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【ふせん】トヨタの片づけ_#016

概要

書評というほど本全体に対する批評は薄く、
読書感想文というほど総合的な感想ではない。
気になった言葉に対して感じたことを「ふせん」として書き記すシリーズ。

トヨタの片づけ


気になった言葉たちと感想など

トヨタでは、片付けも仕事の一部ととらえられている

トヨタの片づけ

いっそ仕事として指定してもらったほうが従業員側としても取り組みやすそうだし、取り組む意義も見出しやすそうに感じる。
物事が片付いていることがよりよい業務につながるという価値観を共有するためにも、この考え方は直接的なアプローチでよいものだが、どんな企業でも浸透させられるかというとそう簡単ではないようにも思える。
トヨタブランドのすごさがうかがえる一節だ。


多くの人が片付けられない理由
~中略~
「整理・整頓とは何かについて、そもそも考えたことがない。そんな状態のまま取り組むから、いつもうまくいかない」

トヨタの片づけ

言葉の定義があいまいなまま整理や整頓に動いても、人によって仕上がりにずれが生じたり、そもそも取り掛かることすら難しく感じる場面もあるだろう。
組織の中でこういった文化を根付かせるためには一定の共通認識を持つことが大事であり、キーとなる言葉の定義も当然重要になってくる。
ちなみに一般的には「整理」は物のいる・いらないを分けること、「整頓」はものを使いやすく収めることだそうだ。


コスト意識をもってモノを見れば、
~中略~
考えて行動できるようになります

トヨタの片づけ

この意識を日ごろから持つことはなかなか難しいが、整理整頓を実行するうえで場所としてのコストや、ものを探す時間としてのコストを意識すると現状に対する課題も見つけやすくなるように思える。
さらにこの考え方は物質的な物に限らず、パソコンに保存している電子的な物(データ)などにも合致する考え方でもある。
自身の日々の行動の中で、物によるコストがどれだけかかっているのかを少しでも意識できるようにしておきたい。


「いるもの」「いらないもの」の判断基準をどこに置くか

トヨタの片づけ

これは正直私生活のなかでも頭の痛い命題だと思う。
ことさら仕事においては組織という大きな存在の中での基準を考えるとなると、その基準が少しずれるだけで物の数は大きく変わるだろう。
これはある意味組織として何に価値があり、何に価値がないのかをはっきりさせる行為であり、その決定には明確な価値観が欠かせないことだろう。


人を責めるな。「しくみ」を責めろ

トヨタの片づけ

私がこれまで読んだ本の中でもトップ3に入る好きな言葉。
何かの間違いが起きた時、その実行者となった個人を責めてはいけない。
個人を責めた時点で問題に対する対策としての思考は停止しており、責任を問われる個人も挑戦する意識をそがれることになってしまう。
重要なのは間違いが起きるような「しくみ」そのものであり、だれがやっても間違いが起きないような「しくみ」を考えることが本質的な改善となり、人に依存しない組織を作っていく。
この意識は常に忘れずに持っておきたい。


モノが一定量になってから注文する「発注点」という考え方

トヨタの片づけ

この考えはかなり革命的で我が家のルールとして速攻採用された。
我が家では洗剤やティッシュなどの日用品を棚にストックしており、そのストックを払い出したら下に敷いてあるマグネットを冷蔵庫に貼って買い物リストとして認識するようにしている。
これもひとつの「しくみ」による好例といえる。


誰が担当者か
~中略~
それがよくわからないまま放置されているケース

トヨタの片づけ

誰のもの(どこの課のもの)かわからなくて放置されるものは多いだろう。
一人暮らしであれば家の物はすべて自分の物なので整理整頓も簡単だが、家族が増えるとどんどん所有者が増えて複雑化してくるのはイメージがしやすいと思う。
そうやって放置されると際限なく散らかってしまうので、そうなる前にしっかりと所有者(担当者)をはっきりさせることが大事だと感じた。


線を1本引いて
~中略~
基準を決める
~中略~
線を引けば、スリッパもそろう

トヨタの片づけ

人の行動のうち無意識で行っているものは意外と単純な仕組みでコントロールできる部分も多くあり、この「線を1本引く」というのも一つの例。
なにか整理整頓したい事象に対して、自身が普段無意識にやっている行動にいかに結び付けるかを考えるのも面白い仕組化の考え方だと感じた。


キレイな状態をキープしておくと、キレイなままになります。誰かが汚してしまうと、みんなも汚し始めます

トヨタの片づけ

まさに割れ窓理論のこと。
小さな散らかりが少しずつ雪だるま式に広がっていって、大きな惨状を生んでしまう。
この小さな散らかりもできるだけ発生しないような仕組みづくりと、定期的に散らかりを整理整頓する習慣をつけることが、きれいな状態を保つカギとなるだろう。

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