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2018/10/29 クラシコ 中村憲剛 解説(前半)
10/29に行われました、FCバルセロナvsレアル・マドリーの試合は5-1でFCバルセロナが勝利しました。
試合のハイライトはこちらになります
この試合は試合内容も去ることながら、DAZNの放映でゲストとして解説をした中村憲剛の解説も一部話題になりました。
クラシコの生中継を逃し、チェルシーの試合も未だに確認出来てない状態の中ですが、文字起こし。やっちゃいました。笑
ひとまず前半とハーフタイムの文字起こしを行ったのですが、
視点がプレーヤー目線で今までにない面白さがありました。
ですので、すぐにでも皆さんに読んでいただきたいと思い、更新しました。
もしお読みいただけたら、素晴らしい憲剛選手の解説を拡散していただけると嬉しいです!
1.キックオフ前
試合前の展望の話で、バルセロナのサッカーの話からイニエスタの名前が上がりました。そこで解説の下田さん。
「こないだ中村さん、イニエスタとやったでしょ?どうでした?」
率直な疑問をぶつけていただきました(笑)
この問いに対する憲剛の回答から始めたいと思います。
下田さん(以下:下)
ちょっと話はアルトゥールから逸れますが、こないだ中村さん、イニエスタとやったでしょ?どうでした?
憲剛(以下:ケ)
うまかったっす(笑)
すいませんボキャブラリーが貧困すぎて(笑)
いやもうほんとそれぐらい、、形容しようがないですよね(笑)
下:どこが一番印象に残りました?
ケ:トラップは抜群にうまかったですし、トラップがしっかりしているので基本的にヘッドダウンしないんですよね。目線が下に行かないんでボール寄せれないんですよ。寄せたらハタくし、寄せなければ前向いちゃうし。しかもその前を向く距離感が他の人より全然短いんで、寄せたと思ってもクルって前向かれちゃうんで。やあ〜すごかったなあと思いました。
水沼さん(以下:水)
あまりいなかった?今まで対戦した(選手の)中では
ケ:いなかったですね。やっぱり慌てたりとか。プレッシャーかけたら慌てたりとかするんで。けど、どこまで行けばプレッシャーになるのかがちょっとわからない選手はあんまり体験したことがないですね。しかもコンディションがあんまり良くなかったって聞いてるんで。。これすごいなって思いました(笑)
...みたいです!笑
憲剛選手のようなスーパースターにここまで言わせてしまうイニエスタ、生で対戦すると本当にすごいんでしょうね。死ぬまでに1度でいいから一緒にサッカーしたいです(笑)
さて、本題に入ろうと思います。
ここからはキックオフから前半45分までの憲剛選手のコメントを時系列に記したものをアップします。
2.キックオフ!!!
・1分(ベンゼマ、オフサイドのシーン)
下:さて中村憲剛さん、序盤ですがこういうゲームっていろんな見方をされていると思うんですが、立ち上がりってどういうところ見ます?
ケ:5分、どう行くか。という姿勢が両チーム見えるんで。もう既にキックオフのときからバルサは前から守備に行きましたし、レアルはある程度のラインを作ってから行くっていう。まあそういうところが見えてるので。やっぱりホームでもありますし、バルサはインテル戦も同じ形でチャンスを作れているので、ちょっとバルサがペースを持って行きそうだなと思ったんですけど、さっきあっさりオフサイドにはなりましたけど裏に通ったんで。で、今も割と簡単に最終ライン突破しているので。。ちょっと集中しているのかしてないのかわからないような立ち上がりになっているかなという気がします。
・3分
ケ:バルベルデになって、ジョルディ・アルバがすごいイキイキしているなというのを見てて感じますよね。タイミングももちろんいいですし、あとやっぱゲーム作れるんで。あれだけ持てるとすごく中盤の選手からすると頼もしいというか。で、上下運動もできますし、バルサを見るときの1つのポイントがジョルディ・アルバがどこまで高く取れるかっていうのを毎回見てて思うんですけど、
水:やっぱり代表で選ばれないのはなぜだ。みたいなところでしょうね。
ケ:そうっすね、だから色々あるんだろうなあっていうのは、まあバルサ時代(ルイス・エンリケ現スペイン代表監督と)一緒にやってるんで、なんかあったのかなあとか(笑)それぐらい見てて素晴らしい選手だと思います。
・4分
下:さて、中村さんがおっしゃったようにバルサは前から行きますね。
ケそうですね。ちょっと気になったのが、ボールを持ちたいはずのレアルマドリーなんですけど、プレッシャーがかかった時に”どう持つか”というのがチームとして定まっていないのが気になります。結局キーパーまで何回も下げてるんで、もう今この時間で。そこの逃げ道というのを誰が作るのかというのがちょっと気になります。
・5分
下:逆に中村さん、バルサは自然体ですか?
