく。縮こまった筋肉が伸びていき、そしてゆるんでいく。緊張と弛緩を繰り返して、体中に力がみなぎるような気がした。

朝食は星のや沖縄に併設されたバンタカフェで。朝の海風は爽やかで、昨夜感じた一瞬の特別さではなく、いつまでもいつまでも特別な日々が続いていくような、そう感じる風だった。わたしはアイスコーヒーとクロックムッシュを。バンタカフェにある4つのエリア『大屋根デッキ』『海辺のテラス』『岩場のテラス』『ごろごろラウンジ』のうち、わたしたちは『海辺のテラス』で朝食をとった。柔らかな風だった。

チェックアウトの時間まで思い思いに過ごす。まるで、みんなと暮らしているようだった。とっておきの贅沢をしにきたはずなのに、日々のような時間だった。心地よかった。それは、特別なことをするよりももっともっと幸せな時間だったのかもしれない。

今回沖縄へ訪れたのは11月。わたしは真夏よりも少し秋めいた沖縄の気候が好きだ。沖縄と聞くと青い海や空のイメージがあるけれど、沖縄にある本当の魅力はそれだけではない。沖縄が独自に守ってきた文化、積み上げてきた歴史、それらが教えてくれる自国を愛することや守り抜くことの厳しさ、尊さ。人々が戦いながらも、継承し続けてくれた美しい文化を享受することの、喜び。悲しい歴史にも目を背けてはならないけれど、その美しさを味わうこと。味わい尽くすこと。知ること。知り尽くすこと。沖縄に来るたび、わたしたちは果てしない歴史、先人たちの知恵の上に生きていることを思い出させてくれる。深くて長い歴史を歩んできたこの地だからこそ、感じられることなのだと思う。

みんなと来ることができた今回の旅は、エールを送り合ったような、そういう旅だった。わたしたちは、この日のことを何度も思い出して、何度も踏ん張るのだろうと思う。いつまでも、いつまでも旅をしようね。

▼星のや沖縄 公式サイト

▼星野リゾート バンタカフェ 公式サイト


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