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エッセイ / 福生、早朝、東横イン

東横インに泊まった。人生で初めてかもしれない。

私が住む檜原村の隣の隣くらいに、福生市(ふっさし)という都市がある。米軍基地があることで有名な都市だ。昨日はむかし福生に住んでいたという先輩に、福生の美味しい飲み屋に連れて行ってもらった。その翌日、つまり今日は、福生からほど近い映画館で映画を観ることにしていたので、思い切って福生の東横インに泊まってしまうことにしたのだ。

私の部屋は12階。早朝に目覚めると、窓からとても美しい朝焼けが見えた。「タワーマンションに住む人の気が知れない」と友人とよく話している私だが、高いところからの景色ってやっぱりいいなあと素直に思った。しばらく空を眺める。私が住む檜原村は山間地域なので、集落は山に囲まれ、空があまり広くない。深い山々に包まれているのも安心感があるけれど、広い空があるのもすごくいいなあと思う。

早朝に目覚めてからなぜか眠れなくなったので、ベッドに寝転がりながら数日前にフォローしてもらった人のnoteを読んだ。それはその方のお母さまが余命を宣告されてからの日々を綴ったnoteで、一番はじめの記事から読みはじめ、けっきょく最新のものまで全部一気に読んでしまった。

大切な人を、大切にできるうちに、大切にしよう。そんなことを強く思わせてもらったと同時に、「淡々とその日にあった出来事や自分の気持ちを綴っていく」というその人の記述スタイルがとてもいいなと思った。

私はnoteを書くときいつも、発見や学びといった何らかのオチ(結論)をつけようとしてしまう。友人から「俺は君のnoteを、教訓noteと呼んでいる」なんて言われたこともあるくらいだ。それは、「経験からはいつも何かを学びとらねばならない」「日々新しい発見をしていなければならない」という私の気持ちの表れなんだと思う。

でもきっと、本当は全ての経験から学びや発見を得る必要なんてないし、すべての経験に意味があるわけでもないんだ。

だから私は今日から、教訓じゃないnoteも書くことにしよう。今日あった出来事を、ただただ綴るような。そうすれば、最近は「ほぼ日刊」とは呼べない頻度に落ちてしまったnoteの更新も、また捗るかもしれない。

シャワーを浴び、全裸のまま窓から景色を眺めた。気がつけば太陽がだいぶ高くまでのぼっている。窓を開けると、朝帰りの学生たちの騒ぎ声が部屋に飛び込んできた。12階という高さだと、気兼ねなく全裸で窓を覗けるのがいいな。そう思ったけど、檜原村の家(2階建て。主に1階で生活している)でも、他の人家から離れているのをいいことに、私は平気でカーテンをしめずに全裸でウロウロしているんだった。

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さっき話した方のnoteの中で、とくに印象に残った記事。


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