新宿

"日本人はどのように外国人を見ているのか?"改正入管法でふと思ったこと

大変遅くなりましたが、ようやくこのことについて書けることがまとまったので書こうと思います。一個人の情報としてこの記事を捉えていただければ幸いです。

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日本政府は2018年12月8日、外国人労働の受け入れを拡大する改正出入国管理法(通称:改正入管法)を参議院本会議で可決しました。

日本国内では、この採決に対して賛否両論が上がりました。僕は恥ずかしながら政治について全く詳しくありません。なので、政策について特に言及できることはないのですが、これだけは自信を持って言えます。

「永田町にいる議員の方達よりも外国人労働者と一緒に働いていて、外国人労働者が日本で働くことにどんな感情を抱いているのかを知っている」

「非人道的な政策」「高齢者と適切なコミュニケーションは取れない」「人材確保に繋がる政策」など、日本国からの視点・接点がある部分からの視点・構造面からの意見は多方面から出ています。

しかし、実際に日本で働いている外国人の目に日本という市場はどう映っているのか。これについて言及できる人は、外国人と長く一緒に働いている人しかいないと思います。だから、今日は僕が今まで見てきた声と景色について皆さんに情報提供が出来たらいいなと思います。1つの情報としてこんなものがあるんだと思ってもらえると嬉しいです。


本当にあった新宿の某うどん屋での話


僕は2016年7月から新宿にある某うどん屋でアルバイトをしています。2年半前から今日までずっとアルバイトを続けているのですが、その間にたくさんの外国人と一緒に働く機会がありました。2年半で多くの人の入れ替えがあって、現在お店に在籍している日本人スタッフの割合は1割です。

僕は他店舗で働く機会もあったので、僕が今まで接した外国人の数は150人を超えています。出勤すれば確実に外国人労働者と一緒に働く機会があるので、僕は人生において素晴らしい経験がこの2年半で出来たと思っています。

そのような状況で働いていると、日本人の外国人に対する見方が如実に現れるような光景や、日本人からひどい扱いをされた話をしばしば耳にします。今日は実際にあった話をいくつかご紹介します。


①クレーム

ある日、社員から1通のメールを見せられました。

「げそ天の説明も出来ないような外人を雇わなきゃいけない状態なら店を閉めたほうがいいと思いますけど」

僕はこのクレームを見て憤怒しました。そもそもこのクレーマーは、げそ天が何なのか分からない日本人であることを露呈していることに気づいていません。そのような人が母国語とは異なる言語で、げそ天が何なのかを説明できない外国人労働者を罵る資格はありません。

ここで誤解してほしくないのは、「げそ天が説明できないことを肯定しているわけではない」ということです。もちろん説明できない側の責任もありますが、説明ができない理由や背景も考えずに「サービス向上のため」という大義名分を振りかざして外国人労働者を否定する日本人の姿勢に僕は心底腹が立ちました。

このようなクレームは一例に過ぎません。
時には「中国人」というワードを連発した明らかに偏見としか言いようがないクレームも目にします。要するに、「Japanese」というワードが連発されたクレームが多発する国を、あなたは職場として選びますか?ということを皆さんには考えてほしいと思います。


②直接的な威圧

とある日、天ぷらを作っていたベトナム人スタッフがいました。調理場は商品の移動の関係上、天ぷらコーナーの近くにあるので、お客さんは天ぷらコーナーから天ぷらを取るときに、スタッフと対面する場面が起こります。50代の日本人男性がうどんを取って天ぷらコーナーで天ぷらを選んでいるときにその事件は発生しました。

男はかき揚げをトングで取りました。そのかき揚げをじーっと見つめた後に、目の前にいるベトナム人スタッフを睨みつけ、10秒ほど名札の名前を見ていました。ベトナム人もその視線に気づき、男を見つめています。そして男が取った行動は、「舌打ちをしてかき揚げを天ぷらコーナーに戻す」でした。

僕はこの光景を見て言葉が出ませんでした。同じくベトナムスタッフも空いた口が塞がっていませんでした。ぶっちゃけた話、マニュアルがあるので誰が作っても同じ天ぷらが出来上がります。それなのに、人を見て天ぷらを選択しない判断をしたこと。そして、舌打ちをしたこと。僕には信じられませんでした。

このようなケースはよくあります。ベトナム人がうどんを作っていると、「そこのお兄ちゃん、うどん作るの代わって」って言ってくる日本人だっています。あなたが外国人だったら、こんな国で働きたいでしょうか?


③社員

僕が働いているうどん屋では、業務連絡をグループLINEで共有しています。そして、この業務連絡1つを取っても問題は発生します。

うちの社員は、外国人が大半を占めるグループLINEにおいて、難しい漢字を多用して業務連絡をするのです。

これに対しては与えられている条件などによって異なる部分もありますが、うちで定められている条件は日本語検定2級(N2)以上の外国人が勤務条件に該当しています。

そして、あまり知られていませんが、N2取得者は日本語レベルに相当な個人差が生じています。そんな状況下にも関わらず、漢字を多用したコミュニケーションをする社員にはがっかりしました。例えるならば、これは3-5歳児に対して専門用語を多用してコミュニケーションを取ることと変わりません。

実際にグループLINEで発信されている連絡を理解しているかどうかを外国人労働者に聞いてみると、「全然分からない」といった回答がほとんどでした。

もちろん大前提として、外国人労働者も日本語を上達させなければいけない義務はあります。ですが、日本語は現状1カ国でしか話されていない言語ですし、丁寧語や尊敬語にも細かいルールがあるため、言語習得の難易度は他言語と比べても高いと思います。そして、僕含め日本人でも日本語を使いこなせていない人は多くいるはずです。

繰り返しになりますが、ここまで外国人労働者に配慮がない国であなたは母国語ではない言葉を駆使して働くことができますか?ということを僕は言いたいです。

最後に

長くなりましたが、"日本人は外国人をどのように見ているのか?"についてお分りいただけたでしょうか?

改正入管法について議論をするのももちろん大切ですが、「そもそも自分は外国人とどのように接しているのか」という視点も持ちながら、意見を持ってほしいと思います。そのための参考として、この記事が読まれると僕は嬉しいです。みなさんはどうお考えですか?







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