見出し画像

レビュー / 映画『東京物語』古き良き日本のバイブスに万歳三唱する映画 ★4.8

古き良き日本のバイブスが最高すぎて開始5分で万歳三唱です。主人公の老夫婦、特にお母さんのほうが「早くこういうおばあちゃんになりたい…」の極みすぎて、人生の目標ができた感じ。この映画をみて、私はおばあちゃんのようなまったりさを身に纏って生きていきたいのだと気がついた。

【あらすじ】
尾道に暮らす老夫婦は、東京にいる子供たちを訪ねに行く。しかし、長男や長女は生活に追われて上京してきた両親に構う暇もなく、寂しい思いをさせる。そんな中、戦死した次男の妻だけが、取り残された彼らに温かい心遣いを見せるのだった。
小津安二郎の代表作で、批評家によるオールタイム・ベストに何度も選出された映画史上の名作。

とはいえ一見穏やかなおじいちゃんおばあちゃんにも満たされない思いや愚痴を言いたくなる気持ちがある、というのも描かれていてよかった。彼らは全く悩みがないわけじゃなく、それに上手に折り合いをつけているからこそ、あんなに朗らかでいられているんだと。

長男や長女は確かに忙しそうではあったけど、それでも全体としては今の時代よりも圧倒的に時間の流れがゆっくりとしているなあと感じた。可処分時間の壮絶な奪い合いが極まって、余暇なんて一切ない現代社会とはまったく違う、時間の流れ。どっちがいい悪いじゃないけど、こうして他の時代を知って初めて、現代の時の流れの速さを知ることができる、相対化できるなあと思う。まあでも、結局は時間のゆとりが心のゆとりなんですよ、間違いなくね……

当時の日本といまの東南アジアってなんだか似てる気がするな。自分が惹かれるものってやっぱり決まってるんだよね。

そしてやっぱり家族が幸せの基本単位だなあとつくづく思いました。家族は近くに住むに越したことないんだよね、本当。

みんな使う言葉に本当に品性があって、悪態さえも可愛らしかった(笑)「つまんねぇやい!」「ひどいわよ!」「ケッ!」
昔の人の言葉遣いから学びたい。「これは思いがけない」「結構なことですなあ」

思えば私は古道具や古着、古民家など、古いものが大好きで、こういう昭和の作品が好きなのも当然なのかもしれない。もっと昭和の作品見ていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?