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ひたすら突っ走った青春時代。
忘れられない先生・・・。真っ先に浮かぶのは中学時代の顧問だ。
私は中学・高校と吹奏楽部だった。 おとなしい性格とは反対に、担当楽器はトランぺット。
私のいた中学校は、地区大会すら突破できないくらいのレベルだった。
中学2年の時に、顧問が変わった。その方が忘れられない先生だ。 その先生の前任校は、上の大会にまでいくような学校だった。当然、スパルタな指導が待っているのだろうと勝手に思っていた。
最初のミーティングの時。先生からは、意外な言葉がでた。
「演奏会を沢山ひらいて、楽しくやるか・・上の大会を目指すか。あなたたちで話し合って決めなさい。」
選択肢を与えられるとは思っていなかったので、正直戸惑った。大会に出て、良い色の賞を目指す。それが当たり前のように思っていた。
話し合いの末、上の大会を目指すことに決めた。
厳しい練習が待っていると思う。でも自分たちで決めたなら、ついてきてほしい。そんなことを言われた。
いざ練習が始まってみると、できないことばかり。求められることがなかなか出来なくて、何度悔し泣きしたか。
厳しかったのは、技術面だけでは無かった。服装から、練習に向かう気持ち、挨拶・・・。先生の思いの中には、人間として成長してほしい。ただ楽器が上手くなってほしい訳ではない。そういう考えがあった。
音楽は不思議なもので、その人そのものが滲み出る気がする。
・・・ああでもない、こうでもない。
私は、悩みながらとことん突き詰めるタイプの人間だった。でも、なかなか芽がでず・・自信がもてなかった。自分なんて・・。という感じだった。それが演奏中に出てしまっていた。
中学3年のとき、重要なところを任された。他校も同じ楽器を使うらしい・・という情報がはいった。他校の方が圧倒的に実力がある。 これはまずい、練習しないと比べられる。 失敗できない。そう思った。
それから私は毎日、誰に言われるでもなく朝練をした。 それでも、地区大会直前の心配は拭えなかった。
そのまま本番の日になってしまった。吹奏楽を経験した方ならわかると思うが・・・舞台袖で待機しているときが一番不安だ。始まったらもうやるしかない。
あれ・・・・!?
本番で、あれだけ不安だったところが難なくできてしまった。これが自分にとって、はじめての成功体験だったと思う。 やればできるのかも、自分・・・?と思った。一皮むけたのは、その時期からだったと思う。
当時は先生の指導についていくのが精一杯で、がむしゃらに突っ走っていた気がする。思い返すと、今の自分の考えかたの基盤になったのは中学時代だと思う。
人生いろいろやってみないとわからない。いつも上手くいくとは限らないけれど、やればできるかもしれない。やって失敗した方が良い。 そう思えるようになった。
引っ込みじあんで、自信を持てなかった自分を変えるきっかけをくださった。そんな先生に感謝している。
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