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鬱とともに働く。

鬱と共存しながら働くことはできるのだろうか。
職場に鬱病であることをカミングアウトし、闘病中であることを伝えておけば、調子が悪い時は考慮してもらえるのかもしれない。理想の働き方はそうである。
現実は、鬱病の診断歴があるだけで一般的な仕事に従事するハードルはぐんと上がる。と、思っている。

私は転職を人よりも少し多い回数経験している自覚がある。
そして面接時に稀に聞かれるのが、精神科の通院歴である。
それに対して私は、通院歴はない、と嘘をつく。

不誠実であることは、わかっている。
けれど現実、鬱病に対する理解など、きちんとされないと思っているからだ。
鬱がしっかりと寛解してからカミングアウトして働くことができたらどんなにいいだろうか。
けれど実際は、しっかりと寛解するのがいつになるのか分からない中、生きていかなければならない。
特に結婚もしていないし実家も頼れない私は、ひとりで何とかするしかないのだ。
だから私は、嘘をついて働いている。

調子が良い時は働いて、調子が悪い時は休む、そんな都合の良い話が通るはずないのだ。
もしかしたら一部の企業ではそういった理解が進んでいるのかもしれない。
長く続けた会社であればそういった融通もきくのかもしれない。
けれど、表立っては理解を示し心配してくれても、実際には足手纏いだと思われるのだろうと考えてしまい、鬱を打ち明ける勇気がない。

現在の職場でもクローズドで働いている。
どうしても身体が動かない日は、体調不良でお休みをいただいて凌ぐ。
今内服している薬が合っているのか、ほぼ休むことなく出勤はできている。
なんとか人並みを装って働くことができている。

けれど、観察力が鋭い人はいるもので、以前記事にしたように「仕事中気を張り過ぎている」と見抜く人もいる。
気を抜けば私は簡単に抑鬱状態になり、何もできなくなる。それが怖くて仕事中は人並みであれるよう気を張っている。
そもそも職場という環境にいること自体がストレスになっているのだ。そこでストレスを最小限にするには、周りに気を遣いニコニコと過ごすことが大切だと思っている。自分に素直になって過ごすには、自分の素のテンションは低すぎるから。
周りが気になるからこそ、周りに気を遣う。気を遣わずに過ごす方がストレスだから。
そうやってなるべくテンションを上げて、気を遣って、過ごす。そうしてやっと、普通っぽい人になれている、と思う。

これが素の自分であれたらどんなに楽なんだろうと思いながら、偽りの自分で過ごしている。

鬱と共存しながら働くには、偽りが必要だと私は思う。
世の中は鬱に優しくないから。
鬱を抱えている私には優しくないから。

鬱と診断されて6年以上になるが、休職したり転職しながら何とか凌いでいる。
これから鬱が酷くなるたびにまた休職と転職を繰り返すのだろうか。
いい加減鬱と仲良くなり、ひとつの仕事を長く続けたいものだ。

今日も鬱と共存する道を模索している。

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