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レビュー / 映画『いまを生きる』いまを生きることは、命知らずであることとは違うんだ ★4.6

Seize the day(いまを生きる)。

それは私の人生の信念でもあるのだが、でもそんな生き方は刹那的な快楽主義者、無責任野郎にもなりうるんじゃないか、ってずっと悩みもしてた。その悩みに対して一つの答えを与えてくれるような作品だった。

【あらすじ】
ロビン・ウィリアムズが主演を務め、名門全寮制学校の型破りな教師と生徒たちの交流と成長を描いたヒューマンドラマ。1959年、アメリカの全寮制学校ウェルトン・アカデミーに、同校のOBである英語教師ジョン・キーティングが赴任してくる。厳格な規律に縛られてきた生徒たちは、キーティングの型破りな授業に戸惑うが、次第に触発され自由な生き方に目覚めていく。キーティングが学生時代に結成したクラブ「デッド・ポエツ・ソサエティ」を再開させ、自らを語り合うことで自分が本当にやりたいことは何かを自覚していく生徒たちだったが、ある日悲劇が起こり……。第62回アカデミー賞で脚本賞受賞。

いまを生きる : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/42487/

「いまを生きるとは、愚かな危険を侵すことではない。大胆さと慎重さは表裏一体だ」。作中に出てくる、ロビン・ウィリアムズ演じるキーティング先生の台詞。本当にその通りだよなあと思う。

大胆さと慎重さは表裏一体。自分が本当に掴みたいものを大胆に掴むためにも、ある程度の慎重さを身につけるのは大事なことなんだなあと、今までなんとなく分かりつつも見て見ぬふりをしてきたことを、改めて教えてもらえてよかった。やりたいことが今すぐ叶わないなら、時機を待ったり。「いまを生きる」ということは、命知らずであることとは違うのだ。

大胆であると同時に慎重であるためには、自分が人生で本当に大切にしたいものはなにか?を明確にすることが大切なんだと思う。「今この瞬間はこの快楽に溺れてしまいたいけれど、自分の命や愛する家族のほうがこの快楽よりも大切だ」と思えればこそ、私たちは慎重になることができるのだし、それは結果的に、自分の人生の幸せにつながるはずなのだ。

私たちの「いま」は、その瞬間だけではなく、私たちのこれまでと、私たちの未来を含んでいるもの。だからこそ、その瞬間だけの快楽ではなく、これまでと未来を踏まえて大切にしたいものを大切にする、というのが、「いまを生きる」ということなんだと思った。

それと同時に、そうした慎重さを持ってさえいれば、他の人に理解されなくても、いかに不条理に思えても、自分の気持ちを大事にしてあげていいんだ、とも思えてよかったな。

キーティング先生ありがとう、七転八倒を重ねながら、わたしこれからもいまを生きていきます。

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