ケ:そうですね、やっぱりいいイメージがバレンシア戦とインテル戦で出来たと思うので。ラフィーニャもインテル戦で結果残したことで、やっぱ多少プレッシャーから解放されたことはあると思うんで、今はそういう感じかなと思います。あとはレアルの守備がやっぱり”どこで取るか”っていうのが全然定まってないので、そこが1個だから前から行って取れたりすると多分もうちょっとラインを押し上げられたりすると思うんですけど。ちょっとだから、”定まってないな”というのが攻守でありますね。
・6分(レアルの前プレハマってミス誘発したシーンで)
ケ:今ちょっとスイッチ入ったんで、こういうので取れるんじゃないかってなると多分チームとしてグッとこう勇気持てると思うんで、多分その仕掛け合いじゃないかなと思いますねこの試合。
・7分(ラフィーニャとコウチーニョが絞り気味のポジションを取っていることについて)
ケ:4-3-3でアンカーが1人っていうのもあると思うんですよね。アンカー脇が空くのでそこにポジション取るのはそんなに不思議なことではないですし。そこでサイドバックがくっついてくればジョルディ・アルバとセルジ・ロベルトがフリーになりますし。多分それは準備してきた形かなという風には思いますよね。
・8分(ベンゼマのシュートのシーン)
ケ:やっぱりバルサはラインが高いので、ベイルを走らせるっていうのは1つの攻略法なのかなという風には思いますね。だから3トップ、ベンゼマとイスコとベイルが開く3トップではなくて、ちょっと2トップにイスコがトップ下みたいな形でも面白いかなという感じはしますけどね。
・10分
ケ:バルサがボールを回すために人数を増やしているんですよね、中盤の。3人+ラフィーニャとコウチーニョが真ん中に入ることで、瞬間的に5対3作ってるんでやっぱりなかなかレアルの方も飛び込めないと思いますし、バルサはやっぱり低い位置でビルドアップだけじゃなくて、やっぱりミドルゾーンで、今まさに5人でいるんですけど、、(ジョルディ・アルバ抜け出して折り返しをコウチーニョがGOAL!!!)
・11分(バルサ先制後)
ケ:これレアル、守備をなんとかしないと多分同じ形で何回も今やられてるんで左サイド。
水:そうですね、特にジョルディ・アルバも最初から高い位置取れてるしね。さっき言ってたほんとに中盤の数的有利を生かして。後ろにたくさん人がいてもそこが全然、なんでしょう、防波堤になってないですよねレアルは。
ケ:なってないですね。結局いつもだったらウィング外開くじゃないですかバルセロナ。今日は多分そういうシステムの穴っていうのを見つけながら、大外のレーンは1人でいいっていう。で、その大外にいるのがサイドバックで幅をとるっていうのが。まあでもここまで綺麗に崩せるっていうのが、やっぱり質が高いなという風い思いますね〜はい。まあバルベルデからすると、完全にしてやったりという。そういう形だったと思います。
・13分(カウンターからベイルのシュートのシーン)
ケ:やっぱり、1人1人の質は高いですよね今見ても。あのー結構追い込まれた状態からだったんですけども、最終ラインからモドリッチに縦パスが入って、モドリッチがそれで前を向くことで瞬間的に同数になるわけで。そういうやっぱり、流れ関係なく流れ持ってこれちゃうパワーっていうのがレアルの特徴でもあると思います。
・13分②
ケ:中盤を増やしてくる相手に、サイドバックをマンツーマンでつかせるのか、前のウィングの選手をもっと中閉めさせるのかっていうところは、自分たちで判断しないと。
・14分
ケ:今ジョルディ・アルバのところにベイルが落ちましたけど、これ落ちちゃうとカウンターが距離が長くなっちゃうんで、バルサからするとここまでつかせるのも多分想定の内だと思うんですよね。やっぱりベイルとイスコの推進力を削ぐってことがすごい大事になるので。
・15分
ケ:これだけ戻らされるとやっぱりこういうボール(ベンゼマへのロングボール)に頼らざるを得なくなりますし。ただここでキープ出来ればチャンスになると思いますね。
・15分②
