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ニーチェ霊解

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#永遠回帰

ニーチェ哲学を実感する方法 書斎を捨てて、大気のなかへ

ニーチェ哲学を実感する方法 書斎を捨てて、大気のなかへ

ニーチェは、埃まみれの書斎に閉じこもって机上の空論を作り出す学者とは違い、森を散歩し、山に登り、自然の中で思索しました。永遠回帰という啓示を受けたのも「巨大な岩のほとりに立ちどまった」時でした。ニーチェは学者というよりも預言者のような存在でした。

ニーチェが言う「大いなる正午」は、涼しい部屋で彼の著作を読んでいるだけでは理解できるものではありません。真の意味を理解するためには、正午に外に出て、自

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ニーチェの死因 神の死から超人へ

ニーチェの死因 神の死から超人へ

1889年1月3日、ニーチェはトリノの広場で鞭で打たれる馬に出会いました。彼は駆け寄り、その首をかき抱いて涙を流しました。

その後、彼の精神は崩壊し、最期の10年間を看取られながら穏やかに過ごしたと伝えられています。

ニーチェは『ツァラトゥストラ』で次のように述べています。

ニーチェは『ツァラトゥストラ』において「同情」を執拗に批判しましたが、それは彼自身が他者の苦しみに対する感受性が強かっ

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ニーチェ「永遠回帰と超人」

ニーチェ「永遠回帰と超人」

『ツァラトゥストラ』がニーチェの主著であり、彼の哲学のすべてが含まれています。この主著のテーマは永遠回帰です。

永遠回帰こそがニーチェ哲学の最重要テーマです。永遠回帰とは、すべてのものが寸分たがわず同一の姿で永遠に回帰することです。同一のことが無限に繰り返されることです。

しかし、その啓示を受けたとき、ニーチェは恐怖を感じました。なぜなら、偉大な者だけでなく、ニーチェが吐き気を催すほど嫌いな「

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