ケ:今までロナウドがいたレアルだと、ロナウドって残るじゃないですか、攻め残り。やっぱその引力というか。やっぱ相手DFが上がれないっていうのもあったと思うんですよね。それで、こう、いるだけで相手の攻撃力を削げる選手ってそんないないと思うんで。だから今みたいにどんどん上がられて下がっちゃうと、(レアルの)パワーが落ちていくのかなあって。レアルのロナウドがいなくなった得点力の低下っていうのもカウンターが効かなくなったっていうのはそういうところもあるのかなという風には思いますね。上がっちゃえるっていう。相手のサイドバックとかが。
下:(バルサが)気にしなくていいってことですよね
ケ:そう。カウンターの鋭さを見せないと相手のディフェンダーの脅威にはならない。
下:守る方は守りやすいってことですよね。
ケ:そう。(ロナウドが)一見守備してないって思われてたし言われてたと思うんですけど、それを補うプレッシャーと、あと実際に得点を取っていたので。その選手がいなくなると本当はコレクティブにやれるはずなんですけど、逆にこう、”どうやってやるのか”が全然見えてこないっていうのがちょっと。だからこう、”球際を全然作れてないな”ってのが。
水:そうなんだよね。チャレンジに行けてないんだよね。
ケ:そうなんです。いつもだったらこの時間に相当乱闘騒ぎになってるじゃないですか?ぶつかって(笑)けどまだ1回もないじゃないですか?だからそこらへんもあるのかなあっていうのが。球際作れてないんで。
・19分(ラモスのミスからアルトゥールのミドル)
ケ:セルヒオ・ラモスがああいうプレイするのって珍しいというか、いつもだったらあそこをちゃんとサイドチェンジとか、(リプレイ見て)ここですね。これ全然多分。ちょっとびっくりしましたね。らしくない。
下:余裕がない?
ケ:そうですね。なんかチームの状態を表してる感じがすごくしてます。
・21分
ケ:そうですね、(レアルは)後手ですよね。
ピケとラングレがヘッドダウンするシーンがほぼないというか。
顔を上げながらビルドアップが出来ているので、もう全部プレス行ってるのが見えると思うんですよね。ちょうどドンピシャで(レアルが)プレスに行ってないので、なかなか連動もできないですし、最終ラインにあれだけ余裕持たれちゃうと後ろもなかなか「前だけ行かれても」てところあるとは思うんで、どっかでこうタイミング合わせて、(ベイルの前プレ見て)こういう感じで。もっと迫力持って行ければ多分。
水:行ってたもんね。ベイル1人が行ってたけど他の選手があんまりリアクションない。
ケ:バルサの選手は今誰もがスイッチを入れられる状態で今プレッシャーかけているので、やっぱりレアルの選手が下を向く回数がすごく多いし、展開がなかなかできない状態、近いところでやるしかないので、なかなか息ができていない状態なので。ただ1個抜ければこういう風に相手陣地に押し込めますから、あとはここからどう崩すってところだと思います。
・23分(バルサの前プレ見て)
ケ:これもそうですよね。1人プレッシャー行って、10人も連動する。攻守でコンパクトで味方が近いのがバルサかなって。抜かれても守れますし、ボール回しの時もバルサの方が多く人数がいるので、ハマらない状態が続いてるなあと。レアルは。
・25分
ケ:今のシーン見ても、2人の関係性しかないんですよね、レアルの場合は。楔が入って落としてる間に誰か3人目で裏をとるとか。そういう関係がなくて、出したら出しっぱなしというか、みんな任せてるなと。やっぱ去年とかだとみんなすごい動いて連動性があったんですけど、ほぼ同じメンバーでやってるんですけどこうなってしまうのかってのが、正直感じますね。しかも、本来ボールが持ちたいチームがやっているようには見えないってのがちょっとあって。
・26分
ケ:あとやっぱブスケツのマークが甘いかなってのはすごい感じますね。今のシーンもここまで持ってきたきっかけもブスケツの1本の縦パスですから。(PK獲得)
・28分(バランが本調子ではない話題について)
ケ:CLも取って、W杯でもフランス代表で優勝して、言ったら2つ大きな目標を達成しちゃった次のシーズンじゃないですか?何を目標にしたらいいのかっていうのは、ひょっとしたらこの若さであるかもしれないですよね。あと単純に長いシーズンの蓄積疲労もあると思いますし。モチベーションのところと、疲労のところっていう。兼ね合いはかなりあるかなあと。精彩を欠いているのはこのシーン(PK)だけではなくて、シーズン通してボールを持つところもそうですし、らしくないなってところを散見しているので。
・30分(PKで追加点のシーンについて)
ケ:このPKとるまでの過程も、しっかり崩し切ってジョルディ・アルバのサイドからなので、ちょっと止まってないなって感じは続いてますね。
水:明らかにレアルの右、ウィークポイントをついてますね。
ケ:カルバハルの欠場は痛いんじゃないかなと思いますね。
・33分
ケ:同じ3人の中盤のはずなんですけどね。去年とメンツはね。明らかにこういつもだったら3人で落ち着きどころを作ってサイドバックを高くとるというのが、確かに1回もないですよね。
水:バルサは結構(マークを)つきにくるよね。
ケ:そうですね。瞬間的にマンツーマンになるので、そこで時間が作れないのかなって感じはしますね。それも後ろを捨てれるっていうのは、さっきの引力の話じゃないですけどやっぱ目が話せない選手がいるかどうかは、それはメッシの場合もそうですけど。やっぱホームだから強気でいけてるのかなってのはありますよね。その強気が功を奏してるのがここまでかなって感じはします。
・36分(メッシがいないバルサは、グループでの崩しにかかってるという話題について)
ケ:逆に絞りどころがないのかもしれないですね。ワンタッチツータッチでこんだけボールを動かされると、ハメに行きたくてなかなかハメれないのはあると思いますね。
・37分(ブスケツのターンからサイドチェンジの話題)
ケ:今のターンも、あそこでバックパスをして相手に陣形を整えさせるのと、あそこでクルッと向くことで一気に相手のディフェンダーに緊張感を走らせられるというところで、やっぱり前を向くことの重要性を彼はよくわかってるなと。やっぱそれをラキティッチもそうですし、アルトゥールも3人がそれぞれが機能しているので、その意識を持って。結局その3人の誰かを潰せばいいわけじゃないんですよね。例えばブスケツが潰されそうになったら他の2人がマークを外したりとか。そこの3人の関係性がすごく良くなってるなあってのが。(映像見て)このターンも取られちゃいましたけど、その意識がすごく大事かなという風に思いますね。
・39分
ケ:バルサの場合4-3-3なんですけど、守備の時にアルトゥールがスアレスと2トップ気味になって4-4-2の形を作っているので、やっぱり相手に蓋をできる瞬間がすごく多くて、例えばレアルの場合4-3-3のまま守備行くので、そこでハメれてないのかなと。ほんとアルトゥールの5-10mのプレスの距離なんですけど、ここまで展開が変わってくるんだなと。40分ぐらい経ちましたけど、ずっと構図的には同じかなという感じがしますね。
水:前で行った上でマンツーマンみたいな感じにして奪いに行ってるもんね。
・43分(アルバがインターセプトしたシーン)
ケ:(レアルの)サポートの少なさが気になりますね。あそこをいつもだったらモドリッチが絡んだりとか右サイドはするはずなんですけど、
...前半終了!
3.ハーフタイム
・コウチーニョのタッチマップを見て
ケ:相手の守備の組織やシステムによって変えてるとは思うんですよね、コウチーニョの立ち位置を。4-3-3なので、張らなくても問題ないと。だから、そんな難しいことは何もしてないんじゃないかなと。相手を崩すためにどうやって崩そうかって、悩む時間があんまりないんじゃないかなって。なんか自分たちが1タッチ2タッチで繋いでる間にどんどん穴が出来て侵入できて。ていう感覚でやっているんじゃないかなという風に思いますね。
・ブスケツに対する対応について
ケ:(対策を)やるならした方がいいと思います。はっきりしないからチーム全体としてのディフェンスがはっきりしないんです。ブスケツに行くんだったらやる。前からプレスかけるんだったら連動してやるっていうのをやらないと、ずっとスイッチを自分たちが入れられない状態でやっているので、後半の立ち上がりはそこを個人的に注目したいなと思います。
...いかがでしたでしょうか?
憲剛選手のサッカー観が見えて個人的に書いててとてもおもろかったです!
後半の文字起こしは明日明後日までに出来たらなと思います!
*後半記事はこちらから
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